整理収納アドバイザーとは
整理収納アドバイザーとは、特定非営利活動法人「ハウスキーピング協会」が認定している民間の資格です。難易度別に3級~1級に分けられており、講座では片付けのノウハウを学べるほか、整理収納の基本となる理論全般についての知識も得られます。
3級と2級の特徴
3級と2級は、主に自分自身の整理整頓の知識やスキルアップ、身内・友人など近い人への整理収納のアドバイスができるように想定されています。自宅の片付けのノウハウを学びたい人は、2級取得まででも十分に知識を得られます。また、インテリア関係の仕事をしている人が、自分自身のスキルアップのために取得するケースもあるようです。
1級の特徴
1級は2級に合格し準1級認定講座を受講後、1次試験・2次試験に合格すると取得できます。1級合格者は、クライアントに整理収納のアドバイスをしたり、講師として講座を開いたりするなど仕事として資格を活用できるようになります。整理収納アドバイザーの肩書きで、金銭を伴う活動ができるのは1級取得者のみです。整理収納のプロとして活動できるようになるので難易度はあがります。
整理収納アドバイザー資格の取得方法
整理収納アドバイザーの資格取得には以下の方法があります。
- ハウスキーピング協会のHPから公開講座の申込みをし受講する(3級・2級)
- ハウスキーピング協会のHPから試験の申込みをし合格する(1級)
- 通信講座のユーキャンで勉強し自宅受験の試験をパスする
整理収納アドバイザー資格の取得方法①3級・2級
公開講座を受講して取得する
3級と2級は、ハウスキーピング協会のHPから公開講座を申し込み、受講することで取得できます。公開講座は全国各地で開催されているので、自分の住んでいる地域の開催日時をチェックし、都合のよい日を申し込みます。
オンラインの公開講座を受講して取得する
公開講座にはオンラインの講座もあります。ハウスキーピング協会のHPから希望の日時と講師を選択して申し込みます。自宅で手軽に受講できるので、子育て中などで家を空けられない方でも、自宅にいながら短期間での取得が可能です。オンライン講座では2級が取得できます。
3級と2級の受講にかかる費用
3級 | 9,900円(認定料込み) |
2級(公開講座・オンライン) | 23,600円(認定料込み) |
3級を受けずに2級から受講することも可能です。費用面を考えて2級のみ受講することもおすすめです。1日講座を受講後、かんたんなまとめテストの問題を解き合格すると、認定証が発行されます。テストの合格率はほぼ100%です。
整理収納アドバイザー資格の取得方法②1級
整理収納アドバイザー1級を受験するには、まず2級を取得していることと準1級認定講座を2日間受講する必要があります。その後1次試験・2次試験に合格して1級認定となります。ハウスキーピング協会のHPから試験の申込みをしましょう。
準1級受講料と1級の1次・2次試験料
準1級受講料 | 36,300円 | |
1級1次試験 | 筆記試験:マークシート方式 | 11,000円 |
CBT:コンピューター試験 | 17,600円 | |
1級2次試験 | 会場受験 | 13,200円 |
動画提出 | 19,800円 |
1級の1次試験と2次試験は受験方法が2種類あり、自分に都合のよいどちらか一方を選択して受験します。整理収納のプロとして活動できる1級の資格は、2級よりもはるかにハードルが高く、問題の難易度はあがります。合格率は70%~80%です。
ユーキャンの通信講座でも取得できる
自分の好きな時間に自宅で勉強し資格を取得したいという方には、ユーキャンの通信講座がおすすめです。約4ヶ月で準1級までの取得が可能です。1級は別途上記の要領で受験する必要があります。
ユーキャンの受講にかかる費用
ユーキャンの受講料 | 49,000円 |
自身のライフスタイルや費用面を考えて、公開講座か通信講座かを選びましょう。以下にそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。参考にしてください。
公開講座のメリット・デメリット
公開講座のメリット
- 短期間での資格取得が可能
- ほかの参加者とコミュニケーションをとれ、知識や情報の交換ができる
- 講師から直接講義を受けられ、さらにわからないことをすぐに質問できる
公開講座のデメリット
- 丸1日かかる講座が多いので、まとまった時間を確保しなければならない
通信講座ユーキャンのメリット・デメリット
通信講座のメリット
- 働きながら育児をしながらの学びが可能
- 特定の時間拘束されることなく、自分の好きな時間に勉強できる
- 公開講座のテキストよりも内容が濃く、独学でも理解しやすいように配慮されている
通信講座のデメリット
- 資格を取得するまでに時間を要する
- 質問はできるが、回答に時間がかかる
- 勉強のスケジューリングから課題提出まで、すべて自己管理しなければならない
整理収納アドバイザーの仕事
整理収納アドバイザーの資格をいかして仕事をするには、1級の取得が必須です。整理収納アドバイザーの主な仕事は、コンサルタント・セミナー講師・執筆です。
整理収納アドバイザーの仕事①コンサルタント
整理収納コンサルタントは、講座で学んだ知識をいかしてクライアントの家に直接出向き、整った部屋を維持できるようにアドバイスをする仕事です。まずクライアントからの要望や問題点を聞き出し、実際に整理収納の作業を行い、その家々にあった片付け方を提案していきます。実際に家の中に入るのでヒアリングのときに信頼関係を築くことが大切です。
整理収納アドバイザーの仕事②セミナー講師
ハウスキーピング協会の2級認定講師になる
ハウスキーピング協会認定の講師として働く方法もあります。整理収納アドバイザー2級の資格を取りたい人のための「2級認定講座」の講師としての仕事です。認定講師になるためには「整理収納アドバイザー2級認定講師」の資格が別途必要になります。1級合格後に予備講座を受講し、その後試験を受けて合格すれば講師としての認定を受けられます。
企業や団体向けのセミナーを行う
講師として企業や団体向けに、オリジナルテーマでセミナーや講演を行う仕事もあります。大勢の人の前で話すので、それなりの知識やトークスキルが必要不可欠です。主に住まいに関わるインテリアや住宅関係の会社からセミナーの依頼があるようです。また、子供を持つ母親からの「どうしたら子供が片付けるようになるか」など困っていることや問題点を聞き出し、要望に沿って講演を開いていきます。
整理収納アドバイザーの仕事③執筆業務
資格をいかして、ウェブマガジンや雑誌などの執筆の仕事をしているアドバイザーもいます。口コミや読者の評判がよければ、連載や本の出版などのチャンスがあります。またブログやSNSなどで情報発信をして、テレビ出演を依頼されるケースもあるようです。ヒルナンデスなどの情報番組では、整理収納アドバイザーの活躍がみられます。
資格をとって日々の生活を快適に
整理収納アドバイザーの資格をとれば、快適な空間を作る整理力を身につけられます。断捨離ブームなどでモノの価値を見直す人が多い中、自分の身の回りだけでなく社会の役に立つ資格になっていくことでしょう。整理の理論を学ぶことで自分自身の環境が大きく変わるきっかけ作りにもなります。一生モノの資格をとって生活を快適にし、多くのことに役立ててください。
出典:写真AC