ポケットコイルとは
ポケットコイルとは、ベッドで一番重要なマットレスのスプリング(バネ)の種類のひとつです。マットレスのスプリングは、ベッドの寝心地に大きく影響するものです。寝心地が悪いと心地よい睡眠が取れず、疲れがそのまま残ってしまったり、かえって肩こりや腰痛の原因になってしまったりする場合もありますね。今回はポケットコイルの特徴や、スプリングの一種「ボンネルコイル」との違いについてくわしくご紹介します。
マットレスの構造
マットレスは三層構造となっていて、中心にスプリングがあり、その周りをウレタンなどで包み、さらにまわりを布地で包んでいます。一般的な家具店などで主に販売されているのは、ポケットコイルとボンネルコイルという2種類のスプリングのマットレスです。
ポケットコイルとボンネルコイルの違い
マットレスのスプリングは、ポケットコイルかボンネルコイルの2つが主流であることがわかりました。では、この2つのスプリングには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。くわしく比較してみましょう。
①構造
ポケットコイルの構造
ポケットコイルのマットレスは、スプリングをひとつずつ円柱形の袋に入れたあと、すきまなくぎっしり並べてマットレスの芯にしています。スプリングがひとつひとつ独立しているため、となりのスプリングの動きと連動しません。体の線とマットレスが密着するので、自分なりの楽な姿勢をとることができます。
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ポケットコイルのマットレスで有名なシモンズのマットレスは、品質の高いピアノ線と同じ規格の硬鋼線を採用しています。さらにスプリングを40%縮めて身体を支えるための弾力性を持たせながら、通気性のよい不織布の袋にひとつひとつ入れてマットレスが作られます。
ボンネルコイルの構造
ボンネルコイルのマットレスは、スプリングが集まっている構造です。体を面で支えるので、感触は硬めで床に布団を敷いて寝るときのような寝心地に近いです。また、スプリングが連続しているので一か所に力を加えると全体的にマットレスが沈みます。ポケットコイルと比較すると反発力が強いので、腰痛持ちの方も楽に寝られるでしょう。
②寝心地
ポケットコイルの寝心地
ポケットコイルはスプリングがひとつひとつ独立しているため、点で体を支えます。力を加えると、スプリングはその部分だけ沈むのでマットレスが身体の線に沿ってくれ、2人以上で寝ても振動が伝わりません。しかし、スプリングが柔らかく沈みすぎてしまい、肩こりや腰痛の原因になったり身体が沈み込んで寝返りがしにくくなったりする場合があります。
ボンネルコイルの寝心地
ボンネルコイルのマットは、すべてスプリングが連続して一枚の板のようになっている構造になっているので、2人以上で寝る場合はほかの人の寝返りなどの振動が気になってしまうことがあります。また、寝心地が硬く、床の上に寝ているような感じを受ける人もいるようですが、身体が沈まず寝返りはしやすいでしょう。
③耐久性
ポケットコイルの耐久性
ポケットコイルのマットは、力がかかったところだけスプリングが沈みます。そのため、体重のかかる場所のスプリングだけ劣化するので、スプリングの質や量に注目してください。また、スプリングを包む不織布の通気性があまりよくないので、不織布に防カビ加工などを施してあるものを選びましょう。
ボンネルコイルの耐久性
ボンネルコイルの耐久性については、スプリング自体はもちろん、スプリングを包む素材の種類にも着目しましょう。スプリングを包むウレタンなどの外地がくたびれてしまうと、ごつごつしたスプリングの感触が直接伝わってきてしまいます。極端な場合、スプリングが飛び出す場合もあるので、外地の厚みや質も考慮して購入しましょう。
④通気性
ポケットコイルの通気性
ポケットコイルのマットレスは、外地のウレタンフォームなどの下に不織布の袋に入ったスプリングが集まってできています。高温多湿の日本では、寝ているときにかいた汗や湿度を空気中に発散することが難しく、外地がきれいでも中の不織布にカビが生えることがあります。そのため、ときどき立てかけて通気性をよくするなどのお手入れが必要です。
ボンネルコイルの通気性
ボンネルコイルは、外地の下に直接スプリングがあるため、ポケットコイルと比較すると通気性は比較的よいです。汗かきの方や結露しやすい寝室にベッドを置く場合にもおすすめします。しかし、まったくカビが生えないわけではないので、ポケットコイルと同様に立てかけるなどのお手入れはしておきましょう。
ポケットコイルとボンネルコイルの比較表
ポケットコイル | ボンネルコイル | |
構造 | スプリング独立型 | スプリング連結型 |
寝心地 | 体にフィット、柔らかめ | 反発力が強く、硬め |
耐久性 | 特定部位が劣化しやすい | ウレタンの厚いほど丈夫 |
通気性 | まめに干す必要あり | 干す頻度は少なめ |
それぞれの特徴をよく知っておくと、自分に合ったマットレスが効率的に探せますね。