2×4角材とは
2×4角材は構造材として建築用に取り扱われていましたが、最近ではDIYブームも追い風となり、日曜大工で人気です。安く入手できるのも魅力の1つで、世界に1つだけの頑丈な木製家具を自分で手作りできる身近な素材です。2×4角材は、サイズが38mm×89mmで、2インチ×4インチ=2×4(ツーバイフォー)と呼ばれています。なので、2×4以外にもいくつも種類があります。では、詳しく解説していきます。
素材
2×4角材の最もポピュラーな樹種がSPF(エスピーエフ)と呼ばれる木材です。Sはスプルース(トウヒ)、Pはパイン(マツ)、Fはファー(もみの木)です。枠組壁工法(ツーバイ工法)では、構造材として使用されています。2×4角材の6F(フィート)で、300円前後と、安く入手できるので日曜大工でも人気の素材です。
2×4以外の規格
ある一定の寸法に決めたれた規格の種類の一つが2×4です。2×(ツーバイ)と言う規格の中に2×2~2×6とあり、更に2×8~の特殊規格も存在します。それから1×(ワンバイ)と言う規格もあります。1×(ワンバイ)の中にも数種類あり、1×4角材は、日曜大工でもよく使用されています。2×4角材、1×4角材は、取り扱っているホームセンターは多いです。
2×4角材を使ったベンチの例
ウッドベンチを手作りする上で、先ずはデザインを考えましょう。そのためには、沢山のアイディアを見学します。木製長椅子の本体のサイズや色、収納やその他の機能の有無など、細かい設計をしていきます。ネット上で沢山見学できますので、ここでは3つだけご紹介します。どれも2×4角材を使用してあるとても参考になるアイディアばかりです。
DIY例①
公園のベンチのような素敵なデザインで、見た目にも頑丈なのがわかります。このような木製長椅子を手作りできたらと、誰もが憧れるようなウッドベンチですね。2×4角材を使用してあります。それから脚とひじ掛け、背もたれの斜めのカットには、技術が光っています。上級レベルのウッドベンチであると言えます。これほどまでのデザインを設計するには、何脚か練習が必要です。
DIY例②
例①をシンプルにしたようなデザインのウッドベンチです。こちらも上級レベルの長椅子と言えます。座面の傾斜、座面と背もたれの角度が、細かく計算されており難易度が高いです。2×4、1×4角材が使用されています。座面は2×4角材で枠組みを作り、1×4角材で天板座面をのせてあります。枠組みの中に2本の補強が入っているので、2×4角材より薄い1×4角材を天板座面に使用しても頑丈で安心です。
DIY例③
2×4角材のみで設計された、とてもシンプルで頑丈な構造のウッドベンチです。このようにシンプルなデザインだと、DIY初心者にも作りやすいです。このかたは、使用した素材・サイズ・材料・更に反省点も記載されていて大変参考になります。長椅子の座面の長さは800mm、高さは約340mmとされています。では、今回はこちらのデザインを参考にして、手作りウッドベンチを設計します。
2×4角材でのベンチDIYに必要な道具
主に、日曜大工やDIYで使用する道具がほとんどです。木製長椅子を手作りされてみて、更に作ってみたい物の幅が広がったら、電動工具も持っていた方ができることが大幅に増えてきます。木製長椅子に合わせた大きなテーブルなども手作りできますし、頑丈に組み付けられます。
①ドライバー
手動ドライバー・電動ドライバーでも作業はできますが、インパクトドライバーだと作業が断然はかどります。ハンマーのように叩き振動を与えながらネジ・ビスを締るので、スピーディーに締め込み、仕上がりもぐらつかず頑丈です。ネジ・ビスを埋め込んでしまうこともあります。インパクト機能を解除できる商品も出ています。
②のこぎり
木工で使用するのこぎりには、「縦引き」と「横引き」があります。木材の長さを切る場合は「横引き」を使います。横引刃は細かい目をしています。生木に使用した場合は、サビ防止のためにも洗ってよく乾かして収納されることをおすすめします。手近な電動のこぎりとしては、ジグソーなども有名です。(上の写真中央)
③コンベックス
ご家庭のいろんな場面で役に立ちますので、1個は準備しておきましょう。DIY・日曜大工にも、模様替えにも、カーテンの新調の際にサイズの計測にも多くの場面で利用できます。ホームセンターで安く販売していることも多いです。メモリのテープ幅が19mmのものが使いやすいです。
④定規
文具用定規でも作業はできますが、曲尺(かねじゃく)のいい所は直角の線をサッと引ける所です。例えば2×4角材の長さをのこぎりでカットするのに、まずコンベックスで必要な長さに印を付けます。そして、その印を写真のように直角の部分木材に当てて、そのまま曲尺で線を引くと直角に線を引くことができます。
⑤鉛筆・消しゴム
あまりとがっていない、芯が柔らかい2B鉛筆をおすすめします。鉛筆なのは、間違えても消しゴムで消せるからです。芯がとがっていると、素材の表面に傷を付けてしまい、塗装をしても傷が目立ってしまいます。今どきはフリクションタイプのペンもありますが、塗装を施した素材には分かりにくい場合もあります。
⑥サンドペーパー(紙やすり)
日曜大工のウッドベンチでは、約3種類ほど準備いただくと事欠きません。#40、#120、#240番がおすすめです。上の写真のサンドペーパーは、どこのホームセンターにも置いてある定番商品で安く購入できます。ウッドベンチを手作りする場合では、サンディングする本数が多いので、電動工具などもあれば作業がはかどります。作業スペースが設置されているホームセンターでは工具を借りれるところもあります。
⑦塗装用の刷毛
木製長椅子を手作りする場合の刷毛は100円ショップのものでもよいです。100円ショップの刷毛は、1回の使用でも毛へのダメージが大きく、毛がハネてきます。ハネてしまうと、繊細な刷毛ワークが難しくなります。2~3本準備されると安心です。
2×4角材でのベンチDIYに必要な材料
木工・日曜大工に必要な材料です。主に3つで、これさえあればベンチDIYが完成します。2×4角材、1×4角材の選び方のポイントも紹介してます。
①2×4角材、1×4角材
2×4角材、1×4角材は長さにも規格があり、3F(フィート)=914mm、6F(フィート)=1828mmのものが置いてあることが多いです。それを必要なサイズにカットして使用します。購入の際に見ていただきたいポイントが2点ありますので以下をご確認ください。加工や仕上がりに影響を与えます。
購入の際に見ていただきたいポイント
- 節の量や場所
- できる限りまっすぐに見えるもの
②ネジ、ビス
木工・日曜大工に不可欠で、素材を接合します。木製素材自体の強度に、ネジ・ビスが補強する意味合いも兼ねているので、頑丈で強度が必要です。作品用途に合った、サイズや強度のネジ・ビスを選ぶことが大切です。最近では価格が安く、サイズの種類も多い「コーススレッド」の人気が高まっています。
③塗料
大きくは水性のものと油性のものがあり、屋外用・屋内用、更に木材の表面保護に特化したもの、木材の質感などを活かし美しく仕上げるものなど、塗料の種類や特性はさまざまです。木製作品の着色は、最終的な仕上がりに直接影響を与えます。塗料を取り扱っている100円ショップもあります。同じシリーズのものを調合して、オリジナルカラーを作ることもできます。
【補足】必要な安全対策
①手袋や軍手の着用
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木工・日曜大工では、ささくれが刺さったり、皮膚に傷をつけたりすることがあります。作業時には軍手などを着用しましょう。また、電動工具をご使用の場合は、脱げないようサイズの合った滑り止め軍手を着用しましょう。塗装時には、塗料でかぶれることがありますので、ビニール手袋を着用しましょう。
②保護メガネ・ゴーグルの着用
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木工・日曜大工は、木材の欠片や切りくず、粉塵がや発生します。目の保護のために、保護メガネ・ゴーグルを着用しましょう。コンタクトレンズを装着されている場合、粉塵は瞳とコンタクトレンズの間にとても入り込みやすいです。特に気をつけましょう。
2×4角材を使ったベンチDIYの素材の選び方
ネジ、ビスの選び方
種類がとても豊富で選ぶのに大変苦労します。その場合、長さで選びましょう。取付ける素材の厚さにプラス20mm以上の長さのものを使います。プラス20mmは最低限必要な長さです。長すぎて貫通する場合も怪我の原因になりますので、考慮の上選びましょう。
塗料の選び方
塗料には、ステイン・ワックス・ニスがあり、それぞれ仕上がりが異なります。とても手に入りやすい「ニス」は、塗料自体あまり浸透せず、乾いた後は艶っぽくなります。何度か塗り重ねると更に光沢がでます。その点ステインとワックスは浸透して着色するため、木肌の風合いを残します。仕上がりの好みに合わせて選びましょう。
2×4角材を使ったベンチDIYの準備
DIYデザインの図面の作成
ウッドベンチを手作りするにあたり、作品例やアイディアを参考に作りたいサイズ・形を考えて行きましょう。ここではシンプルな構造に、収納棚を設け頑丈な長椅子のアイディアで解説していきます。このデザインの収納棚は補強の役割も果たしています。2×4角材と、1×4角材を使用します。
設計図、部品図の作成
5mm方眼の用紙を使用すると書きやすいです。2×4角材をメインに使用した手作りウッドベンチですので、1マスを約90mmに見立てています。10マスで3F(フィート)、20マスで6F(フィート)を表しています。図1、2のように詳しく設計することで、素材の長さや本数不足などのミスを圧倒的に減らすことができます。
「図2」では、「図1」の線Aと線Bで切ったときに、どのように見えるかを表した図面です。ここまで詳しく図を描くことで、イメージを具体化することができます。詳細なサイズやおさまり、使用するネジ・ビスの正確な本数など、より正確な部品図を作ることができるのです。
材料の買い出し
材料の買い出しに行くにあたり、設計図面だけでは、買い物に時間が掛かってしまいますし、現地計算ではミスも発生しかねません。そこで図面の設計と共に作成した部品図を元に、長椅子制作にいくら掛かるのか、予想を立てることもできますし、カット時のサイズ間違いも少なくなります。ネジ・ビスの必要本数も数えておくと購入時に役立ちます。
カッティングサービスを利用する
6F(フィート)1828mmの長い素材を、自家用車に載せて持ち帰り、更に自宅でカットするのは結構大変です。そこで、素材を購入したついでにカットもしてもらうと、今後の作業がとてもはかどりますし、サイズに狂いがありません。カット料金は「30円位~」と、ホームセンターによって違いますので素材を購入する予定の店舗に事前に確認してみましょう。
持ち帰り時の注意点
しるしを付けないまま持ち帰ると、どれがどの部分か見失ってしまいます。そこでマスキングテープなどを利用して、番号を付けておきます。「図3」の部品図にも記しておきましょう。「図5」では、番号マスキングは塗装時にいったん木口(こぐち)によけましたが、塗装が完全に乾いてから見やすい位置に貼り直しました。
2×4角材を使ったベンチDIYの手順
ここからは、2×4、1×4角材を使った木製長椅子の制作手順を解説いたします。前項で作成した設計図を見ながら世界に1つだけのオリジナル家具を手作りしましょう。2×4角材なので多少ずれても頑丈にできあがります。
ベンチDIY工程①サンディング
塗装するために、すべての木材をサンディングします。切り口の部分は#40番の荒目で、なめらかになるまで整えます。次に、全部の面を#120番の中目で、更になめらかになるまで整えます。最後に、#240番の細目で、中目までの傷が消えるまで整えます。木材を購入したホームセンターに作業スペースが有りましたら、工具を借りてサンディングを施しておく方が、時間を大幅に短縮できます。
ベンチDIY工程②塗装
組み付ける前に塗装を施します。組み立てた後では塗るのが難しい隙間ができますので、予め塗っておきます。ウッドベンチの表に使用する面を把握しながら作業を行います。塗る回数はお好みですが、二度、三度塗りますと、色に深みが出てきます。塗料は溶剤が含まれているものもあります。塗布の際は換気をよくし、ビニール手袋を着用して作業しましょう。
ベンチDIY工程③脚の組み付け
脚を組み付けます。「コの字」に②と③の2×4角材を組み付けます。次に棚受け⑤の1×4角材を組み付けます。この棚受けは、補強の役割もはたします。「脚」は、天板の重さと座った人の体重を支えるので頑丈でなければなりません、丁寧に作りましょう。ネジ・ビスで固定する際、予め木工用ボンドを塗っておくと補強の効果が高まります。
ベンチDIY工程④座面の組み付け
脚を立てて並べます。天板座面4本のうち外側2本を平行になるように端を合わせて、ネジ・ビスを1本だけとめて仮固定します。上から見て天板座面と脚が直角になっているか、曲尺を使って確認します。直角であれば、もう1本ずつネジ・ビスで本固定します。収納棚板1×4角材も同様に外側2本を固定し、そのまま収納棚を先に完成させます。
内側2本を均等に並べ固定し収納棚は完成です。収納棚が補強の役割も果たします。最後に天板座面の内側2本を、均等に並べ固定したら2×4角材を使用したベンチの完成です。アクセントに木口部分だけ100円ショップのナチュラルミルクペイント「ナチュラルベージュ」を塗って仕上げています。
まとめ
2×4角材の木製長椅子アイディア&作り方はいかがでしたか。実際に行う作業工程は4つと、日曜大工は意外と簡単に始められます。2×4角材、1×4角材なら安くて手作りでも頑丈なウッドベンチができます。そしてお部屋に木製家具を置くだけで、ナチュラルな雰囲気になります。置きたい場所にピッタリのサイズで頑丈で重厚感のある、世界に1つだけのベンチを手作りしましょう。
※写真は5.5m、メモリテープ幅19mmのもの。