隠し釘とは
隠し釘とは、頭の部分が折れるようにできている釘のことで、打ち込んだ後に釘の頭を目立たないようにするために使用します。忍び釘や落とし釘とも呼ばれています。細いので強度はあまりありませんが、木工の仕上げなどによく使われます。フローリング材や巾木を固定する際に使用されることが多い隠し釘ですが、使い方を知っているとDIYの幅が広がるとても便利な釘です。
写真にもあるように、ピンクの部品のようなものが付いているところが頭です。針の頭付近に切れ目が入っていて折れやすくなっています。釘を打ったあとに、この頭を金槌で折る作業が「病みつきなる」とDIY愛好家のなかでは密かにブームになっているのです。
隠し釘の用途
隠し釘の用途としては、フローリング材や巾木に使用するのが代表的ですが、家具を作成する場合でも問題なく使用できます。釘の頭が見えてしまうとかっこ悪いと感じるような(家具の正面などの)目に付く場所に使うとよいでしょう。例えば箱の底板は普通の釘やネジを使用して、表面は隠し釘を使うのがおすすめです。ただし釘自体が細く強度があまりないため、大型家具や屋外のウッドデッキのようなところに使うには適していません。
え…フローリングはわかるけど「巾木」ってなに??なんて読むの?
巾木は「はばき」と読むんだよ。家の壁と床を仕切るためのもので、壁のクロスや床のクッションフロアの端に隙間ができたり、収まりが悪いところを隠すためのものなんだ。巾木で部屋の印象が変わるので、DIYにて自分で貼り直す人も多いんだよ。
この茶色の細長い板を巾木っていうんだね!でも巾木なんて隠し釘を使って自分でつけられるものなんだね…。
隠し釘の選び方や必要な工具
隠し釘の選び方
虫ピンにピンクや青の玉みたいなものが付いてるけど、これが「頭」なの?
隠し釘の種類はサイズの規格があり、「F-22」のように表記されます。この場合長さが22mmになります。太さはF-22/F-36なら約1.2mm、F-45/F-50なら約1.5mmとなります(メーカーにもよります)。またサイズによって樹脂(弾性材)の色が違います。素材の種類もユニクロやステンレスがあり、湿気が多い場所にはステンレスのものを使うとよいでしょう。
カラフルな玉は樹脂でできているんだ!他には黄色や青色などもあるんだね〜。なんかカワイイ!
弾性材の樹脂はサイズによって色分けされているから、可愛いからって「その日の気分で♪」とかで選ばないようにね!
板の厚さによって隠し釘のサイズを変えよう
- 使う隠し釘の長さは、板の厚さの2〜3倍を目安にするとよいでしょう。
- 板厚が8mm程度→釘長さ22mm、厚さ15mm程度→釘長さ36mm、厚さ20mm程度→釘長さ45mmといったように、材料の厚さによって長さを変えるのが強度を保つコツです。
ちなみに隠し釘とよく似た「仮釘」というものがあって、これは隠し釘より細くて頭は折れないようになっているんだけど、これは別の釘などで本打ちしたあとにペンチで抜き取る、あくまで仮止めの役割の釘なんだよ。
大里 仮釘K-1カリクギ K-1(135) 中身入数(約) 135本 (HP-495)
参考価格: 378円
えっ?そっくりで見分けつかないじゃん!ちょっともうややこしいこと言うのやめて!
隠し釘が購入できる場所
ホームセンターなら種類がたくさん揃ってる!
ホームセンターの建築資材やDIYコーナーで販売されています。大型店ならサイズなどの種類も一通り揃っているはずです。また本数も15本程度の小パックから、業務用の箱入りのものまであります。
100円ショップにもあった!
ダイソーなどの100円ショップのDIY売り場にも隠し釘は置いてあります。最近は100円ショップのグッズを使ったDIYが流行っているので、同じく100円ショップの箱などをリメイクするのに、隠し釘はぴったりなアイテムなのです。
困ったらネットショップで!
Amazonなどのネットショプでも購入できますので、近くにホームセンターや100円ショップがない場合は利用するのもおすすめです。レビューの掲載もあり、使い方のコツなどを紹介している口コミもありますので一度覗いてみるといいでしょう。
金槌やボンドも購入しておくと便利!
隠し釘を使うためには金槌とボンドが必要です。金槌は釘打ち用の鉄製のものを使いましょう。ボンドは木工用で、速乾性のものがおすすめです。また、隠し釘を打つときに、初心者だと釘が細くて折れたり曲がったりして失敗しがちです。打ち損じた時に隠し釘を抜くためにペンチもあると便利です。ペンチは頭を折る時にも使えます。
家にはゴムハンマーとアロンアルファしかなかったけど、ダメだよね…?
100円ショップでも売ってるんだからあるんだからちゃんと買いなさいよ…ゴムハンマーだと釘は打ちにくいし、速乾のアロンアルファだと釘打ちに失敗したときにやり直しがしにくいよ。
隠し釘の打ち方
ではここから実際に隠し釘の使い方を詳しく説明していきます。慣れないと失敗しやすいので端材で練習してみてから本番を行うのがおすすめです。打ち方や抜き方のコツもご紹介します。
打ち方①:組み立てる木材をボンドで接着する
接着する木材は必ずボンドで仮止めを行います。この作業を怠ると後で釘が浮いてきますので、必ずボンドで仮止めを行うようにしましょう。
隠し釘の打ち方のポイント・コツ
隠し釘を打つ際には下穴は不要ですが、硬い木に打つ場合はドリルやキリの先などで凹みをつけると打ちやすくなります。また頭の部分は折れないように釘に対して垂直に金槌で打つようにしましょう。頭の樹脂が潰れる程度に打ち込み、樹脂が潰れる力で材料を押しつけ圧着します。そのままボンドが乾くまで待ちましょう。
隠し釘は普通の釘より細く、打った時に折れたり斜めになりやすいです。初心者で慣れないうちは、安定するまでペンチで釘を挟んで支えながら打つのもおすすめですよ。
失敗してもリカバリーは可能!あきらめずにどんどん打とう!
きゃー!金槌で打ったら釘が曲がっちゃったよ〜!もう私DIYの才能ないのかな〜…。
隠し釘はすぐ折れたり曲がったりしやすいけど、慣れれば楽しくなるからあきらめないで!!
隠し釘が曲がってしまったり、折れたりして失敗してしまったら、潔く抜いてしまいましょう。抜き方はペンチで隠し釘を打った逆方向にまっすぐに抜くのがコツです。斜めに抜いてしまうと穴が拡大してしまいます。
ゆるーく隠し釘の使い方を紹介している動画があったよ〜!みんな結構失敗してるわね!私もくじけず練習しよっと。
打ち方②:隠し釘の「頭」を金槌で叩き落とす
ボンドが乾いたら隠し釘の頭を落としていきます。金槌で樹脂の部分を払うように横から叩くと簡単に落とすことができます。叩く際に金槌の側面で木材を傷つけないように注意してください。当て木を当てて叩くのも手です。頭が上手く折れない場合はペンチで折ると頭が吹き飛んで散らからずにすみます。
隠し釘の頭をパチパチ叩き落す感覚…クセになりそう!打ち方もちょっと上達したかも〜。
頭を打ち落としてしまえば、釘を打った穴は十分目立たないようになりますが、さらにパテで釘の入った穴を埋めてしまえばより目立たないのでおすすめです。instagramで隠し釘の打ち方やパテを使うやりかたを紹介した動画がありましたのでご紹介します。
ほんとだ!パテを使うと釘を打った場所がほとんど目立たないね!
ここからは皆さんが隠し釘を使ってどのようなDIYをしているのかご紹介します。
ふーん?頭を折るってどういうこと??ちょっとイメージわかないなあ〜