多彩な機能をもつキッチンワゴン
一口にキッチンワゴンといっても、料理を運ぶ、作業台、収納、家電置き場、サイドテーブルと多彩な機能を持っています。キャスター付きで移動できると、台所仕事の作業効率がさらに上がります。そばに置いて使うキッチンワゴンだからこそ、自分にピッタリあうものを手作りしてみましょう。
キャスター付きキッチンワゴンをDIY
ラックにキャスターを付けるキッチンワゴンは簡単に手作りできます。ラック部分は天板、棚板、底板、支柱で構成します。中段の棚板はボックス型にすると置いたものが落ちるのを防げ、下段に背の高い重いボトル類を収納してもキャスター付きなら移動がスムーズですね。作り方の手順・ポイントを知って、オリジナルのキッチンワゴンを完成させましょう。
作り方①完成図をスケッチする
まずは、作りたいイメージのキッチンワゴンをスケッチしましょう。できあがりの寸法から木材の厚みを差し引かなければならない部分に注意します。棚板をボックス型にする場合は、物を出し入れする際に、上の板に突っかかってしまわないように十分な高さをとりましょう。天板と底板で支柱を挟むような組み方にすると安定感があります。
スケッチの手順
- ワゴンに置きたい(収納したい)ものの寸法を測り全体のサイズを決める
- おおまかなスケッチにでき上がりの寸法を書き込む
- 木材の組み方を決める
- 使用する木材ひとつひとつの寸法を割り出す
作り方②材料を準備する
準備するもの
- 木材
- のこぎり
- 木ネジ
- 電動ドライバー
- サンドペーパー
- 水平器
- 塗料
- はけ
- 木工用ボンド
- キャスター
- のこぎりガイド※
キッチンワゴンのスケッチが完了したら、材料を準備します。工具類やキャスターは100均で手軽に準備できます。キャスターは耐荷重を考慮して準備しましょう。電動ドライバーは通信販売やホームセンターで購入できます。使い方が簡単でいながら3000円以下で買えるものもあり、揃えておくと役立ちます。
作り方③木材を選ぶ
原木を切り出した無垢材ではパイン材やSPF材、人工的に作られた集成材では杉材やパイン材が柔らかく加工しやすいためキッチンワゴンのDIYに向いています。SPF材は安価で加工がしやすいうえに、重量感もほどよく人気がある木材です。しかし無垢材で反りが生じやすいため、塗装で抑える工夫をしましょう。
作り方④材料をカットする
材料の切り口が真っ直ぐでないと、接合部分に隙間が生じてしまいます。また、仕上がり全体に歪みが出る原因にもなるため材料を真っ直ぐカットすることに細心の注意をはらってください。ホームセンターや便利グッズを活用してきれいにカットし、自作でもワンランク上の仕上がりを目指しましょう。
ホームセンターでカットしてもらう
ホームセンターでは、購入したものを必要なサイズにカットしてくれる有料サービスがあります。寸法を伝えるだけであっという間にきれいにカットしてもらえます。持ち帰ったらすぐに作り始められるため便利ですね。最寄りのホームセンターで木材をカットしてもらえるか、あらかじめ調べておきましょう。
のこぎりガイドを使う
のこぎりを使って自分でカットするときは「のこぎりガイド」を使用がおすすめです。使い方は簡単で、木材にガイドをセットし、のこぎりの刃をガイドに沿わせて動かすだけです。ガイドに磁石がついており、刃の角度を板に対して垂直に保てます。DIYが初心者の方でも木材を真っ直ぐきれいにカットすできますよ。
木のささくれで怪我をしないように、木材を切った後はサンドペーパーで切り口にやすりをかけてね。
作り方⑤塗装する
製作過程の「組み立て」の前に塗装しましょう。木材を一枚ずつ丁寧に塗装することで仕上がりがより美しくなり、加えて板の状態なら塗りやすいという利点もあります。また、塗料には多くの種類があり、用途によって適切に選ぶ必要があります。そのなかでもキッチンワゴンを自作するうえでおすすめの塗料を見ていきましょう。
ステイン
水性塗料のステインは刷毛を使って塗装します。木材に染み込みながら着色していき、手作りならではの温かみが感じられます。伸びがよく塗りやすいため失敗することがほとんどありません。着色することで木目がきれいに浮き上がり、木の風合いが際立ちます。また、カラーバリエーションが豊富で好みに合うものを見つけやすいのもうれしいポイントです。しかし、木材を傷や水の浸透から保護する効果はありません。
オイル・ワックス
オイルは刷毛で塗ってから、柔らかい布で木目に沿って浸透させるように塗り込みます。ワックスは柔らかい布にとり木目に沿って塗り込んでいきます。
オイルやワックスの塗装なら、木材を汚れや水などから保護できます。オイルが木材に浸透するのに対して、ワックスは表面にとどまって膜を作ります。ステインとは違い鮮やかな色のバリエーションはありません。木そのものの色や木目を引き立たせ、磨き上げるとほんのりと艶がでて、自作とは思えない素敵な仕上がりが期待できます。
作り方⑥組み立てる
木ネジや木工用ボンドを使って、キッチンワゴンの形に組み立てます。基本は木ネジを使用し、強度を上げたり補助したりする役割で木工用ボンドを使いましょう。
木ネジの選び方
キッチンワゴンのDIYには「コーススレッド」の半ネジタイプがおすすめです。木割れがおきにくく、木材同士をしっかり密着させてくれます。サイズの種類が豊富で安価なため、適したものが手に入りやすいです。サイズを選ぶときは、打ち込む部分の1/3以下の直径サイズにすること、木材の厚みの2倍以上の長さであることを確認しましょう。
場所によって打ち込み方を工夫する
支柱と棚板の接合は支柱側から棚板に向けて、天板や底板と支柱の接合は、天板側や底板側から支柱に向けて木ネジを打ちます。使用する木材に適した木ネジを選ぶことがポイントです。ラック部分の組み立ての手順に決まりはありませんが、水平や垂直に組み立てるよう注意が必要です。
水平器の使い方
天板や棚板が水平に保たれていないと、ワゴンの上に乗せたものが転がり落ちてしまいますね。部材を1つずつ組み立てるたびに水平が保たれているかを平らな床の上で確認しましょう。水平器の使い方は、取り付ける板の上に置くだけです。水の中の気泡が印に収まっていれば水平で、その状態で取付位置に印をつけてビスで固定します。
水平器は100均でも売られています。自作家具には欠かせない道具なので揃えておくのがおすすめです!
作り方⑦キャスターを付ける
最後にキャスターを取り付けます。できあがったラックの底板の四隅にキャスターを専用ネジで固定します。幅が狭いワゴンの場合は、転倒防止のためできるだけキャスターを外側につけましょう。
作り方⑧オプションや装飾を取り付ける
できあがったキッチンワゴンにタイルやタオル掛けなどを取り付けると、使いやすさが向上しますね。天板にタイルを張ることで熱いものでも気がねなく置けます。手をかけて押したり引いたりしやすいように、ドアの取っ手を取り付けてもおしゃれに見えます。居心地のよいキッチンになるように、使いやすいキッチンワゴンに仕上げましょう。
キッチンワゴンのDIYアイデア2選
憧れのキッチンワゴンを簡単に手作りするアイデアは多くあります。アイデアを参考にして、自分なりの作り方をイメージしてみましょう。
アイデア①男前テイストなキッチンワゴン
シンプルでかっこいいデザインのワゴンは、ちょっとした工夫で作れます。加工が難しくチャレンジしづらい鉄パイプで作る男前デザインも、塩ビパイプにエイジング塗装して実現できます。ワイヤーバスケットと組み合わせて、ちょっとした小物を収納するのに重宝しそうです。
アイデア②カラーボックスをDIYする
収納家具として万能なカラーボックスも、キャスターを取り付けることでキッチンワゴンに早変わりします。
- 好みのカラーで塗装する
- 少し広めの天板とキャスターを、木ネジでカラーボックスに取り付けて完成
おしゃれなキッチンワゴンDIYにチャレンジ
キッチンで過ごす時間を少しでも快適にするために、キッチンワゴンのDIYにチャレンジしましょう。疲れたときは自作のキッチンワゴンをカフェテーブル代わりに、ホッと一息ついてみるのもよいですね。
のこぎりガイドはなくても大丈夫ですが、あると便利です。