5/8チップとは?懐かしのお菓子の概要と販売終了の背景をご紹介!

5/8チップとは?懐かしのお菓子の概要と販売終了の背景をご紹介!

アラフォー世代なら知っている人が多い5/8チップ。いつの間にかお店から姿を消していた、今や幻のお菓子です。この5/8チップはどんなお菓子か、なぜお店から姿を消してしまったのかその謎に迫ります。若い世代の人には新鮮に感じるこのネーミングにも注目です。

記事の目次

  1. 1.5/8チップとは?
  2. 2.5/8チップの歴史
  3. 3.5/8チップが販売終了になった理由とは?
  4. 4.5/8チップのほかに販売されたエスビー商品
  5. 5.まとめ

5/8チップとは?

5/8チップ(はちぶんのごちっぷ)は、1979年から2000年頃までに発売されていたポテトチップスの商品名です。エスビー食品が製造販売していたお菓子で、外装箱に大きく描かれた「5/8」の分数が大胆かつ新鮮に映ったヒット商品です。

5/8チップはどんな商品だったのか

外装箱の中にアルミ製の袋が入っており、その中にチップス本体が入っていました。ジャガイモをスライスして油で揚げたものではなく、成形タイプのポテトチップスです。味は軽い塩味です。1980年代の商品は、黒を主体とした外装パッケージに赤の塗りつぶし枠の中に「5/8」と大きく書かれた文字は人目を惹くデザインでした。このインパクトがあるパッケージには、チップスがイメージイラストとして描かれていました。

5/8チップの名前の由来

5/8チップは、私たちが知っているプリングルスやチップスターより小さいサイズのポテトチップスでした。ここで気づく人もいるかもしれませんが、一般的なサイズの「5/8の大きさ」であることが、この商品の名前の由来です。このポテトチップスが発売された昭和50年代は松田聖子さんなどが一世を風靡したアイドルブーム真っ只中。「口を大きく開けずに食べたい」という人の気持ちが反映されていたのだとか。

5/8チップは黄金比?

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黄金比とは、造形を美しく見せるテクニックとして取り入れられている比率です。数式などは省きますが、「1:1.618」は、人間が無条件に美しいと思える比率なのだそうです。これを正数にすると「5:8」、アメリカンサイズのポテトチップスとの対比と同じです。ただし、黄金比の概念が「5/8チップ」に取り込まれたかどうかは定かではありません。

5/8チップの歴史

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エスビー食品は1977年に5/8チップの前身となる「スナックチップ」を販売し、スナック事業に参入しました。エスビー食品は、ゴールデンカレーのヒットや、テーブルコショー、チューブ入り生わさびといった、今でも販売されている調味料・スパイスのパイオニアとして第一線を行く企業でした。アイドルブームとともにお菓子のCMがどんどん増えたこの時代。エスビー食品も波に乗ったといえます。

5/8チップの発売

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5/8チップの発売は、スナックチップ発売から2年後の1979年(昭和54年)になります。エスビー食品の社史によると、スナックチップは円筒形のパッケージで、1976年発売のチップスターに似た体裁でした。円筒形から直方体へ5/8チップの外装箱への変化は革新的だったと思われます。また、スナックチップの外装を継承した黒色は、チップスターの赤筒との差別化を図ったものですね。

5/8チップが販売終了になった理由とは?

5/8チップは2003年に販売終了となりました。25年近くのロングセラー商品がなぜ販売終了になったのか、その理由は「事業撤退」です。平成不況も乗り越えたお菓子でしたが、2000年代にはいるとスナック菓子も多様化してきましたし、2000年~2003年にエスビー食品自体が企業としての方向転換を行っています。こういった会社側の理由もうなづけますね。

5/8チップの晩年

5/8チップは「あっさり塩味」がレギュラーフレーバーとして販売されていました。少しでも目を引く商品であるためなのか、シソ味やマヨネーズサラダ味といった変わり種フレーバーも販売されていたようです。また、1900年代には5/8チップよりもサイズが小さい「3/8チップ」なる商品も投入されていたのだとか。企業もロングセラーにあやかって起死回生を図っていたかも?といった事情が垣間見えます。

5/8チップのほかに販売されたエスビー商品

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①佐藤くんと鈴木くんシリーズ

1980年代は明治「カール」に代表されるようなコーンパフ系のスナックも主流でした。エスビー食品のスナック菓子にも「佐藤くん」と「鈴木くん」という苗字シリーズのコーンパフスナックがありました。佐藤くんは塩味、鈴木くんはチーズ味といったエスビーならではのフレーバー。小学生をモチーフにした選挙ポスター風のイラストパッケージで、当時の子供にとって親近感を覚えるお菓子でした。

②カレーの王子様シリーズ

こちらはお菓子ではありませんが、令和に入った今でも販売されている幼児向けカレー「カレーの王子さま」は1983年の発売です。このころ「激辛ブーム」の到来により辛いカレーが注目されるようになりました。このカレールーの登場にとって子どもと大人のカレーを分けて作れると瞬く間にヒット商品に。このようにして振り返ると、エスビー食品は子ども向けの商品開発も活発だったようですね。

まとめ

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エスビー食品がかつて販売していた5/8チップについて振り返るとともに、販売終了の理由についてまとめました。今では幻と化してしまった「小ぶりのポテトチップス」も復刻があるとうれしいですね。エスビー食品は「ボンヌママン」シリーズの輸入元として再びお菓子の分野に参入しています。もしかしたら、スパイスを効かせた新たなお菓子が発売されるかもしれませんね。

たがめかめの
ライター

たがめかめの

40代主婦、手作り作家としても活動しているwebライターです。料理・ハンドメイド/DIY・楽器演奏など趣味だけは増えていきます。

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