こどもの日にすること③こいのぼりを飾る
こいのぼりは、男の子の「立身出世」の象徴です。「龍門」という急流を登りきった鯉は龍になって天を翔けるという中国の故事をもとにした日本独自の文化です。また、鯉は川や沼など住む場所を選ばず大きくなるため、男の子がどこでも身を立てられるようにという意味もあります。
飾る時期
こいのぼりは、ひな祭りが終わった時期、3月初旬辺り~4月中旬辺りに飾るかたが多いです。晴れて天気がよく、大安など日にちのよいときに飾るのがよいでしょう。しまう日がいつか決まっているわけではありませんが、端午の節句が終わってから天気のいい日にしっかり乾かしてから収納します。あまり遅くなると梅雨に入ってしまうので、早めに片付けることをおすすめします。
こいのぼりの飾り方
飾り方①屋外に飾る
庭にポールを立てて大きなこいのぼりを飾る伝統的なタイプです。杭を打ち込んで固定するタイプと、スタンドに砂袋などのおもりを乗せて固定するタイプがあります。広いスペースが必要で、しまい方にもコツが必要ですが、大きな鯉のぼりが悠々と大空を泳ぐ姿は圧巻ですよ。
飾り方②ベランダや軒下に飾る
お庭がない、マンション住まいなどの理由で大きなこいのぼりを飾れない家庭なら、ベランダや軒下に飾ってみてはいかがでしょうか?スタンドタイプのものや手すりや壁をはさんで固定するタイプがあります。庭に飾るよりは小型のものになってしまいますが、その分しまい方も簡単で収納場所も取らず、しっかり泳いでくれますよ。
屋外用やベランダ用のこいのぼりは、濡れてしまうとカビや傷みの原因となってしまいます。雨が降った日には、こいのぼりはあげないようにしましょう。
飾り方③室内に飾る
マンションなどの集合住宅では、日が差さなくなってしまう、ご近所トラブルになりかねないなどの理由で飾ってはいけないと決まっている場合もあります。その場合は、室内に飾る方法がおすすめです。本格的なこいのぼり以外にも、ガーランドのように吊るすタイプやインテリア用のこいのぼりなど、端午の節句の雰囲気を室内で味わってみてはいかがでしょうか。
こいのぼりのしまい方
しまい方①こいのぼり・吹き流しのしまい方
こいのぼりには、防虫剤は必要ありません。入れてしまうと、変色などの原因になるので気をつけてくださいね。
屋外用のこいのぼりは、晴れて湿気の少ない日を選んでしまいましょう。汚れているときは固く絞った布で拭くか、薄めた中性洗剤で押し洗いします。力を入れ過ぎたり、こすったりすると金箔が剥がれてしまうので注意が必要です。また、口の部分に針金が入っているため変形しないように洗いましょう。カビないようにしっかり乾かしてから、畳んで箱に収納します。
しまい方②ポールや矢車のしまい方
ポールや矢車も乾いた布などでしっかりと汚れを拭き取って、乾かしてから箱に収納しましょう。このとき、矢車やポールの動く部分には油をさしておくと長持ちします。また、組み立て済みの矢車は、無理に解体すると壊してしまう可能性があるので、できるだけそのまま収納することをおすすめします。
こどもの日にすること④五月人形を飾る
五月人形の由来
武家社会だった鎌倉時代では、梅雨前の端午の節句あたりに鎧や甲冑などを座敷に出して虫干しし、手入れをすることが慣例になっていました。鎧や甲冑、兜は、戦において自分の身を守ってくれる防具です。そこから、男の子の身を病気や災厄から守ってくれるお守りとして飾られるようになりました。
五月人形の種類
五月人形は大きく分けて「鎧飾り」や「兜飾り」、「武者人形」の3種類があります。鎧飾りは伝統的な甲冑と兜を飾るタイプで、大きく豪華で目を引きます。兜飾りは兜のみを飾るコンパクトなもので、収納スペースも少なく済むため人気が高いです。武者人形は人形に鎧兜を着せたもので、金太郎や弁慶などさまざまな種類があります。
五月人形を飾る時期と場所
五月人形を飾る日は、本格的に春が始まる「春分の日」以降が一般的です。節句の前日に飾るのは「一夜飾り」といって縁起がよくないとされています。飾るのには時間も必要なので、1週間前くらいには飾ることをおすすめします。飾る場所は直射日光が当たらず、湿気の少ないところがよいでしょう。エアコンの風が当たる場所も、温度差によって劣化が早まるので注意が必要です。
これから飾り方やしまい方をご紹介しますが、五月人形の金属部分や金箔部分、人形の顔などは、直に手で触るとサビやシミの原因になります。
手袋などをして直接触らないようにしてくださいね。
五月人形の飾り方
飾り方①鎧飾りの飾り方
- 櫃(ひつ:五月人形が入っている箱)から中身を出す
- 佩楯(はいたて:太ももを守る防具)を櫃の前面に垂らし、帯を櫃のふたに挟み込むようにして留める
- 芯木(しんぎ:鎧などを支える十字型の木)を櫃の上前側に置き、鎧を着せる
- 面頬(めんぽお:頬を守る仮面のような防具)を芯木の上にかける
- 兜に鍬形(くわがた:U字の金具)や竜頭(りゅうず:龍の形の金具)をつけ、芯木にかける
- 毛沓(けぐつ:毛のついた履物、毛履とも)に脛当(すねあて:板状の物)を差し込み、足元におく
- 向かって右に太刀、左に弓矢をおいてできあがり
飾り方②兜飾りの飾り方
- 櫃から中身を出す
- 芯木を櫃の中央に置き、袱紗(ふくさ:紫や紺色の布)を掛けて、櫃の前面に少し垂らす
- 兜に鍬形や竜頭をつけ、芯木にかける
- 向かって右に太刀、左に弓矢をおいてできあがり
五月飾りは固定はしないので、バランスが崩れると倒れることがあります。
怪我をしたり壊れたりしないよう、飾り付け後は動かさないようにしてくださいね。
五月人形のしまい方
まず手袋や毛ばたき、綿棒、和紙やティッシュなどの柔らかい紙を用意します。毛ばたきで全体的にほこりを落とし、次に綿棒で細部を落としていきます。強くこすったり、金箔に触れたりすると落ちてしまうことがあるので気をつけましょう。ほこりを落としたら、柔らかい紙で包んで箱にいれ、最後に防虫剤を少量入れて収納します。
防虫剤が直接飾りにつくと、シミや変色の原因になるので、飾りに触れない位置に入れて収納しましょう。
こどもの日にすること⑤こどもの日イベントに行く
鯉のぼりイベント
ゴールデンウィークには、スカイツリーなど観光名所をはじめ、さまざまな場所でこいのぼりイベントが開催されています。たくさんの大きなこいのぼりが泳ぐ光景は圧巻です。また山口県防府市の佐波川や高知県いの町の仁淀川では、水の中を泳ぐいつもと違ったこいのぼりを見られますよ。
流鏑馬(やぶさめ)イベント
「流鏑馬」とは、馬に乗ったまま矢で的を射る競技のことです。平安時代から実戦的な弓術として使われていましたが、鎌倉幕府では神事として奉納されていました。近年は行われる場所も減ってきていますが、勇猛に騎馬が的を射抜いていく様子は見る人を圧倒します。
菖蒲湯イベント
銭湯やスーパー銭湯や温泉施設などでは、5月5日に浴槽に菖蒲を入れた菖蒲湯をはじめ、こどもの日のイベントを行っているところがあります。近場でも非日常感を味わえるのでおすすめです。たまにはいつもと気分を変えて、菖蒲の香りで季節を感じながら広いお風呂でのんびりリラックスしてみてはいかがでしょうか。
入場料が無料になる施設もある
公共施設やレジャーランドの中には、こどもの日に入園料が無料になる施設もあります。東京の上野動物園や横浜市のランドマークタワー、沖縄の美ら海水族館など有名な観光名所もあり、男の子も女の子も喜ぶテーマパークがいっぱいです。お出掛けのときにはぜひチェックしてみてくださいね。
上記の日程は例年のものですが、年によっては変更、中止されることもあります。
こどもの日を楽しもう!
こどもの日のもとになった端午の節句は男の子の行事ですが、こどもの日は男の子でも女の子でも楽しめる日です。ゴールデンウィークでもあるので、ぜひ子どもの成長を願いながら、いつもとは違うこどもの日を楽しんでみてくださいね。
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こいのぼりはポールなど大きいものが多く、出すのも収納するのも手間取るので余裕を持って行動しましょう。