物置小屋の建築はDIYの最高峰
DIYを趣味にしていると、最初は本棚などの小物から挑戦する方が多いと思います。その次のステップで机や椅子などの中型の家具や庭に配置するおしゃれな自作ベンチなど、あるいは、手作りの飾り棚などの日曜大工が中級レベルです。そして、庭などの屋外に自作する農機具の倉庫などの物置小屋がDIYの上級レベルとなります。
日曜大工のDIYは一度作ったらおしまいではなく、木製のテーブルや椅子などは肘掛を作ったり、サイズやおしゃれに加工をしたりと、改造することによって簡単に自分好みにすることができます。そうやって日曜大工で自作を続けていくと、端材も次の機会に使うために倉庫などの置き場所が欲しくなります。
自作に使う材料が、木製の場合だと庭などの屋外に保管していると簡単に腐ってしまい、折角の材料が無駄になってしまいます。農機具や手作りの作業台なども屋外ではなく、庭に倉庫をたてて保管したなるものです。そうして、DIYの上級者が行きつく所は趣味と実益をかねて作業場と倉庫の自作になります。
DIY手順① 物置小屋の基礎を作る
まずは、基礎とはなんなのか? 基礎とは倉庫を作るさいに傾いたり、崩れたりしないように土台を作ることです。本格的な住宅の基礎には、布基礎やコンクリート基礎と言った工法が存在しますが、今回は屋外の庭の部分にDIYで施工する物置小屋なので、簡単に施工できるなるべく簡単な作り方を紹介します。
基礎を作る方法
基礎を作る方法① 穴を掘る
最初に基礎を施工するために、庭に穴を掘ります。目安としては、コンクリートブロック1個くらいが置けるくらいの深さを掘っていきます。重機や農機具がなくても、開墾くわがあれば根気よく穴を掘っていけば、概ね綺麗に穴を掘ることができるのであきらめずに頑張りましょう。穴を掘る位置は、事前にタコ糸などでマーキングしておくことをおすすめします。
基礎を作る方法② ブロックを敷く
穴を掘り終わったら、砕石を穴の中に流し込みます。5cm程度を目安に流し込み、角型スコップで水平にならしていきます。その上にコンクリートブロックを並べて、水平器で水平を見ます。傾いている様なら砕石を足したり間引きしたりしながら概ね水平になるように、揃えていきます。
ブロック選びのポイント
- コンクリートブロックには軽量と重量ブロックが有る。構造物を乗せる場合は重量ブロックを選ぶこと。
基礎を作る方法③ ブロックを固定する
水平出しが出来たら、一度ブロックを撤去し、モルタルを練って穴へ流し込みます。角型スコップでならしてから、コンクリートブロックを並べていきます。並べたあとに、水平器を乗せて水平を見ます。水平が出ていない様ならモルタルを足したり、ブロックを押し込んだりして水平に並べて固定していきます。
基礎を作る方法④ 基礎の仕上げ
モルタルが乾いてブロックが固定されたら、いよいよ仕上げに入ります。この段階でブロックが地上より5cm程度出ていると思いますが、骨組みを作るのに、もう一段ブロックを積んでおいた方がよいでしょう。屋外なので、あまり接地面から近いと壁を木製などにした場合に、水につかって腐食してしまう可能性が有ります。
基礎を作る方法⑤ 土間を作る
ブロック基礎の配置が完了したら、土間部分の施工をおこないます。地面のグランドより、5cmから10cm程度コンクリートを流し込みます。低いと、雨水が侵入してしまいます。農機具などを収納する場合、鉄筋を入れておくと強度的にも安心です。コンクリートが固またら表面にモルタルを縫って、こてでならして乾いたら完成です。
DIY手順② 物置小屋の骨組みを作る
上物のタイプ
物置小屋の上物を作る際には、いつくつかの方法があります。単管パイプで骨組みを作って、木製の壁を作るタイプや、2x4の壁工法、本格的なものになると、おうちと同じ木製の柱を立てる在来工法などです。今回は日曜大工で簡単な作り方が出来る単管パイプでの工法を紹介します。
骨組みの作り方
単管パイプを使った骨組みの作り方をこれから紹介しますが、作り方が簡単でおすすめできる理由があります。初めての自作の場合、寸法の修正などが入っても手直しが簡単で、屋外の自作は組み立てが早く雨などの影響を最小限にできることです。また、屋外の景観に合わせて壁を自由に選べるところもおすすめの理由です。
骨組みの作り方① アンカーを設置する
作り方ですが、まずはブロックで作った基礎の上に単管パイプを固定するアンカーを設置します。ここに取り付けたアンカーに単管パイプを差し込んで柱となる部分を作ります。差し込んだだけでは柱の安定性が悪いので、この段階で土台近くの横の柱も単管パイプのジョイントを使って設置しておくと落ち着いて作業ができます。
骨組みの作り方② 縦横の柱を組み上げる
次は、格子状に単管パイプにジョイントを使って骨組みを作って行きます。縦と横にパイプを組んで行くわけですが、単管パイプは見た目以上に丈夫ですので、窓などのスペースは思い切って開けた配置で組んで行っても問題は有りません。後でおしゃれな外壁ができたときのスペースを意識して作業しましょう。
DIY手順③ 物置小屋の屋根を作る
骨組みが出来た段階で、かなり手作り感のある自作倉庫って感じになります。このまま眺めていたいところですが、毎日晴れの日ではないので次は屋根を設置していきます。とりあえず屋根ができると、倉庫として農機具などは置けるようになります。ここで第一段階の完成と言ってもよいです。
物置小屋の屋根のタイプ
物置小屋の屋根をおしゃれに手作りしたい場合におすすめなのが、片流れタイプです。市販の物置小屋に多い平屋根タイプだと水はけ対策の微妙な傾斜がDIYでは難しいですし、妻切り屋根だとおしゃれな感じは良く出ますが、構造が複雑で難易度が上がります。そこで今回は日曜大工で比較的簡単でおしゃれな屋根が作れる片流れ屋根を手作りしていきます。
屋根のかけ方
屋根のかけ方① 屋根の土台を作る
まず最初に行う事として、単管パイプで屋根の傾斜を作ります。作り方は、骨組みの上に単管パイプで三角形を作り、三角形同士を横につなぎます。横につなぐ際に垂木を意識して50cm~1m間隔で設置していきます。ここは積雪などの屋根にかかる負荷によって間隔を調整すればよいです。
屋根のかけ方② 垂木を取り付ける
屋根を掛けるための土台となる木製の垂木を設置していきます。単管パイプの組付ける垂木止めアタッチメントが市販されているので、アタッチメントを単管パイプに設置して、その上に垂木を釘などで打ち付けていきます。垂木はホームセンターで建材用の木材をカットしてもらったものに、防蟻処理と防腐処理のスプレーをしたものを用意しましょう。
屋根のかけ方③ 屋根材のスペーサーを取り付ける
今回は、施工が簡単な波打ちトタンを掛けるために、スペーサーを設置します。これも市販の浪打トタン用のスペーサーがあるので、こちらを垂木の上に設置していきます。スポンジ状の素材でばたつきや振動を抑えてくれる効果も有るので、雨降りの時の物置小屋での作業の静粛性にも一役かってくれます。
屋根のかけ方④ 屋根をかける
波打ちトタンを10~15cmほど重ねた状態で、トタンを並べてトタン釘で垂木に打ち付けていきます。この時に垂木からトタンがはみ出てしまうと、風などでバタついた時に割れてしまうので、しっかりと垂木で支えて釘で固定するようにしましょう。サイズが合わない場合は、重ねる量で調整します。
ポリカーボネイトとたん
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参考価格: 16,200円
メインの屋根材は、ポリカーボネイト製のトタンがおすすめ。半透明なものや、色んな色が有るので屋根をおしゃれに演出する事ができますし、紫外線に強く強度も有り、しかも塗装しなくても錆びないので、おすすめです。よく似たものにビニール製の浪打トタンがありますが、こちらは安価ですが、強度的には劣るので、屋根材にはおすすめしません。
次ページでは、物置小屋の壁作りを紹介するよ!