玉子焼きとは
玉子焼きと言えば、おかずやお弁当の定番ですよね。お店や家庭によってそれぞれ特徴があり、庶民の味の代表格です。「玉子焼き」とは本来、厚焼き・薄焼き・目玉焼き・炒り卵など、卵料理全般を指す名称です。「玉子焼き」が、どの調理法を指すのかは地域や世代などによって違いますが、この記事では少し甘めの味付けの、関東風厚焼き玉子焼きの作りかたについて紹介します。
玉子焼きに必要な材料
調理器具
玉子焼きは、普通の丸いフライパンだと形を整えるのが難しいので、「玉子焼き器」と呼ばれる四角いフライパンを使うときれいな形に作れます。熱伝導率のよい銅製のものやテフロン加工のものなどがあり、主に関東では正方形で、関西では長方形のものが使われます。どのタイプを使うかは好みにもよりますが、今回は関東風厚焼き玉子なので、銅製の正方形のフライパンでの作りかたを紹介します。
玉子焼きの材料
基本的な玉子焼きの材料を紹介します。使う材料や味付けは好みによって千差万別ですが、初めて玉子焼きを作る場合はこちらの比率を参考にしていただき、基本の玉子焼きをマスターしましょう。そして慣れてきたら徐々にアレンジを加えていくとよいでしょう。
材料 | 分量 |
玉子 | 8個 |
油 | 適量 |
かつおだし汁 | 180ml |
みりん | 20g |
醤油 | 2g |
砂糖 | 40g |
塩 | 3g |
※各分量は目安です
油はペーパーに浸しておく
少し深みのある器に油を入れ、キッチンペーパーなどに油をしっかりと浸しておきましょう。きれいな玉子焼きを作るのには、油の使い方がひとつのポイントとなります。油を含んだペーパーを菜箸で掴み、フライパンの調理面にまんべんなく擦り付けてしっかりと油のコーティングを施します。こうすることで、フライパンに卵液がくっつくのを防いでくれます。
玉子焼きの作り方
それでは実際に玉子焼きの作りかたを順を追って紹介します。
玉子焼きの作り方①材料を混ぜる
まずは、ボウルに油以外の材料を全て入れて混ぜ合わせ、卵液を作ります。玉子8個というと、やや多いように感じる方がいるかもしれませんが、関東式の正方形のフライパンはこのくらいが作りやすい分量です。だし汁は多い方がしっとりとふわふわに仕上がりますが、だし汁の量に比例して巻くときの難易度が上がります。初めて作る場合はだし汁を少し減らすと巻きやすいでしょう。
混ぜかたのコツ
玉子を混ぜるときは菜箸を使い、泡立てず切るように混ぜるのがコツです。泡立て器などで空気を含むように混ぜたほうが、ふっくらしそうに思う方がいるかもしれませんが、実際は逆で仕上がりがぺしゃんこになる場合が多いです。
玉子焼きの作り方②フライパンを火にかけ油を塗る
最も重要と言えるのが、器具の温度です。まずはフライパンを火にかけてたっぷりめに油を塗り、しっかりと余熱します。温度が低すぎると玉子液がくっついてしまい、温度が高すぎると焦げてしまいます。目安としては、フライパンを傾けたときに油がサラサラと流れる程度です。煙が出るようだと熱しすぎです。
温度調節のコツ
火加減は、基本的に中火くらいが初めての方でも作りやすいでしょう。卵液を入れるとフライパンの温度が下がるので、そのときは強火にして調整します。目安としては卵液を入れたときに、ジュワーっと音を立てながら小さい気泡が全体にできる程度です。
玉子焼きの作り方③卵液を流し入れる
フライパンを十分に予熱できたら、おたまなどを使って卵液を流し入れます。一度に全量入れるのではなく、おたま一杯分程度を入れましょう。卵液を入れたらフライパンを傾け、全体に薄く伸ばします。薄焼き玉子を作るイメージですね。このとき気泡ができるので、大きいものからつついて潰しておきましょう。全部潰す必要はないので、ざっくりとで大丈夫です。
焼きかたのコツ
卵液は一度に全量を入れて焼くのではなく、複数回に分けて焼くのがポイントです。しっかり食感のミルフィーユ状にしたいなら5〜6回に分けてもいいですが、厚みのあるふわふわな食感にしたいなら3〜4回程度で仕上げるのがおすすめです。白身が固まるときに厚みが生まれるためで、ある程度多めの卵液を入れることでふわふわで厚みのある仕上がりになります。
玉子焼きの作り方④ひっくり返す
表面がうっすら乾いて半生状になったら返しどきです。完全に固まってしまうと、たたんだときに卵同士がくっついてくれません。フライパンの奥(先端)から手前に向かって、最初はくるくると巻いてきます。手前まで巻き終わったら、フライパンの表面の余白にまたペーパーで油を塗りこみます。
ひっくり返し方のコツ
最初はくるくると巻いてくればOKですが、2回め以降は厚みが出るのでひっくり返すのに少しコツが必要です。玉子焼きの奥側に菜箸を入れ、手首のスナップを効かせてフライパンの先端を持ち上げながら同じモーションで卵をひっくり返します。イメージとしては、フライパンの先端を手首の方へ持ってくる感じです。そこで一呼吸置いてから、もう一度ひっくり返して完成です。
フライ返しなどでもOK
玉子焼きを作るのが初めてだったり慣れていなかったりする場合、上記のやりかただと難しいと感じるかも知れません。そんなときはフライ返しなどの幅広の器具で、転がすようにひっくり返すやり方でもOKです。何度か手首を使って返す練習しながら焼いているうちに、徐々にマスターできますよ。
玉子焼きの作り方⑤焼いた玉子を移動させる
折りたたんだら、フライパンを横に傾けて両端を軽くコンロに叩くと、くっついていた玉子焼きがきれいに外れます。次に手前側を持ち上げ、玉子焼きを奥側へスライドさせて移動します。このときにフライパンへの油の塗りこみが不十分だとうまくスライドしてくれないので、しっかりと塗っておきましょう。移動させたら、また余白部分にペーパーで油を塗りこみます。
玉子焼きの作り方⑥再び卵液を流し入れる
手前側に空いたスペースにまた卵液を流し入れ、先ほどと同様に伸ばして気泡を潰します。このときに先に焼いた玉子焼きを軽く持ち上げ、底の部分にもしっかりと卵液を行き渡らせるのがポイントです。この一手間で卵同士がしっかりとくっつき、きれいな仕上がりになります。そしてまた奥からひっくり返しながら巻いていきます。基本的には②〜⑥の繰り返しです。
玉子焼きの作り方⑦形を整える
ひっくり返すときに多少形が崩れたとしても、修正ができるので慌てなくても大丈夫です。フライパンに角度をつけて側面に玉子焼きを押し付けるようにすると、卵が落ち着いて自然と形が整ってきます。両サイドも同様に少し焼いてあげると型崩れしにくくなります。
巻き簾にくるんで休ませる
できれば、巻き簾(まきす)などにくるんで少し休ませてあげると、きれいな形をキープできます。巻き終わりを下にするか、輪ゴムなどで留めておくとよいでしょう。多少中が半熟状態でも休ませることで余熱で火が通り、切ったときの断面もきれいなものになります。
玉子焼きの作り方⑧盛り付ける
最後は盛り付けて完成です。そのままどーんとお皿に盛り付けるもよし、一口サイズに切り分けて盛り付けるのも自由です。大葉や大根おろしを添えるとワンランク上の仕上がりになりますね。お弁当に入れるときは雑菌の繁殖を防ぐために、しっかりと冷まして(中まで火を通して)から入れましょう。
まとめ
定番の人気おかず「玉子焼き」の基本的な作り方について紹介しました。だしの量を増やせばだし巻き玉子になりますし、カラフルな野菜を一緒に巻き込むなどのアレンジもいいですね。今回は甘めの味付けでしたが、それぞれの好みに合わせて調整してください。初めて作るときは上手に巻けないかもしれませんが、何度かやっているうちに徐々にできるようになるので、諦めずにトライしてみてくださいね。
参考動画
今回の記事の作成にあたって、現役の鮨職人である銀座渡利様のYouTube動画を参考にさせていただきました。上が参考にさせていただいた動画ですので、記事と合わせてご覧になり参考にしてみてください。下が銀座渡利様のYouTubeチャンネルです。わかりやすく解説されている動画がたくさんあるので、ぜひチャンネル登録もお願いします!
油はフライパン側面も忘れずに塗りましょう