はじめに
柚子風呂というと、冬至に風呂桶の中に柚子を浮かべて入る習慣が根付いています。気持ちが落ち着いて、体をじっくりと温められますね。人間だけではなく、動物園などでもゆず湯に喜んで入る動物がいるほどです。柚子風呂の作り方や効果などを見ていきましょう。
柚子風呂の作り方
基本の柚子風呂の作り方
基本の柚子風呂の作り方と、江戸時代の作り方を紹介します。自宅のお風呂で簡単にできますよ。
- 柚子を1~3個程度用意します。
- 大きいものは輪切りにしたり、小さいものは半分に切ったりして柚子の成分を出しやすくしましょう。
- 布や紙の袋に切った柚子を入れて、湯を張った浴槽に入れます。
小さめでカットするのが難しい場合は、皮に箸で刺して穴を開けたり、少し切り込みを入れたりするだけでも構いません。また、果肉をジャムやお茶に使った場合は、皮だけでも大丈夫です。皮にも体によい成分が多く含まれています。
ガーゼや布の袋に入れる理由
ガーゼや布の袋に包んで入れるのは、浴槽内を汚さないためです。柚子を切ってから入れると、たねや果肉、皮などが飛び散って湯船の掃除が大変になります。冬至用に売られているものには、不織布の袋がついている場合がありますので利用するとよいでしょう。
昔の柚子風呂の作り方
江戸時代の柚子風呂は、銭湯で冬至の日に柚子を輪切りにして湯船に入れる作り方でした。当時から、ゆず湯はひびやあかぎれを治し、風邪を予防すると信じられていたということです。江戸などの関東地区では親しまれていましたが、近畿地方ではあまりお風呂は使われず、ゆずを用いたお風呂は根付きませんでした。
柚子風呂の効果
柚子風呂の効果を見ていきましょう。寒い季節には、美容や健康に役立てられる効果がたくさんあります。
効果①美肌
柚子などの柑橘類には肌にハリやツヤをもたらすビタミンCが含まれています。水溶性なのでお湯の中に溶けやすくなり、肌への効果が期待できるといわれています。
効果②リラックス
柑橘類にはリモネンというリラックス効果のある成分が含まれています。爽やかな香りで心が安らぐため、1個程度の柚子でも切って香りを出しやすくすることで、怒りや落ち着かない気持ちを抑える効果が期待できます。
効果③血行を促進する
ゆずに含まれるポリフェノールには、血行をよくする働きがあります。体内の毛細血管にも作用するため、全身の血の巡りがよくなり、寒い季節でも体全体が温まるでしょう。
柚子風呂の効能
どのように柚子風呂の効能があるのか見ていきます。日頃からなんとなく不調に悩んでいる場合、役に立つかもしれません。
効能①肩こりや腰痛がある方
血行を促してくれるため、肩こりや腰痛を軽減する効果が期待できます。デスクワークなどで同じ格好をして仕事をしていると血行が悪くなり、こりや痛みが出てくることもあるでしょう。体内の老廃物が排出されやすくなり、こりもほぐれやすくなるでしょう。
効能②ストレスが溜まっている方
柚子の香りでいやされることから、ストレスの解消効果が期待できます。ゆったりとお風呂に浸かって匂いをかぐと、イライラした気持ちが和らぐように感じられるでしょう。
効能③体が冷えて辛い方
女性の場合は寒い時期や冷房の利いた室内にいると、冷え性に悩む方が多いです。ゆずは血行促進効果があり、皮に含まれる香り成分が湯冷めを防いでくれます。冬の季節でも体が温まりホカホカにしてくれるでしょう。
効能④風邪の予防
ゆずに多く含まれるビタミンCには風邪を予防する効果が期待できます。また、体が温まると抵抗力もアップするため、風邪に負けない体作りもできるでしょう。
効能⑤ひびとあかぎれを軽くする
果肉や皮に多く含まれるビタミンCやクエン酸には、肌の炎症を抑える効果もあります。寒くて乾燥した冬に悩まされる手足のひびやあかぎれを、改善する効果も期待できます。
出典:写真AC