日焼けを防ぐ日焼け止めの基礎知識
紫外線ダメージから肌を守る日焼け対策で最も代表的なのは「日焼け止め」です。日焼け止めにはクリーム状やジェル状、乳液や化粧下地などさまざまなタイプのものがあります。これらは使用シーンにあわせて使い分けるとよいでしょう。
選び方がわからない場合は4つの表記に注目
肌の状態や使用状況により「肌へのやさしさ」や「防御力」など重視すべきポイントはそれぞれ異なります。ドラッグストアにはたくさんの日焼け止めが並んでいますが、選び方に迷ったらこちらの4つの表記に注目しましょう。
- SPF…紫外線β波(UVB)を防御する時間
- PA…紫外線α波(UVA)への防御力
- 紫外線吸収剤…紫外線を吸収して肌を守る
- 紫外線散乱剤…紫外線を反射・散乱して肌を守る
①SPFとは?
夏の日焼け止めクリームに大きく書かれている「SPF30」や「SPF50」という表記の読み方はわかりますでしょうか?数字がポイントですが、これは薬剤の防御力を示すものではありません。
20分×SPF値=UVBを遮れる効果時間
SPF値は「どのくらいの時間UVBを遮れるか」という効果時間を表します。効果時間の計算方法は、20分を1単位としてSPF値と掛け算すれば算出できます。例えばSPF30であれば「20分×30=600分=10時間」になります。
日常生活ならSPF10~20程度でOK
SPF値の大きなものはその分、肌への負担も大きくなります。ビーチやプールに行く場合は「SPF50」など強力なもの、日常的にメイク下地などに使う場合は「SPF15」など負担の軽いものにするなど使い分けるとよいでしょう。
②PAとは?
肌を黒くしてしまうUVAへの防御力をしめすのが、PA値です。「+」「++」「+++」「++++」の4段階あり、プラス(+)の数が多い方が高い防御力を持ちます。UVAは長波で、曇りの日でも地上に届きやすいので注意が必要です。
主に室内にいる日常生活なら「PA+」がおすすめ
PAの選び方ですが「+」の数が多いものは防御力が高い反面、どうしても肌への負担が強くなります。日常生活用、屋外スポーツ用、真夏のビーチ用など、シーンに合わせて複数の日焼け止めを使い分けるとよいでしょう。あくまで目安ですが、真夏以外の日常生活であれば「PA+」でもよいでしょう。
③どのテクスチャがよいの?
日焼け止めには「乳液」や「ジェル」など複数のテクスチャタイプがあります。基本的には好みのテクスチャのものを選べばOKですが、それぞれ伸び感や肌なじみが異なります。
テクスチャの選び方は用途と落としやすさ
用途ごとのテクスチャの選び方ですが、日常用であれば化粧下地タイプかジェルタイプがおすすめです。油分が少なめのジェルタイプは塗りやすいですが、汗などで流れやすいデメリットがあります。また、スポーツなど屋外活動中の日焼け止めが主な用途であれば汗や水濡れに強いウォータープルーフタイプの乳液やクリームタイプにも注目しましょう。余計な肌負担をかけないためにも、石鹸などで簡単に落ちるものを選びましょう。
④紫外線吸収剤と散乱剤の違いは?
日焼け止めには大きく2タイプ紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があり、紫外線からの守り方が異なるため、それぞれに特徴があります。
タイプ | 紫外線からの守り方 | デメリット |
紫外線吸収剤 | 浴びた紫外線を「熱」として放出する →皮膚に紫外線を浸透させない |
肌負担が比較的大きい |
紫外線散乱剤 | 散乱剤が紫外線を乱反射させる →物理的に紫外線を届かせない |
肌負担が比較的軽い 白浮きしやすい |
吸収剤と散乱剤は一長一短
日焼け止めの使用感や肌への負担、白浮き具合など、テクノロジーは日々進化しているので上記はあくまで目安です。どちらも紫外線ダメージから肌を守るという役割は同じで、どちらか一方が絶対に優れているというわけではありません。違いを参考に、肌の状態や用途にあわせて選びましょう。
⑤塗り直しはなぜ必要?
基本的には、日焼け止めは2~3時間おきに塗りなおしたほうがよいとされています。塗り直しが必要な理由は何なのでしょうか?いくつかの理由をピックアップしました。
- 理由1)汗で日焼け止めが流れ落ちてしまうから。
- 理由2)摩擦で日焼け止めが剥がれ落ちてしまうから。
- 理由3)紫外線吸収剤には吸収できる紫外線の上限があるから。
SPF値の高いものは肌への負担も大きいので注意しましょう。