ダボ継ぎとは
ダボ継ぎとは、「ダボ」と呼ばれる直径6~8mm程度のチップを使って木と木を繋ぐ木工のテクニックのひとつです。ダボ継ぎでダボを使って木材同士を接合することで、安価なワンバイ材やツーバイ材の幅を広げ、テーブル天板など幅広板として使えるようにします。
ダボ継ぎができれば天板や棚板DIYの幅が広がる
棚を作ったり棚板を増やしたりする際にもダボ継ぎは便利です。ダボ継ぎを覚えることで、自作の棚にも可動棚を作ることができ、また市販の靴箱や食器棚の棚が足りない際にも自在に棚板を増やすことができるようになります。
ダボには2種類あります
大きく分けてダボ継ぎ用のダボは2種類あります。違いと特徴は下記を参考にしてください。用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。
- 木製ダボ…表面に溝がありザラザラしている。木工ボンドと併用すれば丈夫に木と木をつなぐことができる。
- 金属製ダボ…表面がなめらかで抵抗が少ないため取り外しがしやすい。何度も差し替えて使う稼働棚などに便利。
ダボ継ぎのやり方と手順
ここではテーブル天板と脚をつなぐ際や棚作りなどの家具作りに応用できる、「木製ダボを使った基本的な板と板をつなぐやり方と手順」をご紹介いたします。表記のややこしさを回避するため、2枚の板にはそれぞれ板A・板Bと呼称いたします。
やり方①板Aに印をつける
穴をあける位置を決めて印をつけます。この段階の印付けは板Aのみでかまいません。ズレを防ぐため、板Bの印付けは後程行います。
やり方②板Aに穴をあけダボマーカーを差し込む
ドリルで板Aに接合用の穴をあけ、ダボマーカーをぎゅっと差し込みます。一気に板Bに穴あけ用の印付けを行うため、ダボマーカーは板Aのすべての穴に差し込んでください。
やり方③ダボマーカーで板Bに印をつける
板Aのダボマーカーの上に、板Bの接合面を合わせて乗せて金づちやゴムハンマーでたたきます。衝撃により、ダボマーカーの突起部分が板Bの穴あけ箇所に窪みをつけ、穴あけの目印ができます。
やり方④板Bに穴をあける
板Bの目印をたよりにドリルで穴あけをします。ダボ用のドリル金具を使うと丁度よい深さの穴あけができてよいでしょう。まっすぐ垂直に穴あけを行うのがきれいなダボ穴あけのコツです。
やり方⑤板Aの穴にボンドを入れる
強度を高めるために、木工用ボンドを使います。ダボ穴に入れる量の目安としては、穴の半分より少し下くらいでよいでしょう。多すぎると穴からボンドがあふれてしまい天面など余分なところにこぼれる恐れがあります。
やり方⑥板Aの穴にダボを差し込む
ダボ穴にダボをぎゅっと差し込みます。同じ大きさで作られているため穴にダボが奥まで差し込みにくい場合がありますが、金づちや木製ハンマーを使うとよいでしょう。
やり方⑦板Bの穴と側面にボンドを塗る
強度を高めるため、板Bのダボ穴と接合面にも木工用ボンドを使います。穴にいれるボンドは板Aと同じく半分以下をめやすにするとよいでしょう。接合面に塗るボンドの量は、気持ち多めがしっかり強度のある家具を仕上げるコツです。
やり方⑧板Aと板Bを合わせて繋ぐ
板ABの凹凸を合わせて接合します。きつくて奥まで入らない場合は、金づちやハンマーなどを使って合わせるとよいでしょう。直接板を金づちでたたくと傷つく恐れがあるので、端切れなどで当て板をしてその上からたたくのもおすすめの方法です。
ダボ継ぎ用必須アイテム紹介
①ダボ
木と木をつなぐダボ継ぎに使うための木製ダボです。市販品は安価で強度や品質が安定しており便利です。あとで足りなくならないようにまとめて購入するとよいでしょう。
専用ドリルビットを使って自作もできます
木製ダボは専用のドリルビットを使って自作することもできます。しかし品質が一定ではないので強度が必要な家具などの木を接合するためではなく、ネジ穴隠し用の使い方がおすすめです。ニスを塗ればネジ穴が目立たなくなり、木工DIYの完成度を上げることができますよ。
②ダボマーカー
こちらは穴あけ位置を印つけするための金具、ダボマーカーです。使い方は初心者にも簡単で、穴に差し込んで印をつけたい板をぎゅっとおさえるだけです。
ダボマーカーなら木材に正確に印つけができる
板と板をつなぐダボ継ぎが上手になるコツのひとつに正確な印つけがあります。ダボマーカーはすでに開けた穴を使って印つけをするので、より正確に印つけができます。
③ダボ錐
ドリルで木材にダボ穴をあける際の先端金具です。使い方は通常のドリルと同じく、穴をあけたい部分に先端を押し当てるだけですが、貫通を目的をしないため穴が開きすぎないようストッパー付きという特徴があります。
④ドリルガイド
ダボ穴を垂直に開けることも、上手なダボ継ぎのコツです。まっすぐ垂直にダボ穴をあけるのはドリルに慣れていてもなかなか難しい作業なので、ドリルガイドを使うとよいでしょう。使い方やサポート方法は種類によりますが、ドリル部分を固定できてブレ辛くなります。
⑤木工用ボンド
強度を上げるため、木ダボと木材を接合する際には木工ボンドを使います。使い方は通常のボンドや糊と同じです。ダボ穴や棚板の接着させたい面に塗布した後、あわせて乾燥させて接着します。乾燥に時間がかかるため接着後はすぐに使わず、数時間乾燥時間を設けましょう。
⑥ハンマー
ダボ継ぎならではの難しさとして、正確にダボ穴が作れていたとしてもなかなか接合しないことがあります。そういった場合に便利なサポート役が金づちや木づちなどのハンマーです。木材が割れる恐れがあるため強い一撃を加えるよりもあまり力を加えずにコンコンと数回にわけて叩く使い方がおすすめです。
⑦ドリルビット
工作で余った端切れなどの木材をくりぬいて木ダボを自作するためにはドリルビットを使います。自作木ダボはビス穴(ネジ穴)隠しに便利で、ナチュラルに穴を埋めることができます。木工DIYの完成度を上げたいならおすすめのアイテムです。
ダボ継ぎの基本の手順と道具の紹介はここまでです。ここからはメリットや応用編をご紹介いたします。