テーブルソーを自作しよう!
木材を簡単にまっすぐ切断できて便利なテーブルソーは、購入すれば2万円~5万円するため、購入を迷うかたも多いでしょう。しかし、自作すれば1万円以下で自分で使いやすい理想のテーブルソーが手に入ります。図面の作り方や設計の仕方をチェックしてチャレンジしてみましょう。
テーブルソーとは
テーブルソーは、文字どおりテーブルにソー(のこぎり)が設置された道具です。ほとんどのテーブルソーには丸ノコや回転をするノコ刃が取付けられており、決まった角度で木材を切断できます。さね加工や縦挽き横挽きなど、木工加工の基本部分の作業がスムーズです。
テーブルソーはDIYの必需品
テーブルソーは木材を自分の望みどおりに一定の長さや角度、厚さで切断できるため、さまざまなDIYに役立ちます。材料の精度を高めれば自分で設計した家具や道具などのDIYに活用でき、のこぎりで切断するよりも簡単で時短になり便利です。
テーブルソーの自作方法
テーブルソーを自作するのは一見難しそうですが、作り方を覚えればとても簡単です。テーブルは既製品で丸ノコを乗せるだけの方法もあります。簡単に作りたい場合は土台を購入してもよいですし、木材から購入して土台から作るのも自分の使いやすいサイズにカスタマイズできます。
作り方①理想図を書いてみる
テーブルソー作りで最初にするのは、理想図を書いてみることです。完成したものがイメージできなければいざ材料を揃えたり加工したりするときに迷うことがあります。用紙はどのような紙でも問題ありません。どのようなテーブルソーを完成させたいかイメージして書いてみましょう。
理想図を書くことによってイメージも膨らみます。高さ・奥行き・幅などをしっかり書き込むとさらにいいですね!
作り方②設計を図面にする
理想図が書けたら、具体的なテーブルソーの設計を図面に起こしましょう。初めてのかたは簡単なもので構いません。テーブルソーに使うパーツは大きく分けて4本の足・テーブルになる台・丸ノコ・ガイドフェンスです。中でも大切な部分がテーブルと土台で、重い丸ノコを支えられるように精度をあげた設計を図面にしましょう。
取付けたい丸ノコのサイズを選んでから図面に設計を起こしてもいいですね。
テーブルを図面に起こすときは、丸ノコをどこに設置するかを決めます。丸ノコは天板に対し逆さまに取りつけ、チップソーがテーブルから数cm出るようにします。チップソーは作業しやすいよう中央に取りつけるとよいでしょう。またテーブルの形は正方形ではなく長方形のほうがさまざまな木材の大きさに対応できます。
チップソーとは丸ノコの刃のことをいいます。刃先部分に超硬チップを取り付けてから研磨しているためチップソーといいます。
設計の図面を丁寧に書くことで自作テーブルソーの精度が高くなりますよ!
作り方③材料の準備
設計図の図面ができたら、必要な材料を揃えましょう。設置する丸ノコやテーブルソーに欠かせないマイターゲージとマイタースロット、木材を固定するビスや丸ノコを固定する鉄鋼ドリルなどもあわせて用意すると作業がスムーズになります。
テーブルソーの主な材料
- テーブルの足用木材✕4本
- テーブルを乗せる土台用の長い材木✕2本
- テーブルを乗せる土台用の短い材木✕3本
- 足を支える材木✕4本
- テーブル用の天板✕1枚(厚さ約2cm)
- 丸ノコを取りつける板×1枚(厚さ約1.5cm)
- ガイドフェンス用の木材×1本
作り方④材料を切る
長さを決めたら木材を切りましょう。ホームセンターなどで木材を切るコーナーがあれば長さを計ってその場で切ってしまうと作業が楽です。自宅で切る場合は、テーブルソーに取りつける丸ノコで切断してもいいでしょう。材料の長さをきちんとそろえて切れば自作テーブルソーの精度が上がります。
作り方⑤土台を作る
材料を用意したら土台を設計図どおりに組み立てていきましょう。土台を設計図通りに作らないと、丸ノコを設置して実際に作業したときに安定しません。ビスや釘できっちりと止め、がたつきやゆがみがないように作りましょう。
作り方⑥天板を取りつける
土台ができたら天板を取りつけましょう。天板の選び方は厚みがあるものを選ぶと、何年か経っても反ったりたわんだりしません。2cm以上ある物を選ぶと安心です。土台の幅と奥行きにあわせ天板も同じサイズに切断しましょう。
作り方⑦天板の中心を切り取る
丸ノコのサイズにあわせて天板の中央を正方形に切り抜きましょう。例えば丸ノコの長さが約20cm、幅約15cmの場合は、35cm✕35cmほどの正方形にすると固定しやすいです。またトリマーで段差をつけたい場合は40cm✕40cmの正方形も天板に書き込んでおくと作業がしやすいでしょう。
トリマーとは
トリマーはビットという刃をつけた電動工具のことで、木材に段差をつけたり面取りや溝切りなどの加工ができます。木材と木材が段差がなくぴったりとフィットするよう加工ができ、また頑丈に設置できる便利なDIYアイテムです。トリマーで段差をつけたいかたは天板を切り抜いたあとに作業します。
丸ノコを取りつける用の板の厚さにあわせ、段差の深さは約1.5cmにしましょう。段差は慎重につけ、不安なかたは0.5mm~1mmくらい浅めにすると楽ですよ。
作り方⑧チップソーを出す隙間をあける
天板を切り抜いたら、丸ノコを取りつける用の板を40cm✕40cmに切ります。まっすぐ切るだけなら刃径にあわせて、チップソーの穴は幅4~5mm、奥行170mm~180mmほどあればいいでしょう。傾斜切断をしたい場合は、広めの幅にすると作業の精度が上がります。
作り方⑨丸ノコを固定する
丸ノコは逆さまにしてチップソーを出して固定します。丸ノコの方向が逆回転にならないように注意しましょう。丸ノコを固定するときは丸ノコの金属部分をビスで止めるようになるため、自宅に電動ドリルがあるかたはそちらを使えばスムーズに固定ができます。
金属部分に穴をあけるときはドリルの刃先に切削油をつけるとドリルが傷みづらくなるため作業前につけましょう。
ドリルの刃先には、鉄工用と木工用、コンクリート用などいろいろあるので丸ノコの固定には鉄工用を使うようにしましょう。
何mmくらいの幅が最適?
傾斜切断をする場合は25mm~30mmほどあれば余裕を持って切断ができるでしょう。丸ノコの種類によっては刃径が異なるため、この限りではありません。
作り方⑩マイターゲージを取りつける
マイターゲージはテーブルソーで作業をするときに必要な部品です。丸ノコで木材を切断するときにしっかりと固定でき、事故の予防にもなります。角度をつけて木材を切断するときもマイターゲージを使えば精度が高まり便利です。レールトラックを丸ノコの左側に取りつけましょう。
レールトラックはテーブルの長さにもよりますが、約120cmあれば余裕があります。レールトラックを取りつけるときは、レールの溝の深さにあわせてトリマーでけずっておきましょう。レールが取りつけられたらマイターゲージをレールに設置し、スムーズに動くか確認します。
作り方⑪ガイドフェンスを取りつける
マイターゲージにはフェンス用の木を取りつけないとテーブルソーの作業のときに危険です。長さ約50cm~60cm、厚さ約2cm、高さ約15cm~20cmの木材をマイターゲージにネジで取りつけましょう。
作り方⑫電気のスイッチを取りつける
取りつけた丸ノコは、ONとOFFができるスイッチを取りつけないとコンセントを直接抜いて操作するしかありません。不便に感じられる場合は電気のスイッチを取りつけましょう。フットスイッチを活用すると立ったまま操作できるため便利です。
作り方⑬目盛りを取りつける
さらに作業の精度を上げたいかたは、目盛りをつけるとよいでしょう。ガイドフェンスに取りつけるとノコ刃とガイドフェンスの距離を表示してくれるため、具体的な距離が一目でわかります。
自作のテーブルソーを作るコツ
自作のテーブルソーを初めて作るかたは不安がたくさんあるでしょう。しかしいくつかのコツをつかんでおけばスムーズに作れます。
コツ①設計を細部まで作る
テーブルソーは丸ノコを使用し、細部まで細かに設計しておかなければ危険を伴います。そのため最初の設計の部分でどのようなサイズの木材をいくつ使うかなどを細かく設計しましょう。適当な設計をすると作業中に迷う場合もあり、時間も掛かってしまいます。
コツ②材料をきっちりはかる
材料をおおざっぱに切断すると、土台がぐらつき作業をしたときにうまく切れないなどの支障が出ます。全ての木材のサイズをきっちり計り、ゆがみが出ないようにしましょう。
コツ③固定はしっかりと
組み立てる際はネジが曲がらないよう、また緩まないように気をつけて固定しましょう。固定が緩んでいたり曲がっていたりすると作業したときにぐらつく原因になります。危険も伴うため、一つ一つ丁寧に行います。
自作テーブルソーの活用方法
DIYの必需品といわれているテーブルソーの具体的な活用方法が気になるかたもいるでしょう。どのような活用方法があるのか確認してDIYに活用してみてください。
活用方法①木材を切る
テーブルソーは木材を切る道具ですが、一定の長さや幅で切断が可能です。電動の丸ノコは切断は簡単ですが、同じ長さや幅に切るのは難しくなります。いくつも同じ木材を用意したり、精度の高い作業をしたりしたいときにテーブルソーを使いましょう。
活用方法②木材の角度を揃える
テーブルソーは傾斜切断もできます。傾斜切断は木材に角度をつけて切断する方法ですが、のこぎりや電動丸ノコなどで作業すると一定の角度で揃えるのは困難です。テーブルソーなら同じ角度で木材を切断できるため、DIY愛好者や日曜大工愛好者に重宝されています。
活用方法③厚みのある木材も切れる
木材を切断するときに厚さが違う木材は切りづらい場合があります。しかしテーブルソーによってはノコ刃の高さを調整できるため、厚みのある木材でも簡単に切断が可能です。さらに薄い木材も切断でき、いろいろな木工加工に適しています。
キックバックってなに?
キックバックはテーブルソーで作業しているときに起こる現象で、高速で回転しているノコ刃に木材が弾き飛ばされることをいいます。木材をおさえる力が足りないとキックバックが起こり、場合によっては手の指が切断されてしまう危険性もあります。テーブルソーは便利ですが、作業をするときは十分気をつけましょう。
自作のテーブルソーで快適DIY!
便利なテーブルソーがあればDIYの作業時間がぐっと縮まります。自作のテーブルソーを作れば愛着もわき、時間があれば自分でカスタマイズも可能です。怪我に十分注意して自作のテーブルソーでDIYを楽しんでくださいね。
テーブルソーを置く場所で大きさも変わるし、用途によってミニテーブルソーがいいのか大きいがっしりしたものがいいのか変わりますからね。