ウッドストーブを自作!小型・大型や100均素材を使った作り方を紹介

ウッドストーブを自作!小型・大型や100均素材を使った作り方を紹介

ウッドストーブは、アウトドアで暖房や調理器具として大変便利なアイテムです。既製品のウッドストーブは高価ですが、自作すれば安価なうえに自分好みにカスタマイズできます。この記事ではウッドストーブを自作するときの材料や手順についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.人気のウッドストーブは自作できる
  2. 2.自作ウッドストーブの仕組み
  3. 3.小型ウッドストーブの自作方法
  4. 4.大型ウッドストーブの自作方法
  5. 5.自作ウッドストーブを実際に使う
  6. 6.自作ウッドストーブでキャンプに行こう!

人気のウッドストーブは自作できる

Photo byLUM3N

ウッドストーブは大きな薪などを準備せずとも、落ちている松ぼっくりや木の枝などでもかなりの火力を発揮してくれるストーブです。しかし、既製品は10,000円を超える金額のものもあります。自作することで、安価かつ自分のニーズに合ったウッドストーブが手に入ります。

ウッドストーブの使い方

Photo byStockSnap

ウッドストーブの特徴は、手軽に火を起こせることです。コーヒーを一杯飲みたい、冷えた夜に焚き火をたいて暖を取りたいときに、BBQコンロのように炭に着火する手間や時間がかからず、スピーディーです。また、炭を必要とせず、小枝や枯れ葉など現地で調達できるものを燃料に使えるため、荷物がかさばりません。火力も申し分なく、スキレット料理や焼きマシュマロなどの調理もできます。

ソロキャンプでも人気!

Photo byPexels

ウッドストーブは費用や準備の手間がさほどかからないため、近年流行っているソロキャンプでも人気があります。小型でも大型でも車のラゲッジスペースを圧迫しないことも大きいです。ソロキャンプにおいてコストパフォーマンスのよいアイテムとなるでしょう。

自作ウッドストーブの仕組み

Photo bykhat_o2

ウッドストーブは円筒型、箱型と主に2種類のかたちがあります。円筒型は、天然材料だけでも二次燃焼という原理によって高火力を発揮します。箱型は折りたたみ構造や五徳(やかんなどが置きやすくなる支持金具)が内蔵しているものが多いです。また自前の燃料を熱源として使いやすい構造のものが多いため、焚き火がしやすくなってます。

二次燃焼構造とは

二次燃焼とはウッドストーブ内に入り込んだ空気を二手に分け、効率よく燃焼させる方法です。分かれた空気の一方は材料の燃焼に使用されます。もう一方の空気は熱を持ちながらウッドストーブ内を上昇し、不完全燃焼したガスと合流、再び火を起こします。これによって焚き火で暖をしっかり取れるような大きな火力が出せるのです。

小型ウッドストーブの自作方法

ここでは、製作手順がかなり少なく簡単に作れる円筒型の小型ウッドストーブを作ります。小型でも、二重構造にすることで二次燃焼を起こし、しっかり火力が出せるウッドストーブです。

作り方①材料の準備

ステンレス製のオイルポットです。外側の円筒として使用します。写真左の穴の開いた蓋は今回は使いません。
出典:筆者撮影

ウッドストーブは火を扱うアイテムのため、樹脂や木材といった材料は使用できません。ステンレスやチタン、スチールなどを使用しましょう。金属でもブリキや薄いものは使用中に変形してしまう可能性があるため、ステンレスを使うのが安価で手に入りやすくおすすめです。

材料は100均でもOK!

スチール製の灰皿です。内側の円筒に使用します。オイルポットと同じくフタの部分は使いません。
出典:筆者撮影

ステンレスやスチール素材のアイテムなどは、ダイソーなどの100均でも簡単に手に入ります。大型の折りたたみ式ウッドストーブで使用するステンレストレイなども、100均で購入可能です。アウトドアやキッチン用品のコーナーなどを見るとアイデアが膨らみますよ。

作り方②工具の準備

Photo byKateCox

必要な工具 用途
インパクトドライバー ・穴あけや切り口のやすり掛けに便利
・なければ細いキリでも代用可能
金切りばさみ
ディスクグラインダー
・金属の切り出しに使用
・ディスクグラインダーは真っすぐにきれいな切り出しができるが危険な工具
プライヤー
ペンチ
・金属の折り曲げに使用
・金属のバリなども取るのに便利
マスキングテープ
鉛筆
メジャー
・加工前の下書きに必要
・マスキングテープは直線の下書きに便利

作り方③二次燃焼構造の設計

二次燃焼構造を作るため、サイズの異なる2つの円筒を使います。外側には下のほうに、内側には上側と底に空気の通る穴をあけると二次燃焼構造ができます。穴の形は自由ですが、サイズは既製品の大きさを参考にしましょう。

作り方④マスキング

Photo byds_30

マスキングテープは、下書きをするのに必要です。金属の切り出すときにできあがりがイメージしやすくなります。切り出しなど間違えないようしっかりイメージを沸かせ、下書きをしましょう。

外側の円筒

出典:筆者撮影

  1. なるべく底のほうに底面と平行なマスキングテープを1周巻く
  2. 先に巻いたテープと平行で1cm離れのテープを1周巻く
  3. 2つのテープの間を四角に一定間隔でテープを貼る
  4. マスキングテープ沿いに開口したいところに鉛筆で下書きする

四角形を使用したのはより空気を取り込めるよう、開口を大きくしたかったからです。もちろん丸形でも構いません。

外側の円筒の蓋

出典:筆者撮影

  1. 蓋の上に内側の円筒をセンター同士があうように置く
  2. 円筒の外側を鉛筆で1周、下書きをする
上蓋は後に内側の円筒と組合わせて使うため、円筒と上蓋の中心をあわせて下書きします。

内側の円筒

 

  1. 内側の円筒の上側に穴あけ工具と同じ幅でテープを1周巻く
  2. 開口したいところに鉛筆で下書きする

内側の開口は適当でも問題ありません。二次燃焼が起こる際、開口から細くきれいな火が起こります。また上端部分にはあとで5mm程度の切れ込みを入れるため、テープは上端ギリギリにまくのではなく、端から少し離してまきましょう。

作り方⑤金属の切り出し

外側の円筒

出典:筆者撮影

  1. 墨を出したところより少しだけ内側に4点穴をあける
  2. あけた穴から金切りばさみを入れ、辺が長いほうに切る
  3. 入れた切れ込みの真ん中らへんを切る
  4. 短い辺を切る
  5. 切り口をやすり掛けする
金属の切り出しは難しいため、工程は多くなってしまいました。しかし、面倒でも手順を守れば、失敗や二度手間を避けられますよ。

外側の円筒の蓋

  1. 墨を出したところより少し内側にはさみを入れる穴をあける
  2. 穴から金切りはさみを入れ墨沿いに切り出す
切り出したフタは輪っかのような形状になります。切り出した後に内側の円筒を入れてみましょう。しっかりと入れば問題ありません。

内側の円筒

出典:筆者撮影

  1. 上端から縦に5mm程度の切込みを細かい間隔で入れる
  2. 底のほうにあなを適当に開ける
  3. 側面の墨を出したところに穴を空ける
底のほうの穴は燃料を置く場所になるため、空気が通りやすく燃料が落ちないような穴を入れていきましょう。

作り方⑥組立て

出典:筆者撮影

  1. 加工した蓋を内側の円筒に下から入れる
  2. これを外側の円筒に入れる
これで完成です。切り出しなどを行えば現地で組み立てせずに使えます。自分なりにアレンジして、オリジナルの小型ウッドストーブを作ってみましょう。

大型ウッドストーブの自作方法

ここでは墨や薪といったメジャーな燃料も使える、焚火メインとした大きさを持ったウッドストーブを大型と考えます。材料が多くなり、下書きや切り出しなどの手順も増えるため作るのは大変ですが、自分の思うようにカスタマイズできますよ。五徳などのほしい装備もアップデートできるため、張り切って作ってみましょう。

おすすめは折り畳み式!

複数人でキャンプに行くなら、囲めるような大型のウッドストーブがおすすめです。コンパクトにでき、持ち運ぶのにスペースを圧迫しない折りたたみ式がよいでしょう。折りたたみ式ウッドストーブも、100均またはホームセンターの安価な材料だけでも作れます。

作り方①材料の準備

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箱型のウッドストーブは底面が三角形のものから六角形、柱型や推型のものまでさまざまです。今回はシンプルに底面が四角形の柱型を作っていきます。

四角形のウッドストーブの材料

  • ステンレストレイ(31.9×25cm):8枚...①
  • ステンレストレイ(36.6×25cm):1枚...②
  • 蝶番:1個
  • ボルト、ナット:4セット

作り方①外側の箱の切り出し

出典:筆者作図

  1. 寸法通り、ステンレストレイに墨を書き出して切り出しをする
  2. 小型のウッドストーブ同様、下側に開口を空ける
  3. 100mmずつ飛び出ている鍔に丁度半分まで切り込みを入れる
  4. 4枚同じものを切り出す

寸法はステンレストレイを展開せずに書き出します。蝶番を下側に1カ所取り付けるため、下側の開口は蝶番の取り付けスペース用に間隔をあけましょう。

作り方②内側の箱の切り出し

出典:筆者作図

  1. 寸法通り、ステンレストレイに墨を書き出して切り出しをする
  2. 上側と底板に穴をあける
  3. 底板を支えるための折り返しに切り込みを入れる
  4. 4枚同じものを切り出す(底板は1枚)

内側の箱には独自の折り返しが必要なため、折り曲げるときは真っすぐな板などを当てながら曲げるとやりやすいですね。

作り方③五徳付きの設計

出典:筆者作図

五徳とはやかんなどを引っかけ落ちないようにするための支持金具で、ある程度のフライパンややかんなどを使えるため便利です。底面を切り出したときの残りの材料で作れます。

五徳の作り方

  1. 返しを対角線以上の長さになるよう2枚切り出す
  2. 丸みを帯びているところは設置の邪魔になるため切る
  3. 切り出した返しの幅の半分まで切れ込みを2枚とも入れる(長さの丁度半分の位置)

作り方④組立て

出典:筆者作図

 

  1. 外側の箱を組み立て底板を蝶番で止める
  2. 内側の箱を組み立て外側の箱に上から入れる
  3. 五徳を組み立て対角線を作るように箱の上から引っかける
これで完成です。

折りたたむときはコンパクトに

大型のウッドストーブでも折りたたみ式であれば車の座席の下やクーラーボックスの中に収まります。しかし強い衝撃など与えると変形する可能性があり、収納場所の周囲を傷つけることもあるため、ハードケースなどを用意するとよいでしょう。

自作ウッドストーブを実際に使う

出典:筆者撮影

実際に作った小型のウッドストーブで実践です。材料は天然産の木の枝で火をトーチランプでつけてみました。火柱がウッドストーブより長く立ち上がるときもありますね。内側の箱のみで火を焚いているときより、明らかに火力が上がっていることから二次燃焼が起こっています。この火力なら湯を沸かしたり、調理したりなどもできそうです。

焚き火ができる場所

近年は芝生や地面への影響や一部のキャンパーのマナー違反から、キャンプ場でも焚き火や地面への直火を禁止している場所が多いです。ウッドストーブを使う際にはキャンプ場の情報を調べて、マナーを守って利用しましょう。

自作ウッドストーブでキャンプに行こう!

フリー写真素材ぱくたそ

今回作ったウッドストーブは、自分なりにほしい機能と作りやすさのバランスを考えたものです。「こういうものを付けたら安定するのでは?」「もっと火力は上がるはず」などといった、自分がほしい機能やBBQなどの用途も視野に入れれば、まだまだ進化できます。アイデアを盛り込んだオリジナルのウッドストーブを作ってみてはいかがでしょうか。

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京堂 智也
ライター

京堂 智也

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