生で食べてしまったときの健康被害とは
ベーコンには、そのまま食べられる「加熱食肉製品」とそのままでは食べられない「非加熱食肉製品」がありました。もし、生で食べられないものや生焼けのベーコンをそのまま食べてしてしまった場合、体調を崩してしまうことはあるのでしょうか。ここでは、食べてしまったときに起こりうる健康被害についてお話しします。
気になるその危険性とは
食中毒
保存状態が悪かったり、調理が衛生的でなかったり、十分火が通せていなかったりする場合は、生肉と同様に食中毒を起こす可能性があります。大腸菌やカンピロバクター、サルモネラ菌などの細菌類、ノロウイルスに代表されるウイルスが原因です。嘔吐や下痢などの胃腸炎の症状や38℃前後の発熱があります。原因によって、数時間から一週間程度の潜伏期間があります。
こんな症状に注意
- 激しい嘔吐や下痢、腹痛、胃痛など消化器系の症状
- 38℃前後の発熱
リステリア症
リステリア菌は、食品以外にも土、動植物などどこにでもいる細菌です。この細菌は、塩分や冷所にも耐性があり、ベーコンの加工の過程において殺菌することができません。健康で、免疫力があれば発症することはありません。免疫力が低下していると、関節痛や高熱などのインフルエンザのような症状や、意識障害や痙攣を起こすなど重症化することがあるといわれています。
こんな症状に注意
- 関節痛・高熱・寒気などインフルエンザのような症状(初期)
- 痙攣、意識障害などのリステリア症
トキソプラズマ症
トキソプラズマという寄生虫によって引き起こされる感染症です。生肉以外にも、猫や菜園の土などからも感染します。健康的な免疫力のある方であれば、無症状か、リンパ線の腫れや喉の痛み、軽い発熱など風邪に似た症状で収まります。免疫力が弱っている方がかかってしまった場合、肺炎や心筋炎、脳症などを引き起こすことがあり、注意が必要です。
こんな症状に注意
- (通常時)リンパ腺や喉の痛み、発熱など風邪に似た症状
- (免疫力低下時)肺炎・心筋炎・脳炎などのトキソプラズマ症
万が一、上記のような症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。次のページでは、安全にベーコンを食べるためのコツについてお話しします。
特に、妊婦さんや小さいお子さんは、パンチェッタなどの生食用の生ベーコンでも、リステリア菌やトキソプラズマの影響を受けやすいので避けるようにしましょう。