木製フラッシュドアのDIY方法
フラッシュドアとは
フラッシュドアはDIYの愛好家に、低予算で簡単に作れると人気のドアです。また基本のフラッシュドアの構造を利用することで、断熱機能のあるドアや、防音機能のあるドアの作成も可能です。また製作動画の中には、材木をカットする工程が入っていますが、材木を必要な大きさにカットしてくれる店もあります。
フラッシュドアの構造
角材でドアの枠組みを作り、その両面に合板などで面材をつけて、表面を平らに仕上げる構造です。この方法で作れば、DIY慣れしている人には簡単に、軽くて開閉が楽なドアを作れます。またコストも抑えられる上に、実用面も高いです。この構造で引き戸も、クローゼットなどの折れ戸も開き戸も作れます。
木製の断熱材入りドアのDIY方法
上記のフラッシュドアの内側に、省エネ効果のある断熱材を入れたドアの作り方です。両面開きですが片側にはフランス落としをつけて、普段は閉じっぱなしにできます。細かい構造やハウツーまでわかりやすく解説してくれています。
準備するもの
- カッターナイフ
- ウレタンカッター
- ホールソー
- 電動ドリル
- ノミ
- 金づち
- ルーター
- 角定規
- 鉛筆
- 接着剤
- 仮止め用の道具
材料
- 30×40×1820角材:10本
- 1820×910×2.5合板:4枚
- 断熱材
- シリンダー錠:1個
- 15×10×1820角材:3本
- 10×20×1820:1本
- 取手:2個
- フランス落とし:2個
- 蝶番:4個
- 仮釘
- 木工用ボンド
作り方①ドアの枠組み
- 古いドアの採寸をして図面を作る。
- 角材を切断する。
- ボンドで接着のみのパーツを接着し、所定時間置いて固定しておく。
- フレームをビスで固定。
- 組んだフレームをドア枠にはめ込み、直角・直線を補正する。
- 補正した後に動かないように、筋交いで仮止めする。
- フレームに合板を接着する。
- 仮釘で仮止めする(5cmおき)。
- 接着完了後、筋交いと仮釘を外す。
- フレームに合わせ合板をカッターナイフで切りそろえる。
- 断熱材をフレームに合わせて切断。
- 断熱材をはめ込み、ウレタンカッターで高さをそろえる。
- 反対側に合板を接着する。
作り方②鍵とドアノブの取り付け
- 鍵の取り付け部に墨入れする。
- 下穴は直角に穴を開けた治具を使い、正確に加工する。
- 下穴を開けた場所にホールソーで、必要な大きさの穴を開ける(一度に加工するのではなく、裏側からも加工した方がきれいに仕上がる)。
- 横面からも穴を開ける。
- 座金の部分を加工する。印をつけてノミで座金の厚さ分を削り取る。
- 16から18で作業した場所をヤスリがけして滑らかにする。
- 座具と鍵を取り付ける。
作り方③鍵の受け穴の加工
- 受け穴の印をつけた場所をドリルで大まかにくり抜く。
- ノミと金づちで必要な部分を削る。
- ある程度削れたら金具をはめながら微調整する。
- 金具をはめて取り付ける。
作り方④蝶番とフランス落としの取り付け
- 普段は固定する側のドアに、フランス落としを取り付ける。
- 取り付け部に印をつけた後、ルーターで取り付け部をくり抜く。
- フランス落としを取り付ける。
- 蝶番をドアに取り付ける(蝶番はドア部分に取り付けてから、ドア枠に取り付ける)。
- ドア枠に上下の蝶番に1から2のビスで仮止めした状態で、ドアがスムーズに開閉できるかを確認する。
- 確認できたら残りのビスもとめる。
- フランス落としの動作を確認する。
作り方⑤ドア枠関係を調整
- ドア枠とドアの間に隙間がある場合は、角材を使いドア枠に帷を設置する。
- ドア枠をステインで着色し、フロア釘を打ち付ける。
- ドアの合わせ目に隙間がある時は、角材で戸当たりをつける。
- 扉に取っ手を付ける(角材を間に挟んで合わせると平行になる)。
木製の防音ドアのDIY方法
同じくフラッシュドアで防音(遮音)機能が付いたタイプの、作り方とアイデアです。音楽をしているなど家や部屋の防音効果を高めたい人におすすめです。ただし音は隙間から漏れるので、隙間テープなどを使って扉枠との間に隙間ができないようにする必要があります。扉一重では、音漏れがある程度ましになる程度で、二重にする必要があります。また音漏れが気になるトイレの扉のリフォームにもおすすめです。
防音扉を作るための工夫
- 密着性の高い材料を選ぶ。
- 扉枠に密着させるためには、素直に曲がる板を選ぶことが必要。節のない杉材が最適。
- 柔らかい木材を密着させるためには、蝶番の数が必要なので、通常2枚のところを5枚釣りにする。
- 共振を防ぐために桟の取り付け元に蝶番を取り付ける。
- 錠側にはグレモン錠を取り付けても、断面欠損が少なく済むように幅広材を使う。
- 共振を防ぎ密着させるために、蝶番側と錠側をつなぐように横に桟材を使う。
- グレモン錠を用いる。
- 錠側はグレモン錠を起点にして二次曲線に曲がるので、そこに合わせて頭当たりをつける。
- 枠材だけでは締め付けが不足する場合は、補強用アングルを取り付ける。
準備するもの
- クランプ
- 堅い目のメジャー
- 金づち
- くぎぬき
- ルーター
- 電動ドリル
- 小刀
- 鉛筆
- 大きめの定規状のもの
- 角定規など
材料
- エポキシ系接着剤
- グレモン錠
- 蝶番:5個
- 蝶番用のねじ:20本
- 扉の中側の桟材:5本
- 扉の縦の長さの桟材(幅広):1本
- 扉の縦の長さ桟材:1本
- 扉の横の長さの桟材:2本
- 扉の表面の板:3枚
- 扉の大きさの石膏ボード(動画中の吉野石膏のサウンドカット)
- 桟材の枠内に詰める吸音材:枠の面積×4
作り方
- フラッシュドアの要領でドアの枠組みを作る。
- 桟材にエポキシ系接着剤を塗って、表面用の板に張る。
- フィニッシュネイルを打ち込み固定してから、クランプで圧着する。
- 所定時間おいて接着剤が固まってからクランプを外す。
- 表面用の板を裏返して、フィニッシュネイルを取り外す。
- 残っている接着剤も取り除く。
- 吉野石膏のサウンドカット(遮音材)を所定の大きさにカットする。暑くて硬いので両側から切れ目を入れて割る。
- 接着剤を塗ってから、貼り仮止めしてクランプで圧着する。
- 蝶番を取り付けるための座彫りをする。
- 蝶番を取り付ける。
- 枠の中に吸音材を入れる。
- 吸音材を入れた上の部分にも2の要領で、表面の板を貼り付けて固定する。
まとめ
ドアの構造やある程度簡単なDIY方法がわかれば、自分で部屋をリフォームするのも夢ではありませんね。一言でドア(引き戸やクローゼットの扉)を作ると言っても、いろいろな方法があります。用途や目的予算に合わせてドア作りを楽しんでください。