はじめに
一戸建てならではの収納場所といえば「屋根裏収納」ですよね。収納力の高さが特徴であり、大変便利です。しかし、温度や湿度管理の難しさがデメリットであり、失敗の声もよく聞かれます。そこで屋根裏収納の特徴やメリット・デメリットなど上手に活用するうえでカギとなる「温度・湿度」に関する基礎知識をご紹介します。
屋根裏収納とは?
屋根と天井との空間を利用して設けられた収納スペースのことで「小屋裏収納」「天井裏収納」「グルニエ」とも呼ばれています。その大きさは“床~天井までの高さが1.4m以下、その階の床面積の2分の1未満”と建設基準法によって定められています。天井はちょうど大人が腰をかがめて入れるくらいの高さです。また自治体によっても基準に違いがあります。
屋根裏収納の特徴①構造と環境
屋根裏収納はその名の通り、屋根の下のデッドスペースを有効活用して作られた空間です。そのため屋根が受けた太陽光の影響が直接伝わるので熱がこもりやすく、夏は60~70℃まで温度があがってしまうことも。また、他の部屋にくらべて使用頻度が低く閉めきった状態になりがちです。熱や湿気がこもってしまうので結露やカビの原因にもなってしまいます。
屋根裏収納の特徴②メリット・デメリット
メリット
- クローゼットにくらべてスペースが広く、収納力が高い
- 使用頻度の低いものの保管場所に最適
- リビングやお部屋がすっきり片付いて有効活用できる
- 広い空間が特徴なので収納以外の使い方も可能
デメリット
- 直射日光や湿気の影響で夏は高温多湿、冬は結露やカビが発生しやすい
- 天井が低く、入口も狭いので荷物の出し入れが不便
- 温度や湿気の管理がむずかしい
- 収納グッズの種類や保管状態によっては劣化や色あせ、変色などをおこす可能性がある
これからはメリット・デメリットも考えて活用していかないとね!
屋根裏収納の特徴③いろいろな活用法
屋根裏収納は工夫次第でさまざまな使い方が可能です。せっかく広いスペースがあるのですから有効活用したいですよね。こちらではいくつか活用方法をご紹介します。
子どもの遊び場として活用
天井がそれほど高くないのでキッズスペースとして遊ぶのも楽しそうですね。秘密基地のような感覚できっとわくわくすることでしょう。※お子さまの安全には十分ご注意ください。
書斎として活用
仕事上、たくさんの本を所有している方や、読書が趣味の方には書斎としても活用できます。カラーボックスやスチールラックを設置すれば収納しやすくなります。
寝室・趣味の部屋として活用
部屋の一つとして使用するのも一案です。照明やインテリアにこだわれば自分だけの空間として有意義な時間が過ごせそうですね。
こんな活用の仕方もあるんだ~!秘密基地や山小屋みたいで特別な感じがするね。
収納グッズも種類や素材を考えて使うと便利だね!
屋根裏収納の特徴④ロフトとの違い
屋根裏収納は天井と屋根の間のデッドスペースを利用した収納空間ですが、ロフトは部屋の天井を高くして2層構造に作られたうちの上部の空間を指します。また、屋根裏収納では取り外し可能・折り畳み式のはしご使われるのに対して、ロフトでは固定式のはしごを使います。作り方・構造上の違いはありますが、建築基準法ではどちらも「小屋裏(屋根裏)物置等」という扱いになり、同じような意味合いで使われています。
屋根裏収納にまつわる失敗談
このように大変便利な屋根裏収納ですが、メリットばかりではありません。実際にどのような失敗があるのか具体的にみていきましょう。
よくある失敗
- 熱すぎてプラスティック製の衣装ケースが変形した!
- しまってあった衣類に虫食いの跡が!
- 湿気がこもり壁や窓際にカビが発生!
- 結露が発生して大事な思い出の品にダメージが!
- 窓際の日差しの当たるところに保管していたものが日焼け、色あせてしまった!
大切なものがだめになってしまったらショックだよね…。
失敗の原因は温度と湿度にあり?!
これらの失敗に共通している点、それは「温度と湿度」です。これらの管理が適切にできていないと高温や結露、カビなどの原因になり、屋根裏収納そのものや保管しているものに影響を及ぼします。
温度と湿度に関する基礎知識①温度・湿度とは?
屋根裏収納での失敗について温度や湿度が関係していることがわかりました。そもそも温度や湿度とはどういったものなのでしょうか?次では温度と湿度に関する基本的な知識をご紹介します。
温度とは?
暖かさや寒さ、熱さや冷たさの度合いを示すもので、単位もいくつか種類がありますが、私たちが普段使っているのは「摂氏(℃)」という単位です。気温・室温・体温・水温…といった形で日常生活のなかでも身近な存在ですよね。一般的に暖かい空気は軽いので上にあがる性質があり、冷たい空気ほど下にたまりやすくなります。
湿度とは?
空気中に含まれる水分量のことで、空気の乾き具合や湿り具合をあらわすのに使われます。湿度には絶対湿度と相対湿度の2種類がありますが、私たちが普段使っているのは「相対湿度」の方です。
*相対湿度
その時の温度による空気が水蒸気を含むことができる上限に対して、どの程度水蒸気が含まれているか
を示したもの
*絶対湿度
1kgの空気の中にある水蒸気の量を示したもの
温度と湿度に関する基礎知識②温度と湿度の関係性
温度と湿度は密接に関わりあっています。温度が高くなると湿度は上がり、温度が低くなると湿度も下がります。これは空気が温度によって保持できる水蒸気の量(飽和水蒸気量)に違いがあるためで、暖かい空気ほど保持できる水蒸気量が多く、冷たくなるほど少なくなるからです。
空気中に含むことのできる水蒸気量は、湿度が上がればその受け皿が広がります。たとえば、気温28℃のときに湿度75%なら水蒸気量は8畳間で約600g。しかし、気温が33℃まで上がると飽和水蒸気量も上がりますので、同じ600gでも相対湿度は53%になります。
目には見えないけど、こんなに水蒸気が含まれているんだね!
温度と湿度に関する基礎知識③夏は高温と多湿・冬は低温と乾燥
日本の夏はジメジメと湿気が多く蒸し暑いです。近年では最高気温40℃を超える地域も出てきており、熱中症や命の危険を感じるような暑さですよね。逆に冬は寒く、空気も乾いてお肌の乾燥やインフルエンザなど感染症の流行も気になります。私たち人間にとって過酷な状況ですが、それはお家にとっても同じことが言えるのかもしれません。
温度と湿度に関する基礎知識④快適な温度・快適な湿度
人によって快適に感じる温度はさまざまですが、夏は25~28℃、冬は20~22℃くらいが過ごしやすいと感じる方が多いようです。環境省でも省エネ対策として夏はエアコンを28℃に設定、冬は20℃に設定するように推奨しています。また、湿度も快適に過ごすためには大変重要で、だいたい40~70%くらいが望ましいとされています。40%を切ると肌の乾燥や喉の痛み、感染症の流行の原因にもなり、70%を超えると結露やカビの発生につながります。
冬は湿度が高いほどいいのかと思っていたけど、カビや結露の原因にもなるんだね!!気を付けないと。
失敗しないために
これまで屋根裏収納の特徴やメリット・デメリット、失敗の原因などさまざまなことをご紹介してきました。では、これからどのように活用していけばいいのでしょうか?次に失敗しないためのポイントや対策をまとめてみました。
ポイント①定期的な換気
暖かい空気や湿気は下から上へ移動していきます。屋根裏収納は家の中でも高い場所に位置しており、人や空気の出入りが他の部屋より少ないので熱や湿気がたまりやすいです。たまった熱や湿気を外へ出すには定期的に窓や出入口を開けて換気をすることがとても重要です。定期的な換気で高温や結露の防止につながります。
ポイント②温度・湿度のコントロール
夏はサウナ状態、冬は結露やカビ、さらにはダニの発生などかなり過酷な環境にある屋根裏収納ですが、これらの対策には温度と湿度のコントロールが重要になってきます。
夏の高温対策
太陽の熱は窓から入ってくる割合が一番大きいです。高温になるのを防ぐには、日差しをできるだけ室内に入れないのがポイントです。窓がある場合は日よけグッズを使って外からの日差しを遮断するのが効果的です。日よけグッズにもさまざまな種類があります。それぞれのご家庭に合わせて上手に活用してみましょう。
冬の結露・カビ対策
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結露は室内外の気温差と湿気によって生じます。結露は放っておくと壁や柱などにカビが発生し、家が傷む原因に。屋根裏収納は風通しが悪く、湿気もたまりやすいのでカビが発生しやすい環境です。結露やカビの被害にあわないように、まず風通しをよくして湿気を外に出してしまいましょう。除湿グッズを利用するのもおすすめです。
ポイント③ダニ対策
ダニは高温多湿を好み、カビや埃・人の垢やフケなどを餌にして増殖していきます。衣類や布団へのダメージだけでなく、アトピー性皮膚炎や気管支喘息といったアレルギーの原因にもなるので注意が必要です。
換気と除湿・定期的なお掃除を
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まずはダニの好む高温多湿の環境をつくらないようにするのがポイントです。換気をして風通しをよくし、温度と湿度を下げるようにします。衣類や布団をしまってある場合は定期的に洗濯や天日干しをしたり、専用の掃除機をかけるのもおすすめです。また、屋根裏収納自体も時々水拭きなどをしてダニの餌となる埃を取り除きましょう。
こうしてみると、カビやダニの対策グッズも種類が豊富でたくさんあるのね~。
さいごに
いかかでしたか?屋根裏収納の特徴やメリット・デメリットなどもあわせてご紹介しましたが、ポイントをおさえて温度や湿度管理をすれば、より有効に活用できます。これらの対策グッズも種類が豊富に出ているのでご家庭に合わせて利用するのもいいですね。リビングやお部屋を広く快適に過ごすためにもぜひお役立てください。
たしかに見た目も小屋に似ているし、呼び方もいろいろ種類があるんだね。