かんたんに曲げ木をする方法
方法①ホイルとタオルを巻く
水に濡らしたタオルを巻く
では実際に曲げ木の方法を見ていきましょう。今回は棒状の材木を曲げていきます。用意する棒状の木材によってタオルの適切な大きさは変わるのですが、あまりタオルを巻きすぎると「材木に熱が伝わらない」ことが起こりえますので注意してください。
まず曲げる木材と薄い生地のタオルを用意し、水を満たした大きめバケツの水をたっぷり吸わせます。このとき木材とタオルを水によく濡らせましょう。タオルはあまり絞らずに今回曲げるべき材木のポイントに巻いてくのですが、タオルは水分を多く含くませることを意識してください。のちにアイロンで熱処理を行う段階でうまく曲げ木できるようになります。
アルミホイルを巻く
十分水に浸したらタオルが巻かれた材木の上にぐるっと包み込むようにアルミホイルを巻いてください。アルミホイルを巻いていく分量は材木を2周半するほどがのぞましいでしょう。
方法②アイロンで熱処理
アイロンを使う
アルミフォイルが巻き終わりましたらアイロンを曲げたいポイントに当ていくのですが、アイロンを当てるべきポイントは「どのくらい木材を曲げたいか」が大切になってきます。ゆるいカーブでしたら少ない箇所を熱するだけでよいでしょう。
アイロンで熱処理する時間
熱処理をする時間ですが、だいたい材木の厚さが10mmなら10分ほどです。材木を回転させることで材料のすべての表面をアイロンで熱してください。材木に十分な水分が足らないと方法③の工程でうまく加工できないことがありますので、水分が足りないときは材木の先端からに水を流し込みましょう。
方法③当て木を使って加工する
当て木に固定する
アイロンによる熱処理が終わりましたら、木材用クランプを用いて当て木にそって曲げる材木をしっかり固定しましょう。固定し終わったらいよいよ材木を曲げていきますが、材木がうまく曲がらないようなら熱処理がうまく行っていない可能性があるので、再度熱処理してください。
木材をきれいに曲げる方法
曲げ木する材木の両端をしっかり持ち、木材用クランプで固定したポイントを支点にしながら材木をしならせていきます。このときに必要なのが円形の当て木なのです。その理由としては、円形状の当て木は力が均等に伝わり結果として、完成品のカーブがきれいに仕上がります。
曲げ木で家具作りにチャレンジ
いままで棒状の木材を曲げ木する方法を紹介してきましたが、家具作りですと「別の形状の材木」も曲げる方法が必要になってきます。家具作成にはさまざまな曲げ木技術、材料を選択する必要があるので紹介しましょう。
必要になるDIY工具
基本的に家具は複数の木材を組み合わせて制作していくため、木材表面を整えるディスクグラインダーをはじめ、釘打ち機、ハンドドリルといったDIY機器が必要になるでしょう。そのため制作する環境によって状況も変わってしまい、なおかつ曲げ木技術を含めた材木に関する技術も必要になりますので「初めての曲げ木で大きい家具をつくる」ことはおすすめしません。
板状の材木を曲げ木
ベニヤ板を曲げるケース
板状の材木の曲げ木をするケースでは手頃に手に入るベニヤ板で曲げ木を行う傾向が高いため、今回はベニヤ板の曲げ木の方法を紹介します。先ほどご紹介したアイロンを用いた曲げ木方法ですが、結論から言えばベニヤ板にも応用できるでしょう。
ベニヤ板の種類
しかし、ベニヤ板を曲げ木加工したい場合は「自在ベニヤ(曲げベニヤとも)」を使用したほうがよいでしょう。通常のベニヤ板はアイロンで曲げ木するときに失敗すると板が剥がれてしまったり、無理に曲げて破損してしまったりといったトラブルが起こる可能性があるからです。
椅子などの家具を作ろう
基本的な曲げ木と材木の特性に慣れてきたら椅子をつくってみましょう。椅子の背もたれをアイロンを用いた技術で曲げて、おおまかな骨組みを作り自在ベニヤ板などを製作時に組み合わせてみることが大切です。椅子のクッション部分中敷きの基礎を丈夫な材木で作り、細かいポイントをベニヤ板で補強するといったことも可能です。
まとめ
曲げ木について解説していきましたがお役に立てれば幸いです。実際に曲げ木をしてみることで「曲げ木は難しいもの」という先入観の解消にもつながります。曲げ木技術は習得することでDIY作業で行えることが広がり、曲げ木を通して体験する独自の経験は「木材をうまく扱える知識」を増やすと同時に「自分で制作できる」という創作の喜びも満たせるのです。ぜひ曲げ木してみてください。
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