カフェインとはどんな成分?
カフェインとは、有機化合物の一つです。一般的に「コーヒーの中に含まれている成分」という認識が強いのではないでしょうか。私たちの生活では、いろいろな飲み物や医薬品などに含まれており、リフレッシュメントなどに使われています。
医療用医薬品としてのカフェイン
カフェインは、医療用医薬品にも含有されています。眠気除去薬はもちろんのこと、一部の風邪薬や頭痛薬など含まれています。眠気除去剤に関しては、濃いめのコーヒー3杯分のカフェインを含むそうです。気持ちをすっきりさせるだけではなく、頭痛の鎮痛成分としても使われています。「無水カフェイン」という成分は、コーヒーなどに含まれているものと同じです。
カフェインを含む飲み物がもたらす体への影響
ここでは、カフェインを含む飲み物が体にもたらす影響についてまとめました。1杯の飲み物で体に良い影響があるものや、すこしマイナスの影響をもたらすものなどをまとめています。
軽い覚醒効果
カフェインには軽い覚醒効果があります。眠気覚ましや体のだるさを軽減する効果があります。適量でカップ1杯程度のコーヒーであれば、気分がすっきりするなどの程よいリフレッシュメントになりますが、一度に大量のコーヒーを飲んだり、濃いめに抽出したものを飲んだりすると眠れなくなるのはこの理由からきています。
体を冷やす効果
カフェインは交感神経を刺激し、軽い興奮状態を作ることが指摘されています。その時は血流も上がるため体が温まりますが、時間の経過とともにカフェインは代謝されてしまうため、その体温差によって体が冷えてしまうのです。適量以上飲みすぎたときに、体の冷えを強く感じる人も多い傾向にあります。
利尿作用
カフェインには、利尿作用があります。カフェインの作用によって、血管が拡張し血流が多くなった結果、腎臓がナトリウムの再吸収を抑えてしまいます。こういった理由から、コーヒーを飲んだ後にトイレが近くなるという人も見られます。腎臓で血液をろ過する量も増えるため、尿を生成する量も増えてくるという考え方もあります。
カフェイン効果の持続時間
カフェインによる興奮作用や集中力を高める作用は、どのくらい持続するか知りたいという人もいるでしょう。適量を摂取した場合、カフェインによる興奮作用は、3~4時間ほど持続するといわれています。眠る前にカフェインを摂ることは避けたほうが良い理由がお分かりいただけるはずです。
1日の摂取量の目安は?
欧州食品安全機関(EFSA)によると、成人が安心して摂取できるカフェインの1日の最大摂取量の目安は400mgとされています。体重に1キロ当たり5.7mgまでという目安もあるようです。体重40キロの成人であれば、1日228mgまでが妥当です。コーヒー1杯100ml当たり60mgのカフェインが含まれていると考えると、3~4杯程度までなら安心して飲めるといえます。
健康維持にも役立つカフェイン入りの飲み物
カフェインは医薬品にも含まれています。特にコーヒーにはクロロゲンなどのポリフェノール(抗酸化物質)が含まれています。朝昼晩1杯ずつというように適度に飲むことで、健康を維持できることが解き明かされてきています。また気分のオンオフの切り替えもできるので、メンタル面の健康を保てるメリットも生まれます。
過剰摂取した場合の影響は?
「カフェイン中毒」という言葉を聞いたことはないでしょうか。カフェインを摂取しすぎた場合、中毒症状をもたらすことがあるようです。カフェイン中毒に陥った時の体への影響をお伝えします。これらの症状はもしかしたら、カフェインが影響しているかもしれません。
焦りや不安に襲われる可能性
カフェインを摂取することで集中力を高めるなどの力を得ていると、その効果が薄れて来たときに、突然焦りや不安が襲ってくる人も多いようです。イライラする、やる気がなくなるといった症状もカフェインによる離脱症状のひとつかもしれません。
眠れなくなる
カフェインを過剰摂取してしまうと、興奮状態が生まれます。日本ではカップ1杯程度のコーヒーであれば「まだ眠れる」という人も多いようです。しかし、少ない量でも無水カフェインを主成分とした医薬品や、エナジードリンクを常飲していると、眠る数時間前に摂取していなくても不眠の症状が出てしまうことがあります。
身体的影響
カフェインを過剰摂取したのちに、動悸や悪寒の症状が出る場合があります。これはカフェインによる離脱症状であるケースが指摘されています。場合によっては意識消失や心停止といった状態に陥ることもあるようです。多い量のカフェインは致死量に相当することもあります。眠気除去薬をエナジードリンクで流し込むというような状態などに危険性が高まります。
カフェイン依存症ってあるの?
カフェイン中毒と並んで、カフェイン依存症という症状もあるようです。これは比較的新しい言葉で、常時コーヒーやエナジードリンクを飲んでいる人を揶揄する言葉としても知られていますが、精神疾患の症例としてもカフェイン依存症が認められるようになりました。
依存性はアルコールやニコチンよりも低い
依存症というと、アルコールやたばこのニコチンによる依存症が真っ先に挙げられますが、コンビニで気軽に購入できるコーヒーやコーラ、エナジードリンクを常時飲むことでも体に影響を及ぼします。ただし、依存性はアルコールやニコチンと比較しても低いものと考えられています。逆にとらえると、小児でもカフェイン依存症に陥る可能性があるともいえるのです。
心理的な依存が高い
カフェインの過剰摂取による症状や、カフェイン離脱による不快な症状が引き起こされることは先にも記しました。それと同時に、「カフェインがなければ○○ができない」というように心理的な依存が高い傾向にあるといえます。その背景にはコンビニで購入できる清涼飲料水だから問題ないと考えることが挙げられています。
子供はカフェイン入りの飲み物を飲んでも大丈夫?
子供はコーヒーやコーラを飲んではいけないと考える大人もいます。子育て中の人の中には、コーヒーやコーラを飲ませないと決めている人もいることでしょう。子供は少ない量でもカフェインを含む飲み物を飲んでも大丈夫なのでしょうか?解禁するなら何歳からが妥当なのでしょうか。
小学生未満には飲ませない親が大半
カフェインには、少ないながらも苦みや辛味というような子供が嫌う味があります。またカフェインが含まれるコーラには炭酸が含まれていますので、子供なら苦手意識を持つこともあるでしょう。また、炭酸飲料には砂糖がたくさん含まれていることから、何らかの年齢制限を設けて、カフェインを含む飲み物を飲ませていない親御さんも見られます。
何歳から解禁するのが妥当?
何歳からカフェインは大丈夫と言い切ることができないのが現状です。緑茶や紅茶などにも少ないながらカフェインが含まれているので、規制をしていても体に取り込まれているという状況もあります。ただし小学校低学年くらいまでの子供には、比較的カフェインが多い飲み物は避けたほうがよいでしょう。
体重45キロを超えたあたりor中学生になったら
コーヒーなどのカフェインが多めに含まれた飲み物を解禁するとしたら、体重が45キロを超えたあたりや中学生になったらというような目安を設けることも一案です。もちろん、この体重や学齢に満たなくとも飲ませることは可能です。心配であれば、アメリカンコーヒーやカフェオレにして飲ませてはいかがでしょうか。
妊婦や授乳期のカフェインは避けるべき?
妊娠中は1日1杯程度のコーヒーであれば大丈夫という見解が出ています。ただし、含有量が多いエナジードリンクや健康ドリンクなどは避けたほうが良いでしょう。授乳中のコーヒーは赤ちゃんへの影響も否めないので自主規制している人も見られます。不安なら避けたほうがよいかもしれません。コーヒー好きな方は、カフェインが少ないデカフェコーヒーなどを飲んで気分転換しましょう。
カフェインレスとノンカフェインの違いは?デカフェとはどんな意味?
カフェインレス、ノンカフェイン、デカフェなどコーヒーやカフェインを含む飲み物のまつわる言葉の違いをここでおさらいします。
カフェインレスとは
カフェインレスとはカフェインを含む飲み物ですが、その含有量が限りなくゼロに近いものを指しています。カフェインが少ないため、カフェインレスと表記されていれば、妊婦さんや子供にも安心して飲ませることができる飲み物の目安にもなります。1日に1杯以上リフレッシュメントの飲み物が欠かせない人におすすめです。
ノンカフェインとは
ノンカフェインとは、カフェインを全く含まない飲み物です。麦茶やハーブティーなどがその代表選手です。その種類は多い傾向にあります。ノンカフェインは妊婦さんや小さな子供、高齢者に選ばれることが多い飲み物です。またのどの渇きをいやすため、たっぷり飲みたいという人にも最適です。
デカフェとは
デカフェとは、もともとのカフェインを含む飲み物からカフェインだけを取り除いたものです。もしくは、風味を高めるためにカフェインを添加していたものから、カフェインだけを添加しないパターンの飲み物を指しています。飲み物の風味はそのままに楽しめるので、コーヒー好きでも、比較的カフェインを気にせずに飲み続けたいと思う人におすすめです。