「月」は状態によって呼び方がある!
夜に空を見上げて、月が出ているとホッとするという方も多いでしょう。月を見上げて心を安らげ、さまざまな名前で表現して楽しむのは、昔から日本人に受け継がれたDNAなのかもしれません。そんな月の呼び方、細かい種類に分けられるということをご存知でしょうか。どこかで聞いたことある呼び方から、今はあまり使われない昔の月の呼び方まで、さまざまな名称をご紹介します。
月の満ち欠けをあらわす呼び方
月の呼び方の代表的なものと言えば、満ち欠けの違いによるものでしょう。満ち欠けと言いますが、実際月の見え方は、地球と太陽、そして月の位置関係によって見える形が違っています。
地球は一日で自分で回り(自転)ながら、太陽の周りを365日かけて回って(公転)います。その地球の周りを、月が約30日かけて公転しています。月は自転しないので、月に太陽の光が当たるところを地球が位置を変えながら見ている状態になります。月が地球の周りを1周するのが約30日なので、30日かけて月の見え方つまり満ち欠けが変わります。昔の人は、その月の様子を指標にしていました。
月の呼び名<1日頃>:新月(しんげつ)
月に太陽の光が全く当たっていない状態です。占いでは新月は不思議な力が宿っていて、願いを叶えたり、何かを始めたりするのにぴったりな日とも言われています。
月の呼び名<2日頃>:繊月(せんげつ)
月に太陽の光が当たる最初の日です。少し満ちている状態になっており、その名前の通り繊維のように細い形をした月です。
月の呼び名<3日頃>:三日月(みかづき)
新月から三日目の月の形を「三日月」と言います。「三日月」というモチーフは幸運の意味を持ち、いろいろなところに使われています。
月の呼び名<7日頃>:上弦の月(じょうげんのつき)
7日頃と21日頃は、月の満ち欠けが同じくらいになります。後に紹介する「下弦の月」と総称して「弦月(げんげつ)」という言い方もしますが、弓のような形をしていることからそのような名前がつけられました。下弦の月との見分け方は「見られる時間帯」です。上弦の月は夕方頃が最も見やすく、深夜や明け方は沈んでしまって見られません。
月の呼び名<10日頃>:十日夜の月(とおかんやのつき)
その名前の通り、10日目の月です。だんだん月の満ちている面が大きくなってきています。「十日夜」と言う言葉は秋の季語として使われることが多いです。旧暦10月10日の夜は収穫祭をする習慣があります。この日に見える月のことを、月齢関係なく「十日夜の月」という言い方をすることもあります。
月の呼び名<13日頃>:十三夜月(じゅうさんやげつ)
13日目の月は「十三夜月」といい、あと少しで満月になる状態です。「十三夜」も十日夜と同じく、秋の季語として使われます。旧暦9月13日は、十五夜の次のお月見とし、粟や栗の収穫祝いを兼ねていました。ここまででお気づきかと思いますが、昔の月の呼び方「十日夜」「十三夜」「十五夜」の月というのは、基本的に月齢は関係ないのです。この日の夜に月がきれいに見えたらラッキー!という感覚だったのですね。
月の呼び名<15日頃>:満月
15日で月に完全に太陽の光が当たり、満月になります。海外では「フルムーン」や「ルナティック」といった言い方をし、特別な意味合いがあります。占いでは満月の光に「豊か」「浄化」「エネルギー」という意味を見出され、出産、掃除などといった行動にベストなタイミングとされてきました。一方で強いエネルギーのせいで、喧嘩や事故が起きやすいのが満月の日であるともいわれています。
月の呼び名<16日頃>:十六月(いざよい)
満月の次の日の月なので「既望(きぼう)」
月の呼び名<17日頃>:立待月(たちまつづき)
17日頃、徐々に欠けてきている状態の月です。「
月の呼び名<18日頃>:居待月(いまちづき)
18日頃の月です。万葉集にて「座待(いまち)月」
月の呼び名<19日頃>:寝待月(ねまちづき)
19日頃の月です。「寝て待っている間に出る月」
月の呼び名<21日頃>:下弦の月(かげんのつき)
先述の「上弦の月」と同様、
月の呼び名<26日頃>:有明月(ありあけづき)
23日を過ぎると、
月の呼び名<30日頃>:晦日(みそか)
「かいじつ」あるいは「みそか」という呼び方をします。