はじめに
近隣の騒音がしんどい、音楽がしたいが音漏れが、気になってできないと悩んでいる人は結構いますよね。防音リフォーム業者に依頼しないと無理というのは思い込みです。実はある程度の防音効果のある部屋や防音壁は、リフォーム業者に頼まなくても自作できます。ホームセンターやインターネットなどで材料を買えば、特別な加工技術がない人でも、できる作り方があります。賃貸でも材料を買ってきて、防音壁を自作することも可能です。
アマゾンのプレビューなどで、遮音シートを買って、壁に貼ったものの効果がないなどの書き込みもあります。それは、防音室を作るのに必要な仕組みを理解していなかったためです。この特集では、手作りが得意な人だけではなく、特別な技術のない人でも、簡単に防音室を手作りする方法もご紹介します。
防音室の仕組みとは?
防音室を自作するためには、どのような仕組みで防音効果を出せるのかを知る必要があります。防音には遮音効果と吸音効果がある、両方の素材が必要になります。遮音とは音を跳ね返して、遮ることです。吸音とは音を吸収して、小さくすることです。この両方の効果があって初めて防音が可能になります。音はどの方向の壁にも、天井や床へも伝わり、窓や戸の隙間などからも漏れます。防音室を作るためには、それらへの対応も必要になります。
また元の部屋が音漏れのしやすい木造建築なのか、やや音漏れしにくい鉄筋コンクリートか、ある程度元が音漏れしにくいSRCなのかでも大分と違ってきます。防ぎたい音が生活音や人の話し声程度のものなのか、それとも楽器や歌のかなり大きな音の出るものかでも違います。防音材や吸音材についても、多少の防音(吸音)効果がある物か、しっかりとした防音効果がいるのかで、値段が変わってくる場合が多いです。予算と用途に応じて選びましょう。
防音室のDIY①準備
音の漏れ方を確認する
防音したい部屋の素材を調べられるのなら調べます。確認できない場所への防音対策の目安になります。確認できるのなら、また自分が出している防音したい音が、どこに漏れているのかを確認します。正確に防音効果を図りたいのなら、機械で測定する方法もありますが、以下の方法で十分です。
音漏れの確認方法
- 楽器を鳴らして(普段話している大きさで話して)、廊下やベランダでも聞こえるか、家族や友人に確認してもらう。
- 録音しておいた音を、普段出している音のレベルで再生して、自分で廊下やベランダなど、漏れが気になる場所で聞いてみる。
音の隙間からの漏れを防ぐ
まずはドアや窓の隙間をなくすことです。隙間があれば音が漏れていきます。たとえ防音壁や、二重窓、高価な防音カーテンを使っても、隙間があればそこから音が漏れるので、効果が激変します。ホームセンターでも買える、隙間テープで対応できます。
隙間テープ
ドア 窓用気密パッキン 隙間風 ホコリ 騒音防止 すきま用テープ D型 6mm×9mm×5m 防風 防虫
参考価格: 2,480円
また古い木造建築などに住んでいて、建物に穴やひび割れがある場合は、隙間用接着剤などで、そこを埋めることから始めます。通気口から音が漏れている場合もあるので、市販の通気口用の吸音材(防音パイプ)をセットします。
音の窓からの漏れを防ぐ
完全な防音室を作るために、本格的にリフォームして二重窓にするか、窓自体を防音パネルで覆ってしまう場合が多いです。窓を覆う方法は、一日中防音したいのでなければ、閉塞感が出るのでおすすめできません。雨戸がある場合は防音したい時間帯のみ、雨戸を閉めて、防音カーテンも利用します。窓の隙間からも音は漏れるので、音漏れ防止用のテープを貼ります。
窓を本格的にリフォームしなくても、ホームセンターでも窓用の防音シートが売られています。窓を閉めきらずに防音したい人には、透明の防音シートもありますが、値段は張ります。
防音カーテンの選び方の目安とは
ホームセンターでも取り扱いのある防音カーテン。窓をある程度防音にするためには、ずっしりとした重みがあり、音を遮ってくれる構造が必要です。アクリルなどで遮音加工してあるものが理想です。吸音効果には凹凸があり、細かい穴で音を吸収してくれるワッフル地もおすすめです。カーテン、レースカーテン共に遮音加工されている物を選びます。遮音効果がよく、カーテンの横や上部の隙間から音は漏れていくので、丈はなるべく長めで、横部分も覆えるものを選びます。
カーテンをかけるときのポイント
またカーテン上部にヒダのない窓にぴったりと添う物がおすすめです。カーテンレールの上にカーテンレールボックスを置いたり、防音効果のある布や素材で、レールのカバーを自作したりするのもおすすめです。横の部分については、かけ方を工夫して横側まで覆います。カーテンを二枚掛けしている場合は、中央部は重なるようにします。