ベッドDIYの基本
人の眠りに欠かせない寝具、寝台には2つのスタイルがあります。ひとつは床に直接布団を敷くスタイルで、もうひとつはベッド台の上に寝具を乗せるスタイルです。床に直接布団を敷くスタイルは家具を置かないので部屋数が少ない、部屋を多用途に使いたいなどの場合に便利です。
しかし、睡眠中の発汗などが原因となり敷きっぱなしの布団からはカビが生えやすくなります。そのため、布団を干す、押し入れに仕舞って上げ下ろしするなどの毎日の手入れが必要になります。
ベッド台を使えば布団の上げ下ろしから解放されます
布団は直接床に敷きますが、ベッド台は布団の下の素材を選ぶことができます。例えば、すのこなどを用いた通気性のよいベッド台を使うことでカビが生えにくくなります。大きく安定感のあるしっかりとした骨組みが必要なベッド台は、自作できるのでしょうか。また、手作りするのメリットは予算がおさえられる以外にもあるのでしょうか。日曜大工の参考になる作り方のポイントを踏まえて、素材・材料別にご紹介いたします。
ベッドDIY実例「カラーボックスベッド」
収納家具のカラーボックスを枠組みの材料に使うことで、安い予算で簡単にベッド台を作ることが可能になります。カラーボックスを使ったベッド台の作り方は並べて固定するだけと簡単で、日曜大工に不慣れでもセミダブルでもキングサイズでも調整がしやすいため手作りに不慣れな初心者にもおすすめのアイデアです。
実例①収納力のあるベッド
カラーボックスの収納力を活かした手作りベッドの自作例です。安いカラーボックスでもカラー展開があるので、インテリアの好みに合わせたベッド台を手に入れることができます。また、カラーボックスの上に折りたたみマットレスを敷くことで、ベッドの高さが抑えられます。カラーボックスの棚部分を前面に出すことで収納としての役割も見込めるので、シーツや毛布などシーズンに合わせた収納をコンパクトにまとめることも可能になりますよ。
実例②子供用ベッド
こちらは、ニトリのカラーボックスで作った子供用ベッドの自作例です。作り方はカラーボックス4個をつなげるだけと簡単で、枠組みの調整がしやすいので小柄な子どもの体格にも合わせたベッドが手に入ります。ベッド台の予算を抑えた分を部屋のその他のインテリアに使うことができますよ。
ベッドDIY実例「すのこベッド」
ここからは、すのこを使ったベッド台のご紹介です。すのこは日本で昔から使われている木製の下敷きで、主に押し入れやベッド下、風呂場など通気性を上げたい床面に敷いて使われています。隙間ができるように並んだ天板が特徴で、上に乗せたものが床に密着せず、天板の隙間から常時換気ができるため手作りベッド台でもすのこは人気の材料です。
実例①木製フレームのベッド台
こちらは、木製フレームの天板に小型のすのこを並べて作ったベッド台です。すのこは上に布団をしくことを見越して既にシングルサイズに加工されたタイプの販売もありますが、小型のすのこを並べることでセミダブルやキングサイズなどのベッド台も自作することができます。また小型のすのこを並べることでベッド台を物置にして、一部だけ外して下のものを取り出すなどの作業も容易になります。
実例②子供用ベッド
手作りベッドのメリットは住まいに合わせたサイズで作れることにあります。こちらは、通常サイズのベッドが入らない部屋のために日曜大工で作られた小型のベッドで、通常のシングルよりも幅狭サイズになります。作り方は長さ100センチの小さなベッドを2つ仕上げてつなげる方法のため移動が容易です。作り方の工夫で、ライフステージに合わせた模様替えができるとは嬉しいですね。
ベッドDIY実例「木工組み立てベッド」
ここからは、合板や工作木材を組み合わせた木工ベッドの自作例をご紹介いたします。日曜大工といえば木工をイメージされる方も多いのではないでしょうか。ベッドは大きく広い制作スペースが必要ですが、ベッド台を木で作ることで自作とは思えない本格的なベッドを作ることができますよ。
実例①宮付きベッド
こちらは、宮付きの木製ベッドの自作例です。工作木材を補強金物を使っているので接合の強度も安心できます。また加工のしやすい木製のメリットを生かして、形状やカラーがオリジナルに工夫されています。
小物置き部分のフレームに丸みがついているのも、ふとしたときにぶつかっても痛くないため嬉しいですね。寝台にすのこを敷くことで通気性があがりカビ対策も万全です。ベッドランプや寝台下に引き出しが設置されているなど、日曜大工としてもかなりハイクオリティです。
実例②ロフトベッド
こちらは、下段が勉強机になった子供用ロフトベッドの自作例です。机、階段、ベッドのすべてが手作りと思えないほど本格的な仕上がりのハイクオリティな日曜大工です。作り方のポイントは事前にしっかり設計を行うことです。
ホームセンターの木材カットサービスは日曜大工の際便利ですよ
自宅で大きく厚い木材を切断するのは難しいので、寸法を記載した設計図をもとにホームセンターで切断してもらうのがよいでしょう。詳しいスタッフがいれば作り方のアドバイスがもらえる場合もあります。また、安い予算でロフトベッドを手作りしたい場合は、昇降を階段ではなく梯子式にして木材を節約する方法もあります。
実例③子供用ベッド
こちらは、子供部屋用の収納もできるベッドの自作例です。ベッドを子供部屋の一部として枠組みを考えることで一体感のある部屋づくりが実現しています。木製ベッドは加工がしやすく、宮付きベッドよりもより収納力のある棚を作り付けることが可能です。子供やふとんのズレ落ちを防ぐフレームや土台に収納スペースを設けるなど、日曜大工でも参考になる手作りアイデアが満載の自作例です。
有孔ボードや合板は、ホームセンターでも取り扱いがありますよ。カットサービスを行ってくれる店舗もあるのでスタッフに確認してくださいね
ベッドDIY実例「車中泊用ベッド」
アウトドアやキャンプで車中泊をする場合、車内に手作りベッドを設置すると便利です。高さのある自作ベッドを日曜大工することで、下段を荷物スペースに活用したり、上段と下段に分かれて眠ることもできるようになりますよ。
実例①アルミフレームを活用
こちらは、アルミフレームを使った車中泊用ベッドの自作例です。日曜大工の醍醐味は作る過程を楽しむことですが、こちらはアルミフレーム・パイプ専用の3DCADを使って本格的に設計を行っています。正確な組み立てイメージをもとに材料を発注することで、材料も予算も無駄なくスマートに制作ができます。
二段ベッド式なら親子で車中泊が可能です
ベッドの作り方は組み立てた骨組みの上に合板を敷いて布団やシュラフを乗せます。アルミフレームは丈夫なため、上段を子供用にするなど2段ベッドの骨組み材料としても使えます。
実例②可動式木工ベッド
イレクターパイプと木工を組み合わせた伸縮ベッドの自作アイデアです。使わないときは枠組みをスライドさせてコンパクトに収納でき、車中スペースが広く使えます。また寝台部分をすのこ状に制作することで、通気性もよくカビ対策も考えられています。
実例③イレクターパイプを活用
イレクターパイプとは、プラスチックでコーティングされたスチール製のパイプで専用カッターで好きな長さに切断できるDIY素材です。ジョイントを使うことで組み立ても分解も簡単なことから手作りベッドでは車中泊用ベッドのフレーム素材として人気があります。
簡単で実用的なため日曜大工にもおすすめです
基本の作り方は骨組みの上に合板を乗せ、その上に布団や寝袋で寝台を整えるだけなので低予算で仕上がります。また簡単に骨組みに高さを持たせられるので、上段は子どもたち、その下の隙間に大人が寝るなど2段ベッドとして使うアイデアもあります。
ベッドDIY実例「パレットベッド」
複雑な枠組みや骨組みを考えなくても簡単に自作ベッドができると人気なのが、荷物用の木製パレットをベッド台に使ったDIYです。パレットはサイズが大きくシングルベッドの幅に近いものからセミダブルの幅に近いものまであり、並べるだけのシンプルな作り方でフレームが完成します。また木製のゴツゴツした素材感が置くだけで様になると、男前インテリアやナチュラルインテリアを好む方の間で人気があります。
実例①賃貸でも自作ベッド
木製パレットのベッド台は作り方が並べるだけとコツいらずで日曜大工にありがちな騒音も発生しないため、賃貸住宅でも手軽にDIYすることができます。大きさは単身なら部屋に合わせて100cm~120cm幅くらいのものを選ぶとよいでしょう。隙間の幅が広めのパレットなら、ふとんの下に敷くマットレスは厚めのものを選びましょう。
実例②高さのあるパレットベッド
大きく安い木製パレットは、高さの調整がしやすいこともメリットです。こちらも作り方は積み重ねるだけと簡単です。高さのある手作りベッドは寝起きがしやすく、実用的です。パレットはリバーシブルのすのこのような構造で、重ねても隙間が多いため通気性を損ないません。パレットを重ねたうえにさらに厚いマットレスを乗せると小上がりのような空間作りも楽しめますよ。
実例③シンプルなベッド
ワイルドで味のある素材感が魅力の木製パレットは、大きく安いため日曜大工の材料として優秀です。置くだけで様になりますが、分解移動もしやすいため模様替えもしやすく、パレットを主張せずに純粋にベッド台として機能的に使うこともできます。万が一パレットの味に飽きてしまったときにも安心ですね。
ベッドDIYおすすめアイテム紹介
ここでは、ベッドのDIYに便利なアイテムをいくつか紹介いたします。枠組みやマットレスなどの材料選びも手作りの楽しさのひとつです。アイデア次第で安い材料で快適なベッドを自作することもできますよ。
アイテム①すのこ
こちらは、シングルベッドサイズのすのこです。マットレスや布団の下にすのこを敷くことで、通気性を上げてカビの予防をすることができます。
サイズを自由に作ることができるのが自作ベッドの魅力です。木製すのこは押し入れやふろ場などさまざまな所で使われるためサイズが豊富です。シングル以外のサイズでベッドを手作りしたい場合はコンパクトな押し入れ用のすのこを組み合わせると作りやすいですよ。
アイテム②木製パレット
リバーシブルなすのこのような形状のこちらは、倉庫などで荷物を運搬する際の土台として使うパレットです。パレットならフレームを自作しなくても並べるだけで簡単にベッド台として使えて積み重ねもしやすいため、ベッドDIYに人気があります。
アイテム③折りたたみマットレス
こちらは、コンパクトに折りたたみのできるマットレスです。厚手のものならベッド台の上に乗せるだけで布団を敷かなくても使うことができます。軽量タイプのマットレスを使うことで、模様替えや引っ越しの際も気軽に行えます。
アイテム④ポケットコイルマットレス
床付き感のない寝心地を求めるなら、ポケットコイル式のマットレスがおすすめです。ベッド台フレームの上に乗せるだけで使え、敷きっぱなしでよいので管理も楽なのが魅力です。体重をうまく分散させることができ、体が痛くなってしまうことがありません。またウレタン製のようにへたって寝心地が変わることがないのもポイントです。
アイテム⑤カラーボックス
こちらは、ベッドDIYの土台にも便利なカラーボックスです。カラーボックスを土台にすることで、収納力抜群のベッドをDIYすることができます。またカラーボックスを並べる個数を変更することで、子供用からキングサイズまで自由に調整できます。
アイテム⑥イレクターパイプ
車中泊用手作りベッドフレームの材料として人気のイレクターパイプです。イレクターパイプとは、プラスチックとスチールが2層になったパイプでDIY材料として販売されています。専用のジョイントなどシリーズアイテムも多いため、さまざまな使い道がありますよ。
まとめ
いかがでしたか?毎日の睡眠に欠かせないベッドの自作アイデアの特集でした。ベッドの作り方もさまざまで日曜大工として作りごたえを楽しむ木工ベッドから、カラーボックスや木製パレットを組み合わせて簡単に作るベッド台まで収納や模様替えのしやすさ、インテリア性などさまざまなものがありましたね。ベッドDIYの参考になれば幸いです。
こだわりが活かせるのは日曜大工のメリットですね