はじめに
蒸し器を使えば冷たいご飯をはじめとする、冷えた食べ物を簡単に温められます。まだ蒸し器を使ったことがない方なら「蒸す方法がわからない」「蒸し料理は難しそう」と思う方も多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。この記事では気軽に所持できるステンレス製の蒸し器でも、おいしく食べ物を蒸す方法をご紹介します。
蒸し器の上手な使い方
ポイント①蓋に手ぬぐいを巻く
ステンレスやガラス製の蓋(ふた)など、蓋が水蒸気を吸収しない素材の蒸し器の場合は、この工程が必須です。そうしなければ蓋についた水蒸気が食べ物について、食べ物がぬれてべっとりすることがあります。それを防ぐために蓋に手ぬぐいを巻くことが必須です。綿(麻)100%のサラシやふきん、タオル、ハンカチでも可能です。(せいろの場合は、水蒸気を吸ってくれるので必要ありません。)
手ぬぐいの巻き方
- 手ぬぐいを広げて置きます。
- ステンレス製またはガラス製の蓋をその上にのせます。(写真①参照)
- 手ぬぐいの端をふたの持ち手に引っ掛けるようにして結びます。もしくは持ち手にゴムでとめます。(写真②参照)
蓋に巻くハンカチ類は焦げる場合もあるので、お気に入りのものや高価なものは避けてください。
ポイント②水を入れる量
蒸し器の5分目〜7分目にまで水を入れるのが一般的です。よく沸騰させて蒸気が上がってきているのを確認してから食材を入れましょう。ただし、蒸し器の形状や火加減によってはお湯が沸騰したときに、上の食材にかかる場合もあります。また蒸し時間が長い場合はお湯がなくなり、空焚きになる場合もあるので、自分の蒸し器に合わせて水の量を調整しましょう。
蒸し器の使い方(あたため)
冷やご飯の蒸し方
電子レンジを手放せない人の多くが、ご飯を一食ごとに炊くのが面倒だったり、家族の食事の時間が離れていて、何度もご飯を炊くのが面倒だったりするのではないでしょうか?蒸す方法がわかれば冷凍ご飯も冷やご飯も、簡単に温められます。しかも蒸し器で温めれば、炊きたてのようなふっくらとしたおいしいご飯になりますよ。
ご飯を蒸す方法
- 蒸し器の5分目〜7分目まで水を張り、湯気が出るまで加熱します。
- 蒸し台の上にクッキングシートを敷いて、ご飯をのせます。(耐熱性の容器であれば、そのままのせてもよいです。)
- 強火で蒸します。
- しゃもじで簡単にほぐせるようになれば完成です。
ご飯の量によりますが、蒸し時間は冷やご飯なら4分以上、冷凍ご飯なら5分以上が目安です。肉まん・あんまん類も同じ蒸し方で温められます。
蒸し器の使い方(蒸し野菜編)
蒸し料理①野菜のレシピ
蒸し料理だけではなく、ポテトサラダの下ごしらえなどでは、電子レンジを使うのが手軽とされています。しかし蒸し器を使ったほうが、同じじゃがいも(野菜)でも断然おいしくなるのです。また煮物メインとされているレンコンや里芋も、蒸して岩塩をつけて食べるだけで本当においしいですよ。一度蒸し方を覚えれば、ステンレス製の蒸し器でも簡単においしいおかずが作れます。
野菜を蒸す方法
- 蒸し器に水をはり、沸騰させて蒸気が上がる状態にします。
- クッキングシートを敷いて(または、耐熱性の容器にのせて)野菜をのせます。
- 強火で蒸します。
- 串で刺して、すっと通れば完成です。(蒸し時間は材料によります。)
クッキングシートではなく、耐熱性の容器に入れた野菜を蒸し台に置く蒸し方もあります。また蒸し時間の違うものを蒸すときは、別々の容器に入れて蒸せば便利です。
サツマイモの場合は、水から蒸すと甘みが増します。
蒸し器の使い方(蒸し魚編)
蒸し料理②魚・和風のレシピ
日本では焼いて食べることも多い魚も、蒸して食べることで一味違ったふっくら感が楽しめます。蒸し料理の魚と聞けば本格的な道具が必要なイメージかもしれませんが、実はステンレス製の蒸し器でも十分に、おいしい魚の蒸し料理が作れます。しかもとても手軽です。岩塩を使えば海塩よりも旨味が増すのでおすすめです。
一人分の材料
- 切り身の魚(たら、シャケ、サバなど):一切れ
- レンコンもしくはゴボウなどの根菜類:合計70g
- こんにゃく:20g
- えのき:20g
- 岩塩:適量
- 柚子コショウ:適量
蒸し方
- レンコンは3mmくらいに切ります。ゴボウはささがきにしておきます。こんにゃくは食べやすい大きさで2mmぐらいに切っておきます。
- 野菜と魚に岩塩などで味付けしておきます。
- クッキングシートか耐熱容器に野菜類を敷いて、魚をのせます。(こうすれば魚から出る汁が野菜にしみておいしくなります。)
- 蒸し器で蒸します。蒸し時間は魚が冷凍の場合は、一人分なら13分程度、生の場合は10分程度です。
- 蒸し器から出してから、柚子コショウを少しのせて完成です。
蒸し料理③魚・洋風のレシピ
同じステンレス製の蒸し器で蒸す方法でも、使う材料やスパイスによっては洋風にもアレンジできます。季節によってはじゃがいもの代わりにズッキーニなどでもよいですね。ハーブ類と黒コショウはを使うことがポイントです。
一人分の材料
- 切り身の魚(たら、シャケ、サバなど):一切れ
- きのこ:10g
- 玉ねぎ:中サイズ半分
- じゃがいも:小サイズ1個
- 岩塩:適量
- ハーブソルト:適量
- 黒コショウ:適量
蒸し方
- 玉ねぎはスライス、じゃがいもは2cm角、しめじも2cmくらいにカットします。
- 野菜類と魚に岩塩とハーブソルトで味付けしておきます。
- クッキングシートか耐熱容器に野菜類を敷いて、魚をのせます。(こうすれば魚から出る汁が野菜にしみておいしくなります。)
- 蒸し器で蒸します。時間は魚が冷凍の場合は13分程度、生の場合は10分程度です。
- 蒸し器から出してから、黒コショウをかけて完成です。
蒸し料理④魚・中華風のレシピ
同じ魚の蒸し料理でも、材料や薬味次第では中華風にも楽しめます。もちろん本格的なせいろではなく、ステンレス製の蒸し器を使います。中華風に仕上げるためのスパイスの白コショウは必須です。黒コショウで代用はできません。
一人分の材料
- イカ:100g
- ネギ:20g
- えのき:20g
- こんにゃく:20g
- レンコン類:40g
- 岩塩:適量
- すりごま:適量
- 白コショウ:適量
蒸し方
- ニンニクとショウガはみじん切りにしておきます。
- レンコンは3mmくらい、ネギは4cmくらい、えのきは4cm、コンニャクは食べやすい大きさに切っておきます。
- 野菜と魚に岩塩などで味付けして、にんにく、しょうが、すりごまをかけます。
- クッキングシートか耐熱容器に野菜類を敷いて、魚をのせます。(こうすれば魚から出る汁が野菜にしみておいしくなります。)
- 蒸し器で蒸します。蒸し時間は生のイカでは7分程度です。
- 白コショウをかけて完成です。
調理して出る汁もとてもおいしいので、ぜひ味わってください。
分量は目安なので、好きなようにアレンジしてくださいね。
次のページでは、肉を使わない肉まん・シュウマイ・ギョウザのレシピ、蒸し器の代用品の使い方をご紹介します。
出典:写真AC