ひな人形のしまい方
しまう時期
いつまでひな人形を飾るか、しまう時期は地域によってまちまちです。新暦の3月3日にひな祭りを行なう地域と、旧暦の4月3日に月遅れのひな祭りを行なう地域があります。どちらも、ひな祭りが終わって2週間以内が目安です。カラッと晴れた湿気の少ない日を選んでしまいましょう。
収納場所
収納場所は、押し入れの上段など温度差が少なく、直射日光が当たらない湿気がたまりにくい場所を選びましょう。紫外線や湿気などでおひなさまの劣化することを防げます。しかし、あまり上の方に収納してしまうと、ひな人形をおろすときに、ケガをしたり、ひな人形を落としたりするので注意が必要です。
しまい方①必要な道具
ひな人形を触る際には、手の皮脂や汚れでシミや変色が起きないように手袋をしましょう。また、ひな人形のホコリをはたくための人形用の羽根ばたきや、人形の細部のホコリを取る綿棒や筆が必要です。収納する際には、ひな人形の顔を覆う不織布やティッシュ、小物を入れる袋、箱の中で動かないようにする緩衝材、ひな人形を虫から守る防虫剤を用意します。
ひな人形をしまうときに必要な道具
- 手袋
- 羽根ばたき、綿棒や筆
- 不織布やティッシュなどやわらかいもの
- 緩衝材
- 防虫剤
- 小物を入れる袋
防虫剤
ひな人形用の防虫剤には、四角いタブレットタイプのものや防虫カバー、防虫シートといったものがあります。特におすすめなのが防虫カバーで、ひな人形にかぶせてとめるだけで、しっかり防虫できます。タブレットタイプは箱に入れて防虫します。親王飾りの大きさで2つ程度が適量です。
防虫剤が直接ひな人形にあたると、変色の原因になるのでひな人形に直接触れないしまい方にしましょう。
しまい方②手順
- 手袋をつけ、人形の小物を外して、筆などで手入れ後、袋に入れて箱にしまう
- 羽根ばたきや綿棒、筆で人形を手入れする
- 人形の顔にやさしく不織布やティッシュをかけるようにして、後ろでテープで止める
- 人形を袋やシートにくるみ、箱にしまい、防虫剤をいれて緩衝材で動かないように固定する
- 小道具を羽根ばたきで手入れ後、袋に入れて箱にしまう
- 嫁入り道具や駕籠などを羽根ばたきで手入れし、箱にしまい、緩衝材で動かないように固定する
- それぞれの箱をまとめて、収納場所にしまう
ひな人形の選び方
選び方①スペース
おひなさまは、飾るスペースや収納場所へのしまい方を考えて選びましょう。おひなさまには、男雛と女雛だけの「親王飾り」や三人官女や五人囃子もセットの「段飾り」があります。最近はしまう際に手間にならない「ケース飾り」や収納ケースと飾り棚が一体化している「収納飾り」など、飾るスペースやしまうスペースをとらないものもありますよ。
選び方②顔や着物
ひな人形は顔や着物で選びましょう。ひな人形の着付け方には「衣装着」と「木目込み」があります。衣装着は人形に着物を着せてつくります。おすべらかしという髪型に、切れ長な目のひな人形です。木目込みは、人形に溝を掘って生地を押し込んで着付けます。おさげ髪で、細目でふっくらしたおひなさまです。表情も一体ずつ違うので、女の子に合うものを選びましょう。
ひな人形とのお別れの仕方
女の子の幸せを願い、大切に飾られている人形ですが、女の子が大きくなって、結婚や転居などさまざまな理由からいつかはお別れをする時期がくるかもしれません。そんなとき、ひな人形とのお別れの仕方は2つあります。長年大事にしてきたひな人形をむげに扱うのは忍びないと感じる方におすすめです。
①寄付
ひな祭りのイベントのために近くの幼稚園や保育園、高齢者施設、NPO法人、自治体などでひな人形の寄付を受け付けているところもあります。特に、毎年大規模なひな祭りをしている自治体では、ホームページなどで積極的に募集をしています。整理費など初期費用は多少かかりますが、末長く大切に飾ってもらえますよ。
②人形供養
神社やお寺では、ひな人形を供養してくれるところもあります。女の子を長く守ってくれたひな人形に「ありがとう」の気持ちを込めて読経をし、お焚き上げをしてくれます。配送でも受け付けてくれるところもあるので、ひな人形が大きく運びづらいときでも大丈夫です。こちらも配送料やお焚き上げ料がかかりますが、きちんと心を込めてお見送りできますよ。
ひな人形は、持ち主の厄をうつす、いわばお守りのようなものです。女の子の厄を吸っているので売却や譲渡は好ましくありません。
ひな人形を飾ってお祝いしよう
ひな祭りはおひなさまを飾りおいしい食事を用意して、女の子の幸せと成長を願う行事です。特に、ひな人形は大変華やかで飾ると目を引きます。ライフスタイルの多様化でお祝いの仕方は家庭によってさまざまですが、お子さんがすくすく育って幸せになれるようにみんなで楽しくお祝いしてくださいね。
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ひな人形を片付けるのが遅れても婚期が遅れることはありませんが、いつまでも出しておくと紫外線やホコリなどで劣化しますので、なるべく早めにしまいましょう。