ワトコオイルの塗り方!重ね塗り・乾燥・仕上げなど上手なやり方を解説!

ワトコオイルの塗り方!重ね塗り・乾燥・仕上げなど上手なやり方を解説!

DIY初心者でも簡単にできるワトコオイルの塗り方をご紹介します。ワトコオイルは木材の本来の美しさを引き立てつつ、耐久性を高めてくれる塗料です。塗り方も決して難しいものではなく、ちょっとしたコツを抑えれば誰でもきれいに仕上げられますよ。

記事の目次

  1. 1.ワトコオイルとは
  2. 2.ワトコオイルの特徴
  3. 3.ワトコオイルの塗り方の手順
  4. 4.ワトコオイルを塗る際の注意点
  5. 5.ワトコオイルの仕上げの実例
  6. 6.まとめ

ワトコオイルとは

ワトコオイルは植物性油をベースとした塗料で、木製製品の仕上げに使われています。イギリスで誕生し、ヨーロッパEEC規定に基づく厳しい基準をクリアした上で販売されているので人体への影響も少ないです。ワトコオイルの中にもたくさんの種類があります。例えば屋内用や屋外用、透明のものや色付きのものなどです。

ワトコオイルの特徴

特徴①オイルフィニッシュで木材の味を活かせる

ワトコオイルの大きな特徴は、木材の呼吸を妨げないオイルフィニッシュであることです。これにより木材の変形や割れを防ぐ効果があります。また、木材が持つ独自の風合いや木目などを生かしたまま仕上げられるのも魅力です。自宅のテーブル・床のDIYや劣化防止などに最適だといえます。

オイルフィニッシュとは、木目を残したまま薄く仕上げる塗り方です。表面に塗膜を形成せずに木材の内部にオイルを浸透させることで、ナチュラルに美しく仕上がります。床やテーブルなどの家具はもちろん、ギターやベースといった楽器にも採用されているフィニッシュです。

オイルフィニッシュは手触りもいい

オイルフィニッシュで仕上げると、しっとりとした柔らかな質感になります。手触りが優しく、木肌がもつ本来の美しさを最大限に引き出すことが可能です。薄く塗るのが基本なので、ほかの塗り方よりも少々傷がつきやすいというデメリットはありますが、その都度塗装することで簡単にメンテナンスができます。

特徴②初心者でも塗りやすい

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ワトコオイルは浸透性塗料なので、初心者でもムラを出すことなく簡単に塗れます。基本的に重ね塗りをすることで色合いを調整していくのですが、複数の色付きワトコオイルを使用してオリジナルの色合いを表現するという使い方も可能です。そのため初心者でもそうでなくても、木材の色の変化を堪能しながら楽しく作業できるでしょう。

特徴③カラーバリエーションが豊富

ワトコオイルはチェリーやナチュラルなど全部で8色あります。どの木材に塗るかによっても雰囲気が変わるので、色選びにもこだわってみましょう。例えばチェリーは赤みを帯びたブラウン色なのですが、木目の色との差がクッキリ現れるという特徴があります。そのため、アンティーク家具などと相性がいいです。

複数のワトコオイルを混ぜてオリジナルの塗料も作れる

上級者向けの使い方ではありますが、色が異なるワトコオイルを混ぜて、オリジナルの塗料を作ることも可能です。そのため、実際は無限のカラーバリエーションがあるのです。微妙な色合いの違いで仕上げの雰囲気は大きく変わるので、気になる方は試してみてください。オリジナルの塗料を作るときは、しっかりと容器を振って油分と沈殿している成分が混ざるようにしましょう。

ワトコオイルの塗り方の手順

必要なもの

ワトコオイルを塗る前に必要なものを揃えましょう。基本的にはサンドペーパー(普通用と耐水用の2種類)・ハケ・清潔な布の3つだけで大丈夫です。サンドペーパーは主に240番以上を使いますが、すりキズや深いキズが目立つ場合は100番程度のものを選びます。あらかじめワトコオイルを塗るテーブルや床などの表面を見て、キズの大小を確認しておきましょう。

サンドペーパーはハンドサンダーが使いやすい

サンドペーパーにはハンドサンダーと電動サンダーがあります。前者はその名の通り手作業で研磨を行い、後者は電動器具を使い研磨作業の時間を短縮できます。どちらでも構いませんが、初心者の方がいきなり電動サンダーを使うと仕上がりが荒くなるので、使い方が簡単なハンドサンダーがおすすめです。

ハケは油性用がおすすめ

ハケには水性用と油性用に分かれているので、ワトコオイルを塗る場合は油性用を選びましょう。ちなみに水性と油性どちらにも対応している万能ハケと呼ばれるものもあります。そちらでも構いませんが、実際は水性もしくは油性の方が得意という場合もあります。心配な方はやはり油性用を選ぶのが確実です。使い方はどれも特に変わらないので、形状はお好きな形で構いません。

塗り方の手順①サンドペーパーで磨く

まず最初にサンドペーパーで研磨していくのですが、木材に付着している汚れやホコリは掃除しておきましょう。汚れたまま研磨をすると、仕上がりが歪になってしまう可能性があるからです。汚れやホコリを除去したら、用意していたサンドペーパーで木材の表面を丁寧に磨いていきます。均等にならしていくような感覚で行いましょう。

塗り方の手順②ワトコオイルを全体的に塗る

ハケにワトコオイルを染み込ませて全体的に塗っていきます。このとき、あらかじめハケの内部にある木くずやホコリを取り除いておきましょう。そのままワトコオイルを塗ってしまうと、塗った表面に木くずやホコリが付着してしまい表面がでこぼこしてしまいます。軽くハケを揉んだり、はたいたりするだけで大丈夫です。

ワトコオイルをきれいに塗るコツ

最初から大量のワトコオイルをハケに付けずに、少しずつ重ね塗りしていくことできれいに塗れます。そのためハケにワトコオイル浸透させたら、容器の縁に軽く押し当ててワトコオイルの量を調節しましょう。もし最初から大量に塗ってしまうと、乾燥に時間がかかったり、均一に塗り広げるのが難しくなったりするので注意が必要です。

塗り方の手順③ワトコオイルを乾燥させる

ワトコオイルをまんべんなく塗り終わったら、しばらく放置して乾燥させます。放置する時間は大体15〜30分程度で大丈夫です。塗ったワトコオイルは全てが木材に浸透するわけではないので、乾燥後に清潔な布で表面に余ったワトコオイルを拭き取ります。拭き取り終わったら、さらに1時間ほど乾燥させましょう。ここでしっかりと拭き取っておかないと、乾燥時間が長くなってしまうので気をつけてください。

塗り方の手順④ワトコオイルを重ね塗りする

ワトコオイルは重ね塗りすることで風合いが増し、より美しく仕上がります。2回目は、1回目の2〜3割の量を薄く伸ばすように塗っていきましょう。ペンキだと既に組み上がった家具に重ね塗りすることは非常に難しいのですが、ワトコオイルは垂れにくいので完成後の家具でも簡単に重ね塗りできます。もし垂れてしまう場合は、ハケにつける量が多すぎる可能性があるので調節しましょう。

塗り方の手順⑤耐水サンドペーパーで研磨する

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ワトコオイルの重ね塗りが終わったら、乾燥させずにそのまま耐水サンドーパーパーで研磨しましょう。これをウェット研磨といい、乾燥した状態での研磨よりも簡単にできます。サンドペーパーは普通用も耐水用も見た目が似ているので間違えないようにしましょう。耐水サンドペーパーは水に濡れても破けないので、恐れずに研磨して大丈夫です。

ウェット研磨が必要な理由

ウェット研磨をする目的は、表面を滑らかにするためです。重ね塗りした直後の木材の表面は、オイルの浸透により木の粉などで毛羽立っています。ここにヤスリがけをすると、木の粉とオイルが混ざり表面の溝を埋めることで滑らかになるのです。それにより質感がしっとりとしてツヤもでるなど、ワンランク上の仕上がりになります。

塗り方の手順⑥木材の表面を拭き取り乾燥させたら完成

出典: https://www.hoxan.co.jp/watco/customer/howto/01/

表面に残ったワトコオイルをしっかりと拭き取ります。ここでの拭き取りが甘いと、浸透したワトコオイルが内部から吹き出てくることがあるので丁寧に拭き取りましょう。それが終わったら、24時間乾燥させて完成です。味わい深く仕上がるので楽しみに待ちましょう。

ワトコオイルを塗る際の注意点

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ワトコオイルは使い方を間違えると危険なので、小さな子どもにはなるべく触れさせないようにしてください。また、ワトコオイルの匂いはきついので室内で作業する場合はしっかりと換気しましょう。できれば屋外で作業するのが理想的です。ちょっとした拍子に液体が飛び散りやすいので持ち運びは慎重に行いましょう。

オイルを含んだものは自然発火に注意する

拭き取りに使用した布は、そのまま捨てると自然発火の恐れがあります。非常に危険なので、水に浸してから捨てるようにしてください。もし付近に安全な焼却設備がある場合は、そちらで焼却処分しても構いません。また、オイルを含んだハケも同様に安全な形で処分するか、溶剤で洗うようにしましょう。

ワトコオイルの仕上げの実例

実例①テレビ台の木目を活かしシックな雰囲気に

こちらはテレビ台をワトコオイルで仕上げた例です。元々の木目が非常にきれいなので、木目本来の味を活かせるワトコオイルは相性抜群。理想的な使い方の1つと言えるでしょう。ワトコオイルで重ね塗りするだけで簡単にシックな印象になり、インテリアとしても映えます。

実例②天然木のドアに重厚感をプラス

天然木を使用したドアにワトコオイル塗ることで、より重厚感がプラスされています。このように家具の雰囲気を変えるような使い方も可能です。慣れてくると、どの色のワトコオイルを塗ればどのような雰囲気になるのかがわかってきます。そのような楽しみ方ができるのもワトコオイルの魅力のひとつです。

実例③自宅の天井を柔らかい風合いに

こちらは天井をワトコオイルで仕上げた例です。塗った当初と数日後では、天井の雰囲気が変化していることに気づきます。塗り終わったあとにしばらく時間を置くことで、オイルが浸透してこのように色合いが変化します。天井のDIYは時間がかかり大変な作業ですが、部屋の雰囲気が一気に変わるのでおすすめです。

まとめ

ワトコオイルの塗り方は想像以上に簡単だったのではないでしょうか。床やテーブルなどの補修に最適なオイルフィニッシュで、DIY初心者でも簡単に木材のよさを引き立てられます。塗装方法は好みが分かれますが、木材の温かみが感じられるフィニッシュにしたい方、ナチュラルな出来栄えを重視する方におすすめです。この記事で解説した手順や使い方をマスターして、ぜひ塗装を楽しんでみてください。

宇佐はるき
ライター

宇佐はるき

圧倒的インドア派。自宅をどれだけ最高の空間にするかにこだわっています。

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