斜めの上がり框と高相性の玄関デザイン
斜めの上がり框のメリットをさらに活かせる玄関デザインの工夫アイデアをいくつかご紹介いたします。複数のアイデアを組み合わせて、よりおしゃれで機能的な玄関を目指しましょう。
①姿見
鏡で見た目の空間に奥行を作ることで、実際よりも玄関を広く見せられます。鏡は大きいほうがよいですが、スタンド式の鏡だと玄関スペースを使ってしまうので、壁面に直接取り付けるタイプの鏡がよいでしょう。設置場所は広見せが目的なので、外から家に入ったときに見える上がり框を上がってすぐの壁がおすすめです。
床から目線以上の高さの鏡がおすすめ
鏡はできるだけ縦長のものを設置するとよいでしょう。床から天井までの高さがある鏡が理想ですが、難しい場合は身長くらいの高さがあり、全身うつるものを目安に設置しましょう。鏡を設置することで広見せとお出かけ前の身だしなみチェックの両方できて便利です。
②L字型の玄関框
L字型の玄関框を考えている場合は、一方を斜めにするのがおすすめです。玄関を広く使えるようになるだけでなく角の部分を鈍角にすることで、万が一玄関で転倒してしまったときの衝撃が緩和でき安全対策にもなります。またL字型にすることで框の長さがとても長くなるので、複数人でも玄関を使いやすく便利です。
③土間収納
空間を有効活用できる斜めの上がり框は、玄関ホールの土間収納とも相性がよいでしょう。斜めにすることで、来客時に土間収納部分の仕切りを閉めてしまっても視覚効果で玄関を広く見せられます。また、土間収納を作る場合は玄関の上り口をL字型に設計して、土間収納用の上り口を作っても便利です。
斜めの上がり框実例紹介
①斜め上がり框で広見え
コンパクトな玄関スペースを広く見せる演出として、斜め上がり框を取り入れた実例です。玄関から縦に長く伸びる廊下への接続になる框を斜めにすることで、パキッと空間が区切られすぎず立体的に空間を広く感じられます。
②あたたかな暖色の斜め上がり框
玄関スペースの形状と色彩をこだわった実例です。L字型の玄関框の一方を斜めにすることで、玄関も土間収納も使いやすくなります。また玄関の土間部分は廊下のトーンに近い温かみのある暖色系タイルで、一体感のある玄関空間を演出しています。
③ナチュラルカラーの斜め上がり框
こちらはリフォームの実例です。玄関横に仕切りを作っても、框が斜めにあることで空間に圧迫感は生まれません。また、框の木材の太さが分かりやすい実例でもあります。上がり框には特に、湿気や踏みしめに耐える太くて丈夫な木材が必要なのです。
④シンプルモダンな斜め上がり框
装飾的なデザイナーズ住宅の玄関にあわせた実例です。空間に斜めのリズムを取り入れることで、縦横ラインのありきたり感を突破して個性的でおしゃれな空間を演出できます。また色使いを床のカラーに合わせて主張をおさえることで、その他の装飾を活かせます。
⑤明るいホワイトの斜め上がり框
玄関側を広く斜めに切り取ることで、広い玄関を叶えた実例です。また、実用性も高い壁面の姿見や土間収納が奥行き感を生み、実際よりもさらにゆとりのある玄関ホールを演出しています。
⑥くの字型の斜め上がり框
装飾的かつ実用的な玄関ホールの実例です。くの字型に切り取った框の窪み部分に、小さな物置スペースを取り付けることで、カバンや買い物袋などちょっとした荷物を置けます。また、同時に複数人の出入りがある場合でも、スムーズに左右に分かれられて便利です。
⑦斜め上がり框で広々玄関
帰宅してコートやカバンを置ける玄関兼土間収納と、玄関部分を斜めのL字で区切って設計した実例です。土間部分に引き戸のレールが来ないことで空間が遮られず、玄関がより広く見えるようになります。来客の際に引き戸を閉めて土間収納を隠しても、斜めの框による空間の広見せ効果が期待できます。
⑧リフォームで作った斜めの上がり框
マンションリフォームで斜めの上がり框を作った実例です。何かと制限のあるリフォームですが、業者としっかり打ち合わせることで視覚効果や収納を整理して、極力広い玄関スペースに進化させることもできますよ。
まとめ
斜めの上がり框は、注文住宅や玄関リフォームのこだわりポイントとして人気があります。木製だけでなく石材やタイルなど素材のこだわりが活かせておしゃれで個性的なだけでなく、視覚効果を使った玄関の広見せや複数人でも使いやすく機能性も十分高く便利です。住宅設計の参考になりましたら幸いです。
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