汚い部屋とは
汚い部屋とは衣料・日用品・食料・食べかすが混在している、散らかり度合いがひどい部屋のことをいいます。見た目だけでなく衛生状態がよくないため、改善させないと体調を崩しますし、放置すれば住居の劣化を引き起こすおそれもあるでしょう。
汚い部屋になる原因
生活習慣が違っても汚部屋になる人にはいくつかの共通点があります。まずは自分の生活に当てはめて、部屋が散らかる原因について考えてみましょう。
片付けが苦手
片付けが苦手な人のなかには、使ったものをどのように片付ければよいかわからない人も多いです。「とりあえず」と置いた場所がそのアイテムの収納場所になりますが、その隣には違ったジャンルのアイテムを置くため統一感がなく部屋がごちゃごちゃします。また、このタイプの人は汚れがついたまま放置するなど、ものをきれいに保つのも苦手です。
捨てるのが苦手
きれいな空き箱や紙袋はもちろん、惣菜に付いてきた割り箸なども捨てられないという人がいます。現時点で必要がなくても「もったいない」「いつか使うかもしれない」と捨てることなく残してしまうのです。はじめは袋などにまとめていても、こういった捨てられないアイテムがどんどん増えるので、行き場がなくなり、結局放置してしまいます。
ストック癖がある
備蓄のしすぎは管理が行き届かなくなることがあります。トイレットペーパーなどは収納スペースを占拠しますし、食料は使わないうちに賞味期限を越えたものもあるでしょう。備蓄するタイプも、捨てるのが苦手なタイプ同様に不要なものでも捨てられない特徴があります。
セールが好き
セールや期間限定品というキャッチコピーに弱く、本当は使わないのに買ってしまうタイプの人は汚部屋になることが多いです。衝動買いで手に入れたものは思い入れがないため、丁寧に扱おうとしません。結局使わないままクローゼットの奥に押し込まれたりゴミの一部になったりします。
汚い部屋という自覚がない
そもそも自分の部屋が散らかっているという自覚がない人もいます。物を捨てられないというより、部屋をきれいにしたり掃除をこまめにしたりするという感覚がありません。「散らかった状態のほうが落ち着く」と都合のよいように開き直り、誰かに指摘されても掃除しようという気持ちになりません。
片付ける時間がない
仕事・育児・介護などに時間を取られて、散らかった部屋が気になっても掃除や片付けに時間を割く暇がないという人もいます。例えば兄妹が多い大家族や乳飲み子、高齢者を抱えた家庭は片付けに手が回らないのです。ただ、こちらも物理的に余裕がないことに責任転嫁しているだけ、都合よく忙しくしているだけともいえます。
心理面から考える汚部屋の片付け方法
片付けるのが面倒だという気持ちは誰にでもありますが、健康的な生活をするために最低限の掃除をおすすめします。悪気はないのになぜか部屋がゴミでいっぱいになる理由は、心に何かトラブルを抱えているのかもしれません。心理面での改善方法についてご提案します。
自分を責めない
汚部屋にしてしまった自分を責める必要はありません。片付けの必要性に気づくことができたのですから、それをポジティブにとらえ、どんどん片付けの作業を進めましょう。
ゆとりを持つ
喧嘩が絶えない家族やカップルの部屋は散らかった状態が多いといいます。心身にゆとりがないため衝突してしまうのです。部屋の片付けによって優先するべきものとそうでないものを整理できれば、汚部屋から脱出できるだけでなく、心にゆとりが生まれるでしょう。
代償行為をやめる
部屋にものが増え続けるのは、満たされていないことへの穴埋めをしているからかもしれません。簡単に手に入ったものは大切に扱わないことがほとんどで、結局ゴミに紛れて放置される可能性が高いです。きれいな景色を楽しんだり趣味などに没頭したりすると、ものを買うこと以外で豊かさを感じられる環境づくりをしましょう。
プラスになるものだけを残す
人は失うと損をするものに対しては強い抵抗を持ってしまいます。例えば高評価のアイテム(みんながいいといっている)などです。しかし、それが自分にとって使わないものならば意味がありません。便利なもの・安心するもの・幸せを感じるものだけを残し、そのほかの使っていないものは思い切って捨てましょう。
心の掃除ととらえる
有名人や一流企業の社長が率先して掃除をするという話をよく聞きます。身の回りを整理すると、精神が落ち着き物事を前向きに考えられるようになるのです。具体的には目標に向かって集中できたり単純なミスが減ったりします。慣れるまで掃除は面倒に感じますが、物事がうまく回りだすと欠かせないルーティンになるでしょう。
達成感を得る
散らかった部屋を一気に片付けようと考えると、やる気が出ません。まずは5分だけ掃除機をかける、テレビ台を拭くなど、目標を決めてロールプレイングゲーム感覚で少しずつ掃除をするとよいでしょう。大人になると達成感を得る経験が少なくなるので、小さな達成感でも嬉しくなりやる気が出るかもしれません。
汚い部屋から脱出する方法
きれいな部屋になると気持ちが前向きになり物事がうまくいくということがわかっても、片付けのコツを知らなくては部屋が一向にきれいになりません。散らかった部屋をきれいに片付ける方法について具体的にご説明します。
仕分けをする
部屋の片づけの大部分はこの作業になります。自分にとって大事なものかそうでないものか、2つに分けていきましょう。「捨てられない」と迷ったアイテムの多くは、本当は要らないものがほとんどです。これを大事なもののカテゴリーに入れてしまうと片付きません。思い切って処分することをおすすめします。
使用しない物を捨てる
仕分けが終わったら、要らないものは分別をして捨てます。各自治体の決まりにしたがって少しずつゴミに出しますが、早く処分したい場合は専門業者に依頼し回収してもらうとよいでしょう。
物の場所を決める
ものが散らかる原因のひとつに、置き場所が決まっていないことが挙げられます。分別して、必要と判断したものの置き場所を決めます。シールなどを利用して名前を書き(場所を覚えるまで)家族にもその場所を認識してもらいましょう。ものを元の場所に戻すだけで部屋はきれいを保てます。
収納する
片付けの上級者は見せる収納で部屋をきれいに保ちますが、片付け初心者は見せない収納がおすすめです。カテゴリーごとに収納場所を決め、100均のケースを上手に活用して収納しましょう。きれいに見せるポイントは、収納の高さや色をあわせることです。
無理をしない
苦手なことは無理しすぎないようにしましょう。例えば、洗濯物をたたむのが苦手ならハンガーラックを用意します。外干しからそのままラックに移動させるだけにすれば、家事の短縮になるでしょう。
見えやすくする
異なるものを重ねたり奥に入り込んだりすると在庫の管理ができません。賞味期限のある食品は引き出しに収納するなど、見える在庫管理を心がけましょう。また「2個までストック」など自分ルールを決めると買いすぎを予防できます。
スマホを活用する
スマートフォンのアプリにはものの在庫を管理できる便利なツールがあります。買いすぎたり賞味期限切れで食べられなくなったりするという無駄を防ぐ方法として活用するのもよいでしょう。
プロに依頼する
片付けをする時間がない場合は、プロに依頼するのも有効な手段です。ここで大事なのは、ものの置き場所にシールを貼ってもらうなど、片付けた場所をレクチャーしてもらうことです。他人任せにしたぶん、その後の管理をしないとすぐに汚部屋に戻ってしまいます。使ったものを同じ場所に戻すという作業を繰り返し行いましょう。
最後に
心理面からゴミ部屋を改善できたときに得られるのは清潔な空間だけではありません。心に余裕が生まれ、周りがよく見えるようになるため、気配りもできるようになるでしょう。きれいな部屋を保つコツは、本当に大事なものだけを所有し、長く丁寧に使うことです。