介護保険の住宅改修で変更できる床材の種類
床材の変更は、介護サービスを利用する人の転倒防止や、床材を滑りにくい材質に変えることで安全に暮らせるようにします。また、家族や支援する人が介護しやすい環境作りの一助にもなります。なお、畳の上に置くだけのカーペット式のフローリングは対象外となり、滑り防止の観点から固定されたフローリング材などの床材が給付対象となります。
滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
- 畳から板製やビニール系床材へ変更
- 浴室床材を滑りにくい床材に変更
- 通路の床を滑りにくい舗装材へ変更
- 階段への滑り止め材の固定設置
- 滑り止め剤の塗布
床材の種類①畳からフローリングへ変更
高齢者は畳や絨毯に足をひっかけて転倒し、骨折が原因で寝たきりになるケースもあります。このようなことになる前に、できるだけ安全に暮らせるよう、生活動線の中にある畳や絨毯をフローリングに変更する住宅改修ができます。フローリングにすることで、車いすでの移動もしやすくなります。単純に畳が古くなったり、汚れてしまったりなどのた理由でフローリングに変更することはできません。
床材の種類②ビニール系床材へ変更
居室においては、畳から板の床材(フローリング)、ビニル系床材等への変更等が想定されると介護保険法に明記されてます。トイレや浴室など、畳以外の床材だったところも住宅改修の理由として認められる場合は変更ができます。こちらも前述のフローリング同様、畳が老朽化などの理由で変更はできません。
床材の種類③浴室の床材を滑りにくい素材に変更
浴室は滑りやすくケガをしやすい場所でもあり、気温の差が大きいなど、高齢者の家庭内での事故が多い場所です。また、動作が不自由になった場合、手すりだけでなく、段差解消や床材を滑りにくいタイプに変更することが肝心です。トイレに関しても安全性に配慮し、掃除のしやすさも考慮した床材を選ぶようにしましょう。なお、浴室用の滑り止め用マットを置くだけでは対象外となります。
床材の種類④玄関ポーチ・通路面を滑りにくい材質に変更
玄関から敷地外までの通路や、ベランダなどの掃出し窓にスロープを設置する工事も、通路面の材料の変更として住宅改修の対象となります。例として、段差解消にともなうスロープ設置の付帯工事として、コンクリートやアスファルト舗装なども支給対象となります。このほかに、玄関から敷地外までの通路の敷石による凹凸を平坦にする工事も段差解消とともに支給対象工事となります。
床材の種類⑤階段の滑り止め加工
階段にノンスリップや滑り止めのゴムを付けたり、カーペット(置くだけのタイプは対象外)を張ったりする場合も、床材の変更として住宅改修制度の対象になります。滑り止めテープは十分な耐久性があるか確認しましょう。また、材料だけ購入して家族が工事を行う場合は、材料費だけが支給対象となります。階段に滑り止めを付ける際は、手前で足が引っ掛かって転ばないよう注意して取りつけましょう。
床材の種類⑥自分や家族が工事する場合
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自分で材料を購入して本人または家族が工事を行う場合、購入した材料費のみ支給対象となり、工賃は対象外となります。家族が工事を行う場合、見積書や工事内容の内訳を明記した申請書は本人や家族等が作成します。その際、販売者が発行した領収証とその内訳書(レシートのコピー等)の添付が必要になるので捨てずに保管しておきましょう。
へぇー、家族が工事を行っても、材料の購入代金は住宅改修費の対象になるんだ。積極的に活用した方がいいんだね。
介護保険の住宅改修の手引きを活用しよう
厚生労働省の住宅改修の手引きの活用
厚生労働省では住宅改修の手引きの中で、住宅改修が適合するかどうかのQ&Aをわかりやすくまとめて公開しています。また、地方自治体でも図解入りなどわかりやすい住宅改修の手引きを用意しているので積極的に活用しましょう。
独立行政法人福祉医療機構のQ&Aの活用
厚生労働省による住宅改修の手引きのほかに、住宅改修が適合するかどうかのQ&Aがわかりやすく見られる検索サイトがあります、こちらも活用してみてください。
まとめ
介護保険の住宅改修制度は、介護が必要になった人や家族にとってはぜひとも取り入れたいサービスです。「介護」と言うと、深刻なイメージがありますが、「予防」の観点から考え、介護認定を受けている人は早目に利用することをおすすめします。介護保険のほかにも、自治体の助成金制度などが使えるケースがあるので、ご家族が日ごろからインターネットなどで情報収集するなどしましょう。
出典:写真AC