柔軟剤入り洗剤の「柔軟剤」の役目とは
まずは、洗濯における柔軟剤の役割を知っておきましょう。柔軟剤にはその名の通り生地を柔らかくする効果があります。また、生地のこすれによっておこる静電気の防止にもつながります。素材によって、静電気のせいで体にまとわりついてしまうものもあるため、柔軟剤で仕上げをすると安心ですね。このほかにも、汚れをつきにくくする効果や吸水性を高める効果なども得られます。タオルを洗濯した際に柔軟剤仕上げをすると、その効果がよくわかるはずです。
柔軟剤の使用をおすすめする理由
昨今の柔軟剤には、単純に静電気を防ぎ生地を柔らかくするという機能以外のものも付加されています。自分の体から出る汗の匂いを抑える効果や、他人が吸ったたばこの匂いなどが服に残らないようにする効果などが代表的な例です。また、部屋干しをする家庭が増えていることから、早く乾く作用を付加しているものも販売されています。このほか、タンスの中で長期間保管していると発生しやすい生地本来の嫌な匂いも防ぐ効果もあります。
赤ちゃん衣料には柔軟剤はいらないの?
生まれたての赤ちゃんの衣服に柔軟剤はいらないといわれることもあります。これは昔のこと。今では、着心地を重視するためには柔軟剤を使うことが推奨されています。もちろん、柔軟剤そのものには、刺激性の成分は含まれていないので赤ちゃんの衣服にも使用可能です。また、より刺激の少ない赤ちゃん用の柔軟剤も販売されています。大人と同じ柔軟剤を使う場合は、赤ちゃんがママを探す嗅覚を邪魔してしまうことも考えられるため、香り付けを重視した柔軟剤などは使用しないことをおすすめします。
柔軟剤入り洗剤のメカニズム
ここからは「柔軟剤入り洗剤」に視点を移します。文字通り、洗剤に柔軟剤成分が含まれている商品で、洗濯機に規定量を投下することで、衣類の洗浄から柔軟剤まで一挙に済ませることができます。
全自動洗濯機の場合、洗剤と柔軟剤を入れる場所が別になっているものがほとんどです。初めに洗剤を入れて、すすぎ終了のタイミングで柔軟剤が投下される仕組みですね。柔軟剤入り洗剤の場合、「両性界面活性剤」という洗浄力成分と柔軟剤成分の両方を併せ持った成分が含まれています。この両性界面活性剤とは、一つの分子が陰イオン(-)と陽イオン(+)を持っているものを指しています。洗浄力をつかさどる汚れ落としには陰イオンが働き、洗浄後に陽イオンが衣類に吸い寄せられて柔軟剤成分として作用するという仕組みです。
成分が異なる柔軟剤入り洗剤と洗濯洗剤
じゃあ、柔軟剤と洗濯洗剤のそれぞれを同時に入れたら「柔軟剤入り洗剤」として使えそうに思えるのですが?
柔軟剤本体は陰イオン、洗剤は陽イオン単体の界面活性剤が使われています。洗濯前にこれら二つを同時に入れると、その場で異なる分子である陰イオンと陽イオンが結びついてしまい、洗浄力や柔軟剤のそれぞれの力が弱まってしまいます。このような理由から、柔軟剤と洗剤をそれぞれ一緒に入れることができないのです。
全自動洗濯機を使っているけれど、初めに柔軟剤入り洗剤を入れてしまっても大丈夫なのでしょうか?