ペチカとは?ロシア式暖炉の構造・仕組みやインテリア実例をご紹介!

ペチカとは?ロシア式暖炉の構造・仕組みやインテリア実例をご紹介!

ロシアの冬に欠かせない暖炉ペチカ。見た目もおしゃれでインテリアとしても人気のアイテムですね。実はペチカは普通の暖炉とはちょっと違うのです。ペチカならではの特殊な構造によって、いろいろな用途を持つ多機能な暖炉なのです。そんなペチカの魅力をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ペチカって何?
  2. 2.ロシア式暖炉ペチカと普通の暖炉の違いは?
  3. 3.インテリアとしてのペチカ
  4. 4.ペチカの雑学
  5. 5.冬の時間の楽しさ

ペチカって何?

Photo by hide10

ペチカと聞いただけで「何?」という人も少なくないかしれません。でも写真や絵を見たらきっとすぐにわかるのではないでしょうか。「あー、これのことね。つまり暖炉でしょ」。間違いではないのですが、ペチカはロシア式の特別な構造と仕組を持った暖炉なのです。ロシアの厳しい冬から人々を守ってきたペチカの秘密と魅力をのぞいてみましょう。

ロシア式暖炉ペチカと普通の暖炉の違いは?

ペチカの特徴はその仕組み

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ロシア式暖炉であるペチカとは、普通の暖炉とどう違うものなのでしょう?ひと言でいうと、その構造と仕組みです。一見しただけで「これはペチカ」とわかりにくいのは、秘密が壁の奥に隠れているからなのです。極寒の地にふさわしく工夫された暖房設備であるペチカの仕組と構造を見てみましょう。

一般的な暖炉

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煉瓦で作られた炉から伸びる煙突部分が、直線的にストレートに外に繋がっている構造のものが、一般的に暖炉と呼ばれるものです。クリスマスにサンタクロースが降りてくる形ですね。煙突で外気に直結しています。薪を燃やす量で温度を調節し、早くに暖をとれるのが特徴です。気温や用途に合わせてつけたり消したりがしやすいということも。外出時や就寝の際には消すのが常識です。薪の燃える速度が速く、効率はあまりよくありません。

ペチカ

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ペチカの最大の特徴は、暖炉を覆う煉瓦の壁の構造です。その壁の中に、煙突部分になる長い筒が曲がって張り巡らされている構造になっているのです。火が燃えて出た煙の熱い熱が、くねくねと筒をつたって筒の中を通り、煉瓦の壁全体を暖める仕組みです。壁そのものが暖まるということは、部屋全体があたたまるということなのですね。

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暖炉は薪の量で暖かさの調節をしますから、保温効果の高いペチカは、ちょっとした外出や寝る際にも消す必要がなく、何日間も火を消さずに家全体を暖め続けるという役割をになえます。一般的な暖炉に比べて薪を何度も継ぎ足す必要がなく、効率がいい暖房といえます。省エネになるということですね。

薪ストーブ

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薪ストーブは暖炉よりもペチカに近いものです。薪ストーブの場合は開放型の暖炉と違って密閉されているので、燃焼する空気の量を調整できます。ペチカと同じように薪の消費が速くないので効率的です。日本のストーブと同じように、やかんやポットを乗せておくこともでき、加湿効果が作れるのも薪ストーブのよいところです。

ペチカの魅力

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ペチカを含め、おしゃれなイメージがある暖炉ですが、短時間で暖まる代わりに、つけっぱなしできない暖炉に比べ、ペチカは長時間消さずに利用し続けられる仕組みの暖房施設です。そんなペチカの特徴を利用した実用面と共に、ペチカがある部屋ならではの、冬以外でも活躍するペチカの魅力を見てみましょう。

オーブンとして

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ペチカとは、暖炉であると共にオーブンの役目も果たすというのが、古くからロシアでは通常の認識です。蒸したり焼いたり、コトコト煮たり、かまどとしての重要な役割をになっていました。日本でも、囲炉裏の上でお鍋がグツグツ煮えていたり、お魚が焼かれていたりしたように、冬の風物詩の1つなのかもしれませんね。冬の寒い日に部屋中に広がるシチューの匂いは、冬ならではの幸せな時間の1つなのではないでしょうか。

風呂やベッド

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ロシア風ペチカはその特徴ある仕組みにより、長時間常に暖かいということで、風呂やベッドとして使用できます。風呂は内壁に水をかけてできる蒸気による蒸し風呂です。またペチカの側にベッドを作ったり、ペチカがある上の部屋を寝室にしたり、ペチカの構造を工夫して、一部分にベッドスペースを作り寒い冬に暖かく眠れる工夫としても利用されました。

飾り棚として

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ペチカを含めた暖炉の人気の1つとして、見た目のおしゃれさがあります。ストーブと違って直接火そのものと接していませんから、煉瓦の炉や壁は格好のディスプレイ場所。どんなものを置いても絵になりますね。

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パッチワークやおしゃれなタペストリーが一段と映えて素敵になるのが、煉瓦の壁です。暖房設備として使用しない時期でも、しまい込めないペチカですが、圧迫感や邪魔にならないのは、ディスプレイ場所として力を発揮するという独自の特徴を持っているからかもしれません。

ペチカを日本で使う際のメリット・デメリット

スペースに関するメリットとデメリット

Photo byElasticComputeFarm

ペチカは暖炉を包む大がかりな仕組みによって、部屋全体、もしくは家全体を保温できるのがメリットです。その条件として広いスペースが必要なこと。しかし、日本で作る際にはそれがデメリットな部分になってしまうのも仕方ないかもしれませんね。特に都市部ではペチカを設置する広いスペースを確保するのは、容易なことではないのでしょう。

気候に関するメリットとデメリット

Photo byn-k

寒いといっても、日本の冬はかなり気まぐれな面もあり、寒さが厳しい日もあれば急にポカポカ陽気がやって来たりもしますね。ほとんどの国はそのタイプなので、付けたり消したり自由な暖炉やストーブが向いているといえます。ペチカのメリットである、何日も部屋を暖め続ける必要がないということになるのです。

インテリアとしてのペチカ

お店のインテリアとして

Photo byJerzyGorecki

ペチカのデメリットで述べたように、日本ではなかなか本格的な構造と仕組を兼ね備えたペチカ利用はハードルが高いかもしれません。でも広い敷地を持つ家屋や、店舗での使用されているケースはたくさんありますね。大きなかまどを持つピザ屋さんやパン屋さんなんかでよく見られます。

ストーブと組み合わせて使う

Photo byMegLearner

本格的な暖炉設置はなかなか難しいですが、薪ストーブとの組み合わせ仕様でペチカを設置できます。部屋の壁全体でなくても、煉瓦造りの部屋と部屋との仕切りとして使用すると、複数の部屋を暖められ、巨大な湯たんぽのようにほんわりと熱で家全体を包めます。石油ストーブや置き型式のストーブはペチカの中で結露が起こってしまう危険性があるので、専用のものを使うのが重要です。

ペチカ風インテリアを使う

Photo by 305 Seahill

見た目のよさやおしゃれ度から、実用的な仕組みのないインテリアとしてのペチカを、部屋に取り入れる場合もあります。ポイントは煉瓦を使ってあること。他の暖房設備を埋め込む空間が暖炉の場所に作ってあったり、暖炉部分に炎の映像が映し出されて雰囲気を出すようになっていたりするものもあります。

Photo bymrslorettarsmith0

せっかくのペチカ風ですから、素敵なインテリアとしてディスプレイに活かしたいもの。北欧やロシア風の暖かくおしゃれな空間を作りだせるのが魅力ですね。欧米風だけでなく、日本やアジアの飾りつけをしても意外とあいそうです。

ペチカの雑学

極寒のロシアとペチカ

Photo by Olga Sytykh

ペチカの本場ロシアの冬の平均気温は-10度前後で、場所によってはそれ以上の所も。まさに極寒といえる地にふさわしい暖房施設といえます。ロシアには個性的な民芸品がたくさんありますが、北欧のようなシャレた家具など伝統的な生活用品はあまりありません。ロシア風ペチカは、その中で最も有名で、ロシアの民族学的な歴史を伝えているものといえるでしょう。

Photo byvasev_artem

現代、ロシアの都市部では大規模なペチカはほとんど使われていません。日本と同じようにスペースの問題もあるのかもしれませんね。別荘や地方などでは、今も現役で活躍しています。

木を選ばないペチカ

Photo byPexels

一般的な暖炉は開放型なので、安全を考えると火にくべるとはぜる木は薪として使えません。でもペチカはその心配がないので、木を選ばずどんな木でも使用できます。

童謡「ペチカ」

Photo bystux

「雪の降る夜は楽しいペチカ~」で有名な童謡「ペチカ」は、実はロシアが舞台ではありません。大正時代の中国北東部の満州が舞台です。作者の北原白秋と山田耕作が寒いこの地に住む日本人のために創作した歌です。

冬の時間の楽しさ

Photo byFree-Photos

冬になると、暖かさを求めてペチカのまわりには自然と人が集まります。家族や友人たちが、そこでおしゃべりをしたり、食事をしたり、本を読んだりして、それぞれの時間を過ごすのです。それはどこか日本のこたつに似ていますね。ロシア風ペチカ、日本のこたつ共に、みんなが集う冬の過ごし方になくてはならないものなのかもしれません。

ナツミ
ライター

ナツミ

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