サヨリを食べよう!
サヨリは漢字では「細魚」と書き、サンマによく似た細長い魚体です。スマートで全身白銀色の美しい魚で「魚界の麗人」とも呼ばれています。海面すれすれを群れを成して泳ぎ、動物プランクトンや藻片を食べます。
サヨリの基本情報
食用魚「サヨリ」の基本情報をまとめました。
和名 | サヨリ(細魚) |
英名 | Japanese halfbeak |
生息域 |
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生息地 | 沿岸の表層 |
日本国内での主な産地 | 千葉県、石川県、茨城県、広島県、香川県など |
旬の時期 | 11~3月 |
サイズ | 40cm |
サヨリは「腹黒い」の語源
サヨリは外見は美しい白銀色ですが、腹をさばくと腹膜が真っ黒です。このことから、見た目と内面のギャップが激しい人を差す形容詞「腹黒い」の語源といわれています。
サヨリのさばき方の基本
サヨリの代表的なさばき方は2つ、「大名おろし」か「腹開き」です。それぞれどんなさばき方なのでしょうか?それぞれのさばき方を簡単にご紹介いたします。サヨリだけでなく、細長い魚や身の薄い小さな魚をさばく際の参考になりますよ!
さばき方1.大名おろし
大名おろしは、三枚おろしの一種です。通常の三枚おろしにする際は魚のお腹側と、背中側から2回包丁を差し入れて切り込んで身と骨を分けます。しかし、大名おろしでは背中側から包丁を差し込んで腹まで貫通させて一気におろします。
大名おろしは小さな魚におすすめのさばき方
大名おろしは、通常の三枚おろしに比べて骨に身が残りやすい贅沢なさばき方です。しかし、三枚おろしに比べて手数が少ないため簡単に素早くさばけます。そのことから、小さな魚をさばくときや沢山の魚をさばく際に重宝されています。
さばき方2.腹開き
腹開きは、ウナギの蒲焼やアジフライのようなさばき方です。腹側から刃物を入れて開き、背中部分をつなげたままにします。身がつながっているので、三枚おろしにくらべて一切れが大きく食べ応えも出しやすいといえます。
腹から開くと「腹開き」背中から開くと「背開き」
実は、腹開きのような一方をつなげたさばき方には種類があります。背中から刃を入れて腹側をつなげた、背開きというさばき方です。背中から刃を入れてさばくと脂ののった腹の部分が残しやすく、背びれが取り除きやすいというメリットがあります。魚の状態や種類にあわせてさばき方を変えるとよいでしょう。
それでは、実際にさばいてみましょう。
サヨリのさばき方①身を開いて骨を取り除く
ここでは、サヨリを腹開きにして骨を取り除くまでをご紹介いたします。お刺身をはじめとした料理の基本になる最初のステップです。黒い腹膜をきっちり処理すると臭みが少なくなりおいしく食べられますよ。
1.頭と尾を切り落とす
サヨリを腹開きにして、刺身を作るまでの切り方のコツの紹介です。最初に、サヨリの頭と尾を切り落とし取り除きます。このとき、硬い背骨で手を傷つけないように注意しましょう。
2.腹に切れ目を入れて内臓を出す
肛門から刃を入れて、頭側までスッと開腹します。切れ目から指を差し入れ、掻き出すようにして内臓をすべて取り除きましょう。卵が入っていることもありますが、刺身では使用しないので処分してください。
3.水で腹の中を洗う
サヨリの内臓がすべて出ると現れるのが、真っ黒い腹膜です。この腹膜が残っていると見た目が悪いだけでなく「臭み」の原因にもなります。ボウルに水を張り、指先でこするようにするとはがれますのですべて取り除きましょう。臭みの原因になる血合いもこのときに洗い流します。
腹膜がなくなると白い身が見える
黒い腹膜がなくなると、腹の中が白い身の色になります。ここまで洗えたら水を切り、キッチンペーパーなどで余分な水分をふき取りましょう。
4.腹から刃を入れて身を開く
包丁の先を腹に刺し、背骨に添わせてスライドさせます。このとき、刃先が背中側から突き出さないように注意しましょう。あとで取り除きますので、あばら骨を切ってしまっても問題ありません。
切れたら身を開く
背中の皮一枚を残すことを心掛けて頭側から尾側にむけて一息に切り、身を開きます。身を開いたら、食べる際に邪魔になるヒレも切り取っておきましょう。
5.骨を取り除きます
まずは背骨から取り除きます
身を開いたら、皮目を下にしてまな板の上に置きます。まずは硬い背骨から取り除きましょう。頭側に近い部分の背骨とあばら骨の間に包丁を差し込み、尾側に向かって刃先をスライドさせます。
次にあばら骨をこそげ取ります
背骨の次は、あばら骨を取り除きます。あばら骨と身の間に刃先を入れて、一気にこそげましょう。サヨリは身が薄いので、厚く削がないように注意してください。
最後に残った小骨を取り除きます
最後に刺身を食べる際に邪魔になる、残った小骨を骨抜きで取り除きます。手のひらや指先で身をおさえ、硬い感触のある部分には骨が残っていますので抜いてください。骨をつかんでやや頭側に向けて引くと簡単に骨が抜けます。身の端の部分にヒレの骨が残っていたらそれも一緒に抜いておきます。
大きくさばけたら、次は刺身の下ごしらえをします。
この記事では、銀座渡利様のYouTubet動画を参考にしています。