屋上庭園とは?
日本の住宅事情では庭に庭園を作るスペースを確保するのはとても難しいことです。そこで、住宅の屋上を有効活用し、癒しの空間として庭を緑化する人が増えています。最近は屋上庭園はヒートアイランド現象対策としても注目されているようです。この記事では、屋上庭園の作り方やメリット・デメリットなどをご紹介します。
国内最古の屋上庭園
日本国内最古の屋上庭園は、1915年に竣工した旧秋田商会ビルの屋上庭園です。旧秋田商会ビルは和洋折衷のユニークな建築物で、屋上には日本庭園と茶室があります。この建物は日本の近代建築史を代表する建築物です。
屋上庭園には陸屋根が必要
住宅の屋上に庭園を作る場合は傾斜の無い屋根(陸屋根)が必要です。しかし、平成20年頃までの法律では一戸建ての排水を円滑にするために、勾配のある屋根が義務付けられていたため屋上庭園は作れませんでした。しかし、最近は屋上の勾配を緩くすることができるようになり、一戸建てでも屋上庭園が作れるようになりました。
屋上庭園のメリット
屋上庭園にはさまざまなメリットがあるようです。以下に、屋上庭園のメリットをご紹介します。
メリット①ヒートアイランド対策
地球温暖化が問題視されている今、その原因として挙げられるのは温室効果ガスの排出量です。ガスの吸収源である森林が減ることで、ますます増加する温室効果ガスは、ヒートアイランド現象の要因です。そこで、ヒートアイランド現象を解消するため、周囲の気温を下げる効果がある屋上緑化が注目されています。
コンクリートやアスファルトが多い都市部では、熱を吸収し溜め込んだままなかなか発散できません。ヒートアイランド現象とはこのような都市部の気温が周囲よりも異常に高くなる現象です。
メリット②防火対策と防水層の劣化防止
植物は燃えにくい性質があるため、一戸建ての屋上に庭園を作ると火災から建物を守り火災延焼防止効果も期待できます。また、一般的に一戸建ての平らな屋根には防水層が施され、建物を雨水から守ってくれています。屋上庭園を作るとその防水層の劣化まで防いでくれるのがメリットです。
メリット③冷暖房費の節約
屋上の緑化は植物で太陽光が軽減されるため、夏場の室温が下がり冬は室内の温かい空気を逃がしません。その結果、エアコンの稼働率が減り冷暖房費の節約につながります。さらに、騒音の低減や防塵効果も期待できるようです。
人工芝より天然芝を張るほうが室内の温度上昇を抑制する効果が高いです。
メリット④レジャーや癒しの空間
屋上庭園はガーデニングを楽しんだり、趣味的な目的で利用できたりする便利な空間です。また、友人などを呼んでバーベキューや花火大会などにも活用可能です。緑は人の心を癒してくれるので、ストレスの軽減や疲労回復などの効果も期待できます。
メリット⑤土地探しがラク
庭付きのマイホームに憧れを持つ人は多いです。しかし、自宅に庭を作るためには相当広い土地を購入する必要があります。しかし、屋上庭園はそれほど広い土地を必要とせず、屋上を有効活用できれば狭い土地でも庭を持つことが夢ではありません。
メリット⑥税金面で有利
庭が作れるほど広い土地には固定資産税がかかります。しかし、屋上に庭を設けるた場合は、一般的な地上の庭よりも税金の面で有利です。
メリット⑦防犯対策
一般的な庭は外部から動物や人が侵入しやすいです。しかし、屋上庭園では侵入者などの心配はなく植物の盗難なども起こりません。
出典:タダピク