押入れとは
押入れ(おしいれ)とは、日本の住宅や和室において寝具・衣類・道具などを収納するための空間。大抵は四方のうち三方が壁で一方を襖(ふすま)で仕切ってあり、そこから荷物を出し入れする。ほぼ部屋の一方の壁全体をその入り口にする。押込み(おしこみ)と呼ぶこともある[1]。
押入れは通常、和室(畳)についており、扉はふすまが用いられていることが多いため、見た目も純和風です。リノベーションをして和室を洋室に変えている賃貸などもありますが、予算の都合上、フローリングや押入れの扉はかえて、内部はかえていない所もあります。
押入れとクローゼットの違い
押入れは寝具などを収納する空間に対して、クローゼットは衣類や雑貨などを収納することを重視した空間です。扉も一般的には、押入れは引き戸に対しクローゼットやウォークインクローゼットは折れ戸と引き戸、開き扉など種類も豊富です。
クローゼットに決まった寸法はない
クローゼットは決まっている寸法はなく、小さなクローゼットからウォークインクローゼットなどさまざまな形があります。押入れはだいたい寸法が統一されており間口は約165cm〜180cm、奥行きは約80cmのものが多くなります。
押入れの構造
押入れは中板により上下二段に仕切られている場合が多い。
- 中板(棚板)
- 中段にある上下を仕切っている板
- 前框(まえかまち)
- 手前側にある横木の部分
- 後框(うしろかまち)
- 奥側にある横木の部分
- 根太(ねだ)
- 前框と後框の間に縦方向に組み込まれている細い板。
- 留め木、押さえ板
- 中板が浮かないように押さえつける形で三方に取り付けられている細い板
押入れのメリット・デメリット
メリット・空間が広い
押入れのメリットは、何と言っても空間が広いということです。寝具などを収納する目的に使われるため、畳1枚分の大きさがあります。リノベーションやリフォームをする際に、扉をとってしまえば部屋も広くすることができます。
デメリット・湿気でカビが生えやすい
押入れは構造上、湿気がたまりやすく、こまめな換気をしないとカビが発生しやすいです。
押入れをリフォームする準備と費用
リフォームとリノベーションの違い
リフォームの意味は、古くなった建物を修復するという意味で、壁紙を貼ったりなど小規模な修復をいいます。一方のリノベーションの意味は、古くなった部分を修復しながら、プラスをして新しいものをつくりだすという意味になり、リフォームよりも大きな修復という意味合いになってきます。
専門家に相談するのも手
リノベーションをするということになると、専門知識もありDIYが大好きな人以外は素人では難しいものがあります。費用はかかりますが、基本的にはプロの業者に頼むのも一つの手です。
リフォーム・リノベーションの費用
押し入れをリフォーム&リノベーションする費用は業者によってまちまちですが、押入の解体からはじまり、クローゼット(扉をかえ、ハンガーパイプなどもつけ、床・壁・天井などは補強をした状態)にリフォームするので約10万〜20万ほどかかることが多いです。
例えばウォークインクローゼットにリフォームする場合
ウォークインクローゼットにリフォームをするためには、3畳以上の広さが必要になってきます。ウォークインクローゼットの工事費は、だいたい30万〜50万(ウォークインクローゼットの広さによって値段も上がっていきます。)かかります。いずれにせよ業者によって費用も変わってくるので、見積もりをだしましょう。
メリット
使い方について、クローゼットは洋服などをコンパクトに収納したい人に向いています。ウォークインクローゼットは衣類だけではなくドレッサーや大型の用品も一括で収納できるので便利です。クローゼットは扉が木目調になっているタイプが、一般的ですっきりとしています。ウォークインクローゼットはバリエーションがたくさんあり、扉をつけない場合もあります。
デメリット
クローゼットは洋服を入れることが主で、奥行きもあまりないタイプが多いので、寝具などの大物を入れるのが難しくなってくる場合もあります。ウォークインクローゼットは収納できないスペース(歩く空間)があるというデメリットがあります。
押入れをDIYする場合の5つのポイント
DIYをする場合は、押入の構造はかえずにリフォームをするか、押入の中間の棚(中板)を取り外した簡易リフォームをするかが、簡単で費用もあまりかかりません。改造したい内容で、必要なアイテムも変わってきますが、基本的な道具は用意しておいて損はありません。
基本的な道具
- 軍手(手を汚れや釘などから保護してくれます。)
- マスク(ホコリを吸い込みません。)
- エプロン又は汚れてもいい作業着
- かなずち(釘を打ったり中板をとりはずす時に活躍してくれます。)
- バール(中板をとりはずす時に必要です。)
- ドライバーセット
- 電動ドライバー
- ノコギリ
- あればヘルメット(安全第一です。)
- ゴミ袋&そうじ道具
それでは、できるだけ費用をかけずに改造したい!という人のために、ここからはDIYをするための5つのポイントをご紹介します。
ポイント①完成イメージ図をラフスケッチしてみる
まず改造後のイメージと、どのようなテイストにしたいのかを鉛筆でスケッチしましょう。自分でDIYするので誰かに見られることもないため、決して上手である必要はありません。完成図ができあがると、おのずと必要な道具やアイテムがわかってきます。必要なアイテムもラフスケッチの横に書きだしましょう。必要なアイテムを書き出すことで費用も算出できます。
ポイント②押入れの中板をとる
上の動画は女性でも簡単に中板を外すことができるのがわかります。難しそうに感じますが、作業の工程は少なく簡単にすみます。かなづちで叩いたりするので、作業する時間帯には気をつけましょう。取り外した木材はゴミになりますが、各自治体によって捨て方が変わってきます。一定の大きさをこえるとお金がかかってしまうこともあるので、作業前にチェックしておきましょう。
ポイント③押入の床や中板を補強する
押入れの床は強度がなく、強度が弱めのベニヤ板がはられていることが多いです。古いベニヤ板をはがして、強度の強い板を貼る方法もありますが、上の動画はベニヤ板の上から廃材を使用してペンキを塗り、釘でとめる方法を紹介しています。アンティーク調のあじのある仕上がりになっています。上に重いものをおくときは、15㎜以上の厚い合板を使用すると強度が増します。注意点としては板の状態や構造、年数は各家庭によって違うので、リフォームする前に専門の業者に見てもらうのも一つの手です。
ポイント④押入れの壁をリフォームする
エタノールなどでカビを取る
長年使っている押入れがカビ臭かったり、カビが発生していませんか?カビを放置したままにすると喘息やアレルギー、衣類の付着など様々な影響を及ぼします。カビをきれいにとることがポイントです。主に消毒用エタノールやカビ取り剤などで綺麗に落としましょう。カビは湿気の他、ほこりがあると発生しやすいので、こまめな掃除や扉をあけ、風通しをするのがポイントです。
イメージしている完成図にあわせて壁紙をセレクトする
生のり付き壁紙 ホワイト・グレーウッド柄セレクション/東リ パワー1000(販売単位1m) WVP9163
参考価格: 594円
ネットショッピングの専門サイトでいろいろな種類の壁紙が出ています。リアルな木の質感やヴィンテージ感を出した壁紙はぱっと見、本物と見間違えるほどです。バリエーションも豊富で、壁紙を貼ったことがない人でもスムーズに貼ることができます。好みの柄をチョイスしておしゃれな空間を作りましょう。
塗装したい時は防カビ塗料を使う
ペンキで塗れば、味があって見栄えもいいんではないかと思うこともあるでしょう。ペンキはカビの養分となり、さらにカビが酷くなってしまうこともあります。でもペンキじゃないとイメージ通りできない!という人は防カビ塗料で多くのカビの種類に対応しているものを選んで使用するとよいです。
ポイント⑤扉をリメイクする
上の写真のように扉にリメイクシートを貼る方法があります。このアイデアだったら扉を新しいものに入れ替えなくても簡単にイメージをかえることができ、費用もやすく抑えることができます。
つぎのページは、押入れリフォーム&リノーベーションの実例です。
リフォームとリノベーション、建築用語に詳しくないので、どちらも同じ意味で捉えてしまいそうですよね。