蒸留水とは?
蒸留水は水を沸点まで加熱し、出てきた水蒸気を冷却した水です。蒸留水は微生物などの不純物を取り除くため無色・無臭で純度が高いです。蒸留水の用途はさまざまで、飲むための水としてはもちろん、スキンケアやお掃除、精製水として使用されています。この記事では蒸留水の特徴や普通の水と蒸留水との違い、かんたんな蒸留水の作り方などをご紹介します。
蒸留水と普通の水の違い
水には蒸留水のほか普通の水(水道水)や精製水、純水などがあります。水の種類は含まれている不純物がどれくらいあるかによって分類されています。以下に、普通の水と蒸留水の違いを見ていきましょう。
水道水は水質基準を満たしており飲用可能
蛇口をひねるとでてくる水道水は、国が定めた厳しい水質基準をクリアした安全な飲むための水です。水道水の元は雨や雪などが地下で溜まり、これらの水を浄水場で浄化したあと、上水道と水道管を経て各家庭に供給されます。浄水場から家庭に届くまでのあいだ、雑菌の繁殖を防ぐために塩素で消毒するため、この塩素のにおいが水道水独特のカルキ臭となります。
蒸留水は加熱処理で不純物を取り除いた水
蒸留水は水道水を加熱した水蒸気を再度冷却して、不純物を取り除いたものです。蒸留水は加熱処理をするため精製水より純度が高いですが、処理中に空気中の不純物を拾いやすく、それを避けるために蒸留器がよく使われます。
蒸留水は体内の老廃物などを排出すると言われているよ!だけど、間違った保管方法だったり、一度に大量に摂取したりするのは避けたほうがいい。
蒸留水のメリット・デメリット
蒸留水は不純物が含まれない「純水」と言われています。しかし、そんな安全で純粋な水と認識されている蒸留水にはメリットだけでなくデメリットもあります。以下に、蒸留水のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
蒸留水のメリット
メリット①雑菌を浄化する
蒸留水のひとつめのメリットは雑菌を浄化することです。水道水には塩素で雑菌を消毒していますが、ダイオキシンなどの有害物質まで除去できません。有害物質だけでなく雑菌も除去されている蒸留水は、コンタクトレンズの洗浄用として使われており、加湿器で使うと肺炎を引き起こすレジオネラ菌の増殖を防止できます。
メリット②発がん物質などの不純物が除去される
塩素で殺菌された水道水は飲んでも安心なレベルにろ過されますが、残留塩素や発がん性物質は残るため、完全に不純物を除去している状態とは言えません。しかし、蒸留水は水道水に残っている不純物が沸騰させた水の方に残るので、冷やされて気化した水蒸気には不純物がない状態になります。
蒸留水のデメリット
デメリット①おいしくない
蒸留水はミネラル成分やうまみ成分が有害物質とともに除去されてしまいます。つまり、有害物質が除去されるだけでなく、残しておきたい成分まで取り除かれてしまいます。うまみ成分がない水なので、おいしい水という味ではありません。特に、添加物の味や甘味に慣れている人ほど、蒸留水の味には違和感を持つようです。
デメリット②水道水より危険な可能性がある
水道水を蒸留すると、殺菌作用のある残留塩素まで排出してします。そのため、蒸留の過程で細菌や不純物が混ざってしまう可能性があります。そして、少しでも汚れが付着すると水質が変化します。また、蒸留水は保管に気をつける必要があり、場合によっては水道水よりも性質の悪い水ができあがる可能性があります。さらに、蒸留では水と沸点が近い物質や微量のイオンまでは分離できません。
蒸留水って普通に飲めるの?