プラバンの基本の作り方
それでは早速、プラバンの基本の作り方をまとめてみます。きれいに作るための、切り方や焼き方のコツもご紹介しましょう。プラバンは手軽な材料で短時間に完成できるので、子供と一緒にハンドメイドに挑戦するのも楽しいです。加熱の際に、火傷には十分気をつけてください。
作り方①絵を描く
絵を描くといっても、絵が苦手だったり、何を描いたらいいかわからなかったりする方もあるかもしれません。その場合は、インターネットでイラストや文字のフリー素材を探してみましょう。また、子供の図鑑や絵本の挿絵、アニメのキャラクター図鑑なども参考になります。プラバンでは下絵を下に置いてなぞったり、カーボン紙を使うことも可能です。誰でも簡単に思い通りのデザインを写し取ることができます。
デザインを選ぶときのコツ~大きさに注意!
デザインを決めるときには大きさが大切です。加熱すると4分の1程度に縮むので、できあがりの大きさの4倍程度のデザインにすることがポイントです。なおかつ、焼く前の大きさは最大15~18cmまでとします。理由は、大きすぎると加熱して縮むときに、端と端がくっつき合ってしまうからです。極端に細長いデザインも、同じ理由で難易度が高くなります。ちょうどいい大きさの絵がない場合は、コピー機で拡大縮小しましょう。
絵を描くときのコツ
プラバンに絵を描くときの基本は油性ペンですが、半透明フロストタイプでは色鉛筆も使えます。下絵の上にプラバンを乗せて、ずれないようになぞっていきます。マスキングテープなどで固定しておくと安心です。また、油性ペンやマーカーを使う場合には、右利きの方は左上から右下へ、左利きの方は右上から左下へ描くことを意識するとよいでしょう。描いたばかりの場所を自分の手でこすってしまう失敗を減らすコツです。
油性ペンといえども、プラバンに描くと多少はじいたりかすれたりすることがあります。プラバンアクセサリー作家の方は、いろいろなペンを試してみた結果、黒ならばTOPVALUの「クラフトテープにも書ける油性マーカー」がお気に入りだとおっしゃっていました。最近では画像のようなプラバン制作用のカラーペンも販売されているので、使ってみるのもよいでしょう。
作り方②着色
透明タイプの着色のコツ
透明プラバンの着色は通常、輪郭を描いた側からではなく、裏から行います。輪郭の線と塗った色が接してにじむのを防ぐためです。油性ペンやクレパスで着色する場合は焼く前に着色します。クレパスは直接塗り付けて、余分な粉をティッシュなどで拭き取りましょう。収縮すると色が濃くなるので、ほんのり色がついている程度で十分です。油性ペンで輪郭線に沿って塗り分けた場合は、焼きあがって厚みが出たときに、線がずれているように見えて違和感を感じる方もいます。
ポスカやアクリル絵の具やマニキュアで着色する場合は、焼く作業の後に裏面に塗ります。乾かないうちに塗り重ねてむらにならないように仕上げるのがコツです。「絶対にこうしなければならない」という着色の方法はないので、お好みでいろいろ試してみましょう。
半透明フロストタイプの着色のコツ
半透明フロストタイプでは、色鉛筆やクレヨンで着色することができます。焼く前にざらざらの面に着色しましょう。混じってにじむことがないので、輪郭と色塗りを同じ面に描くことができるのも利点です。グラデーションや混色が容易にで繊細な色彩表現が可能になるので、大人のハンドメイドアクセサリーにも大活躍します。
作り方③好きな形に切る
絵を描いたら、プラバンを好みの大きさと形に切りましょう。プラバンを切る場合は、はさみの刃の中央付近を使います。先端を使って切ると、プラバンが割れてしまうからです。特に厚みのあるプラバンは、切るときに堅い上に割れやすくなります。また、収縮して厚みができたときに角があると危ないので、画像のように丸く切ると安心です。
鋭角の切り方のコツ
鋭角の切り方としては、一気に切るのはNGです。まずおおまかな形に切ります。そして画像の矢印のように、切れ込みに向かって左右から切ることで落とすのがコツです。プラバンを無理に回しながら一息に切ると割れてしまいます。
穴をあける際のコツ
キーホルダーやアクセサリーにする場合は、焼く前に穴を開けます。穴から縁までは最低4~5mmあけるのがコツです。焼くと、穴の大きさも穴から縁までの距離も、4分の1程度に縮みます。あまりぎりぎりに穴を開けると、金具で負荷がかかって割れやすくなるのです。
穴を開ける際には一つ穴パンチがあると便利ですが、普通の穴開けパンチしかない方もあるかもしれません。穴開けを失敗したくない場合は、穴を開けたい位置に油性ペンなどで印をつけておきます。画像のように、穴あけパンチの蓋を外してひっくり返してプラバンを差し込んでみてください。すると穴から印が見えるので、確実に穴を開けることができます。
作り方④焼く
オーブントースターで焼く
プラバンを焼く前に、オーブントースターは予熱しておきます。アルミホイルをくしゃくしゃにしたものか、料理がくっつかないホイルの上にプラバンを置いて加熱開始です。プラバンは約130℃を超えると反り返りながら縮み、その分厚みが増します。プラバンの袋に、ワット数と加熱時間の目安が書いてあるので参考にします。お使いの機種やプラバンの大きさと厚みによって加熱時間は変わるので、目を離さずに1枚ずつ焼くのがコツです。
オーブン機能付きの電子レンジで焼く
電子レンジではできません。オーブン付きの電子レンジならば、オーブン機能を使って焼くことができます。オーブン電子レンジのオーブンは、200℃に予熱して、加熱時間の目安は2分です。オーブン電子レンジの場合も、機械の癖があるので目を離さないようにしましょう。他に、ホットプレートやエンボスヒーターを使って加熱する方法があります。いずれの方法でも加熱し過ぎを防ぐために、1つずつ焼くのが作品のクオリティを高めるコツです。
加熱時間終了を見極めるコツ
画像は、オーブントースターで加熱中のプラバンの様子です。実際には左のものが一番大きく、右の画像では4分の1程度に収縮し、厚みが増しています。加熱を始めるとまずプラバンが波打ち始め(画像左)、次に大きく反り返りながら縮むのです(画像中)。最後に厚みのある平らな板状に戻る(画像右)ので、動きが止まったときが取り出すタイミングです。何度かやってみれば、コツがつかめるでしょう。
作品がくっついてしまったら
時々大きく反り返ったときに、端と端がくっついてしまうことがあります。しかし元に戻る力が働いて自然に外れれば問題ありません。収縮が止まっても外れなかった場合は、溶けて一体化しないうちに取り出します。外れればもう一度加熱してみましょう。やり直しは可能ですが、くっついた部分の絵が写ってしまったり、直そうとしているうちに絵が擦れて消えたりするので、満足のいく作品には仕上がらないかもしれません。失敗は成功の基、どんどんチャレンジしましょう。
作り方⑤仕上げ
熱いうちに押しをする
加熱が終了したプラバンは、軍手をして割りばしなどでクッキングシートの間に取り出しましょう。ピンセットを使うと先端やぎざぎざの跡がつくことがあります。小さな作品ならアルミホイルごと取り出して、クッキングシートの上でひっくり返すのも手です。クッキングシートは色写りを防ぐ役割があります。熱いうちに厚手の本などの間に挟んでプレスしましょう。アイロンで押さえてもよいです。金属トレーを使う場合は熱が伝わってくるので気をつけます。
好みで金具などをつける
最後にお好みでキーホルダー、ブローチ、バレッタ、ネックレス、イヤリングなどの金具を取り付けます。100均にもさまざまな種類のアクセサリーパーツが揃っていますので、お気に入りを探してみるとよいでしょう。
これで基本の作り方はばっちり!次項では更に作品のクオリティを高める方法をご紹介します。
出典:筆者撮影