お菓子のシベリアとは
シベリアというお菓子を知っていますか?古くから食べられていた日本のお菓子ですが、最近ではほとんど見かけることがなくなりました。懐かしいと感じるか、まったく知らないかで、世代が分かれるところかもしれません。和菓子とも洋菓子ともつかない見た目に、シベリアという不思議なネーミング。謎の多いお菓子です。くわしくひも解いていきましょう。
お菓子のシベリアの概要
外側のスポンジ部分はカステラです。そして、ようかんやあんこを内側に挟んでいます。斜めにカットしてサンドイッチのような三角形で売られていることが多いようです。それぞれ古くから食べられている別々の食べ物を組み合わせて、新しい食べ物を作るとは、なんとも日本人らしい発想です。
どんなお菓子かは分かったけど、まだまだ謎が多いですね。もう少しくわしくみていきましょう。
お菓子のシベリアの歴史
シベリアはいつから食べられている?
シベリアについて記載されている書籍は少なく、いつどこで発祥したのか、本当のところはわかっていないようです。食文化史研究家の岡田哲氏著「コムギの食文化を知る事典」という本に、以下の記載があります。
大正から昭和にかけて、流行したカステラの一種。二枚のカステラの間に、ようかんを挟み、三角形に切る。発祥に諸説あり。
大正から昭和初期に、広く日本で食べられていたのは確かなようです。有名なジブリ映画「風立ちぬ」では主人公の好物としてシベリアが登場しています。映画の舞台は、大正から昭和初期にあたる1920年代の日本ですから、まさに当時流行していた食べ物なのでしょう。
シベリアが流行した理由
材料のカステラもようかんも、砂糖を多く使います。シベリアが流行していた大正から昭和初期の時代、まだ砂糖の国内自給は整備されておらず、砂糖は庶民にとって特別な調味料だったといえます。そのため砂糖をたっぷり使ったシベリアが、庶民に受けて流行したのかもしれません。
それにしてもなぜシベリアという名前がついたのでしょうか。
出典:写真AC