MDF材とは
MDF材の「MDF」とは、「medium density fiberboard」の略で、「中密度繊維板」という意味です。見た目はボード状で、木材に近い材質です。加工もしやすく、主にDIYや建築などで使われますが、特徴を知り、用途に気をつけないと失敗します。
JIS A 5905が定める規格では、木材などの植物繊維を原料とし、ドライプロセスによって製造される繊維板（ファイバーボード）のうち、密度が0.35 g/cm3 以上のものをいう。中質繊維板とも呼ばれる。
特徴を大雑把に言うと、MDF材は木材のようだけど、癖が少なくて均質で安く買えるということですね。もちろん短所もあります。
MDF材は、生産する段階でその構成要素を変えることにより、さまざまな性質のものも製造できるので、短所もなくせます。
その分、高価にはなるでしょうけれど。
MDF材の特徴
MDF材は木材に近くもあり、厚紙に近くもあります。しかし、そのどちらとも違うものとして、特徴をよく知り、扱わないと失敗に繋がります。上手に使うと、とても便利で安い素材です。その特徴をここでは述べていきます。
特徴①MDF材は癖が少ない
木材はその性質のため、どうしても「反り」や「割れ」が起こりやすい素材です。通常売られている木材は、充分に乾燥させてから出荷されているので、消費者サイドでそういう現象に遭遇することは稀ですが、湿度の変化が大きい場所に置いておくと起こりやすくなります。雨露にさらされる屋外の方が室内より起こりやすいと言えます。
その点、MDF材はその構成素材が均質なので、湿度の変化などで「反り」や「割れ」が起こりにくい材料なんですね。
MDF材には、通常の木材のような木目の方向性はありません。どの方向にも切れるので、端材も使い回ししやすいです。
特徴②MDF材は安い
MDF材の構成要素、接着剤、木材チップ、密度の三つの要素のうち、「木材チップ」は、規格の木材を切り出したあとの端材、さらにはリサイクル素材などが使えるため、コストを抑えられます。また、強度や耐性を低く抑える代わりに、接着剤も安価なものを使えます。
MDF材の生産工程を大雑把に言うと、原料の木材チップをもっと細かくして接着剤で固めてボード状にするのですが、圧力をかけるなどして密度を一定以上にします。
JIS規格に適合しているかどうかは、表示されていればわかりやすいのですけれども、表示されていなくても適合している製品がホームセンターなどで売られています。
親切な販売スタッフさんなら、製造元に問い合わせて調べてくれますから、不安ならたずねてみるのもいいですね。
特徴③MDF材は意外に丈夫
※写真はイメージ 実際には大した重量は乗っていない
出典：筆者撮影
MDF材の構成要素、接着剤、木材チップ、密度の三つの要素のうち、「接着剤」の性能に大きく依存しますが、意外に丈夫で同じ厚みの無垢材・集成材・積層材にも勝ることがあります。とは言え、無垢材・集成材・積層材も種類や性質がいろいろあり丈夫さにも幅があります。必ずしもMDF材のほうが丈夫なわけではありません。
棚板としても使えますが、密度が高くはなく硬質ではないため、重量の大きなものには耐えられません。したがって、本棚の棚板には向きません。
数冊程度なら載せられますけど、本もたくさん集まるとかなりの重量になりますからね。
特徴④MDF材は加工がしやすい
MDF材は、ボード状の材料の中では、比較的加工しやすい部類に入ります。のこぎりで切断するのも楽です。厚みの薄いものなら、切り方によっては、カッターでも切れるのです（何回かなぞる切り方をする）。ちょっとした工作にはもってこいの材料でしょう。楽に加工できるのは嬉しいですね。
小さな箱を作ったり、ちょっとした工作に使ったり、特徴をよく知っていれば便利な素材ですね。それと、工夫すればいろいろな形に切れるので装飾にも使えます。
防水・耐水性がないのは大きな欠点ですが、塗料などで補う方法もありますから絶対的な欠点ではありません。
釘、ネジ、ビスが利かなくても接着剤を使えば、それほど困らないですよ。
引用元URL：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AF%86%E5%BA%A6%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E6%9D%BF