マジムンとは
マジムンというのは沖縄県と鹿児島の奄美諸島に伝わる伝説の妖怪や悪霊のことです。また、神の使いともいわれています。マジムンに股をくぐられたら死ぬという言い伝えがあり、主に動物の見た目をしたものが多いです。奄美諸島ではヘビ科のハブもマジムンの一種であるといわれていて、ハブだけが唯一存在するマジムンだともいわれています。
奄美諸島(鹿児島)に住むマジムン
ケンムン
見た目
身長は5~6歳ぐらいの子供と同じで、カッパに見た目が似ていて、赤色の長めの髪にはカッパのように、油を入れるお皿があるのが特徴です。全身が長い体毛で覆われていて、目は赤く、口は尖っており、青色に光る臭いのキツイよだれを垂らしています。加えて、とても足が長いので、体育座りのように膝を立てて座ると、膝の高さが顔と同じ位置まで来ます。
性格
ケンムンの性格は穏やかといわれていますが、物を盗んだり人間に道を迷わせたりと、いたずら好きなものもいるようです。また、相撲となると負けず嫌いになります。島の人たちはケンムンのいたずら対策に、嫌いなタコを見せたり、頭の皿の油を抜かせて気力を失わせるため、お辞儀をケンムンに向かってするそうです。すると、ケンムンもマネをし、油がこぼれるそうです。
好きなこと
ケンムンが好きな食べ物は魚の目やカタツムリやナメクジです。また、相撲をするのも大好きで人に会うと必ず相撲をとるそうです。一人のケンムンが相撲を人間と始めると仲間たちも寄ってきて、人間に勝負をしてくるそうです。しかし、負けず嫌いなので自分たちが勝つまで終わらせてくれず、出会った人はみんなボロボロになるまで帰れないという言い伝えもあります。
沖縄に住むマジムン
キジムナー
見た目
赤髪で背丈は子供と同じぐらいだといわれています。普通の妖怪とは違い、大人になると人間と同じように結婚して家庭を持ったり、まれに人間に嫁ぐキジムナーもいます。
性格
とても穏やかでフレンドリーな妖怪です。人間達と一緒に魚を釣りに行ったり、食べ物や道具を借りにくることもあるようで、人間との交流に抵抗を持たないのが他の妖怪と違う点であり、特徴でもあります。ですが、キジムナーの嫌いなタコを投げたり、おならをしたり、住んでいる果樹丸の気を切ると怒ります。そして、キジムナーに嫌われると人間を殺してしまうこともあります。
好きなこと
好きな食べ物は魚で、中でも魚の目が大好物です。キジムナーを魚釣りに連れていくと、必ずたくさんとれるそうです。また、歳はとっても精神年齢は子供のままなので、いたずらをするのも好きです。
ケンムンとキジムナーの住んでいる所
2つの妖怪とも林の中の果樹丸(カジュマル)の木に住んでいます。ケンムンとキジムナーは自然のシンボルでもあり、人間が自分たちの住んでいる所を破壊しようとすれば、怒って人間を傷つけたり、悪事やいたずらをすることもあるそうです。
マジムンのケンムンとキジムナーの関係
上でケンムンとキジムナーの紹介でお気づきになったかもしれませんが、2つの妖怪の容姿や、好きなものなどの特徴の類似点がたくさんあります。そのため、実はケンムンとキジムナーは親戚関係なのではないのかと言われています。
まとめ
今回は、古くから日本に伝わる2つの妖怪を紹介しました。2つの妖怪には意外な繋がりや、特徴があります。もし、沖縄・奄美諸島に行った際はケンムンとキジムナーがいるかもしれないので、森の中の特に果樹丸の木を注目してみてください。