【切削・研磨】油砥石(オイルストーン)とは
日本で、砥石というと水を使って研ぐ水砥石のイメージが強いですが、海外ではホーニングオイルという油を染み込ませてつかう「油砥石」がメジャーです。油砥石は包丁などの他、水が使えない機械の部品や錆びつかせたくないものに使われることが多いです。ここでは、油砥石の特徴やその使用用途、おすすめの油砥石をみていきます。
【油砥石の特徴】①吸油性と不吸油性
油砥石にも、水砥石を水に浸すように油を染み込ませる必要があるものと、あらかじめ石に油が含まれており、油を使わずに砥げるものがあります。油砥石に使う油はホーニングオイルと呼ばれています。粘度の低いサラサラな油が使いやすく、灯油やミシン油、椿油などで代用もできますが、専用のホーニングオイルであれば、さらになめらかに砥げますよ。
【油砥石の特徴】②天然砥石と人造砥石
油砥石にも、天然の砥石と人造砥石があります。天然砥石はアルカンサス砥石が有名で、石英というガラスより硬い砥粒が含まれています。こちらも近年採掘量が激減し、非常に高価です。人造砥石は、主に砥粒にアルミナ(酸化アルミニウム)を使っていて、比較的安価で手に入りやすいです。石に油を含ませていてオイルを使わないインディア砥石も人造砥石です。
【油砥石の特徴】③素材の硬さと砥石の硬さ
油砥石は硬い
油砥石は水砥石に比べて硬い砥石です。そのため、和包丁など比較的やわらかい素材のものを砥ぐと、素材がすり減ってしまい、寿命が短くなってしまいます。同じ刃物でも、洋包丁はサバイバルナイフなどは素材が硬いため、油砥石でも大丈夫です。油砥石は長方形のものだけでなく、丸や三角形のステックタイプなどもあります。折れやすいものもあるので注意しましょう。
【油砥石の特徴】④粒度と番手
油砥石にも水砥石と同じように粒度や番手があります。しかし、水砥石と油砥石ではその粒度や番手には微妙な違いがあります。水砥石では荒砥や中砥といいますが、油砥石では荒目、中目、細目といいます。企業間や職人の間でも使う番手が違い、また砥ぐものやその材質によっても必要な番手は変わってきますが、大体の目安は以下のとおりです。
油砥石の番手と用途 | ||
粗目 | #80前後 | 木材の面加工など |
中目 | #180前後 | 鉄などのバリ取り、荒仕上げ |
細目 | #300前後 | 鉄などのバリ取り、仕上げ |
極細目 | #400前後 | ベッド研磨、工具のサビ取り、仕上げ |
【油砥石の特徴】⑤油砥石の用途
油砥石の用途は主に、洋包丁やサバイバルナイフなど洋刃や、工具や時計、金型などの研磨、バイクや車の整備などに使われます。スティック状のもので細かいところも砥いだり、グラインダーの先につけて精密機器の研磨をしたりするものもあります。水が使えない機械内部や、水を使うと錆びやすいものに使われることが多いです。
油砥石のおすすめ商品4選
おすすめ油砥石①大和製砥所「チェリーオイルストーン」シリーズ
■チェリー 油砥石 角 A中目 M8 (株)大和製砥所【1214039:0】
参考価格: 3,520円
チェリーストーンシリーズは、アルミナ砥粒を使用した人造砥石です。家庭用よりも広めの砥石なのでしっかり砥げますよ。チェリーストーンシリーズはこの商品以外にも荒目や細目、極細目があり、大きさも4種類あります。小さめの砥石なら小回りを利かせた使い方ができますよ。
品番 | M8 |
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サイズ | 205×50×25mm |
重さ | 650g |
粒度 | #180(中目) |
吸油性 | 吸油 |
おすすめ油砥石②ノートン「MB-6」
ノートン社製 インディア油砥石 6インチ MB(中目)
参考価格: 3,850円
こちらの油砥石はインディア砥石のため、あらかじめ油が含まれています。そのため、ホーニングオイルを含ませる必要がありません。サイズは少し小さめですが、オイルを含ませる手間と費用を考えるとしっかりもとは取れますよ。
品番 | MB-6 |
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サイズ | 150×50×25mm |
重さ | 515g |
粒度 | #180(中目) |
吸油性 | 非吸油 |
おすすめ油砥石③ESCO「4個組油砥石セット」
エスコ 4個組 油砥石セット(品番:EA522G)
参考価格: 5,637円
便利なミニ砥石のセットです。粗目から中目、細目、極細目とこれひとつで仕上げ砥ぎまででき、DIYでは重宝します。サイズがコンパクトなので、置いて砥ぐのではなく、ホーニング砥石のように砥石を動かしながら使うと便利ですよ。ケースも付いているのでなくしてしまうこともありません。
品番 | EA522G |
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サイズ | 25×13×100mm |
重さ | 77g×4 |
粒度 | #150(茶:粗目)、#320(薄茶:中目)、#600(橙:細目)、#1000(ベージュ:極細) |
吸油性 | 吸油 |
おすすめ油砥石④藤原産業「SK-11オイルストーンスティック」シリーズ
【ポイント5倍】SK11(エスケー11) オイルストーン スティック 先細型
参考価格: 2,117円
こちらは、スティック型の砥石です。藤原産業では、四角、三角、円、半円、そしてこの先細型の5種類の砥石があります。彫刻刀や金属パイプの内側のバリ取りなど、特殊な形のものを研ぐときや手の届きづらいところの作業にうってつけです。
品番 | 110730 |
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サイズ | 100×10×10mm |
重さ | 20g |
粒度 | #320(中目) |
吸油性 | 吸油 |
油砥石比較一覧表
商品 | ||||
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商品名 | ■チェリー 油砥石 角 A中目 M8 (株)大和製砥所【1214039:0】 | ノートン社製 インディア油砥石 6インチ MB(中目) | エスコ 4個組 油砥石セット(品番:EA522G) | 【ポイント5倍】SK11(エスケー11) オイルストーン スティック 先細型 |
価格 | 3,520円 | 3,850円 | 5,637円 | 2,117円 |
品番 | M8 | MB-6 | EA522G | 110730 |
サイズ | 205×50×25mm | 150×50×25mm | 25×13×100mm | 100×10×10mm |
重さ | 650g | 515g | 77g×4 | 20g |
粒度 | #180(中目) | #180(中目) | #150(茶:粗目)、#320(薄茶:中目)、#600(橙:細目)、#1000(ベージュ:極細) | #320(中目) |
吸油性 | 吸油 | 非吸油 | 吸油 | 吸油 |
商品リンク |
油砥石におすすめのホーニングオイルとお手入れ方法
おすすめホーニングオイル
油砥石で研磨するときは、研磨時に潤滑剤としてホーニングオイルを使います。砥石の目詰まりを抑えられるほか、砥石の平面を整える際にも活躍しますよ。
①LANSKY(ランスキー)「ネイサンズホーニングオイル」
LANSKY ネイサンズ ホーニングオイル [ 120ml ] ランスキーシャープナー 砥石 | といし トイシ と石 油砥石 水砥石 オイルストーン ナイフシャープナー タッチアップ 簡易砥石
参考価格: 858円
LANSKYはアメリカのシャープナーメーカーです。他のホーニングオイルに比べて少し割高ですが、ホーニングオイルと言えばランスキーというくらい、非常に人気のある商品になっています。容量が多めで油砥石にたっぷり使えるのも魅力です。
品番 | LOL01 |
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容量 | 120mL |
②AZ「油砥石用オイル」
SK11 オイルストーン 油砥石 専用油 100ml
参考価格: 620円
粘性がなく、サラッとしていて非常に砥ぎやすいです。また、植物油100%のため、臭いもなく、洋包丁やナイフなどにも安心して使えます。容器の口がとがっているので注ぎやすく、たれてくることがありません。
品番 | - |
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容量 | 100mL |
商品 | ||
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商品名 | LANSKY ネイサンズ ホーニングオイル [ 120ml ] ランスキーシャープナー 砥石 | といし トイシ と石 油砥石 水砥石 オイルストーン ナイフシャープナー タッチアップ 簡易砥石 | SK11 オイルストーン 油砥石 専用油 100ml |
価格 | 858円 | 620円 |
品番 | LOL01 | - |
容量 | 120mL | 100mL |
商品リンク |
お手入れ方法
油砥石のお手入れ方法は、余分な油を布や紙で拭き取ったあと、ケースがあればケースに、なければフリーザーバックなどの袋に入れて収納します。油砥石は比較的硬いのであまり面直しは必要ありませんが、面直しをする場合は、路肩などのコンクリートや耐水ペーパー、粗目の砥石とこすり合わせることで可能です。
次のページでは、DIYでもよく使われるディスクグラインダーについてお話ししますよ。
出典:写真AC