ハクビシンとは
ハクビシン(白鼻芯)は、ネコ目ジャコウネコ科に分類される哺乳類です。もともと中国や東南アジアに生息しており、国内でも四国や東北にハクビシンが確認されていましたが、現在では日本全国に広がっています。いつ日本にやって来たのかが分かっていないため「外来種」には指定されていません。
体の特徴
ハクビシンの体長は90cm~110cm、体重は3kg~4kgです。アライグマやタヌキより大きく、しっぽも長いことが特徴です。体の大部分が灰褐色で足は黒色、額から鼻先にかけて白いすじがあります。
高い運動能力
電線の上を渡るなどバランス感覚に優れており、1m以上ジャンプします。よく似ているタヌキよりも運動能力が優れていることから、駆除もなかなか難しいといわれています。また運動能力だけでなく、学習能力も高めです。
ハクビシンの習性
夜行性の動物
夜行性であるハクビシンは暗くなってから活発に動き始めて食べ物を探し、排せつします。昼間は寝ていて姿を現さないため、駆除の対策がとりづらいです。屋根裏に住み着いた場合、夜に走り回るハクビシンの足音で寝られないといった健康面での被害も出ています。
雑食性(何でも食べる)
ハクビシンは好物である果物や野菜以外に、虫や小さな鳥も食べるため、生態系に悪い影響を与えています。また残飯や生ゴミも構わず食べてしまいます。人が出す多くのゴミが、住宅街や都市部でもハクビシンが多く住み着いてしまう要因になっているのです。
繁殖力が強い
ハクビシンは生まれてから10カ月ほど経つと、子どもを産むようになります。季節にかかわらず、1年に1回~2回子どもを産みます。妊娠期間はおよそ2カ月です。一度に産む子どもの数は平均2頭~3頭で、多いときは5頭産まれます。このように強い繁殖力を持っているため、早めに対策をとらないと数がどんどん増えてしまいます。
定住を好む
ハクビシンは複数の巣を持って活動しますが、気に入った場所は好んでしばらく定住します。たとえハクビシンの姿を見かけなくても、数日後に戻ってきます。また排せつするのは巣の中です。そのため屋根裏に住み着いた場合、糞尿がたまりハエなどの害虫の発生や、天井が汚れたり腐って剥がれ落ちたりするといった被害が懸念されます。
ハクビシンの駆除方法①【予防編】
一度ハクビシンが住み着いてしまうと、生活をするうえでやっかいです。まずはハクビシンを近寄らせないような環境づくりが大事です。
侵入口をふさぐ
ハクビシンの侵入が考えられる場所は以下のとおりです。
ハクビシンの侵入経路
- 屋根が互いに重なっている部分
- 軒下の穴
- 通風口
- 床下の通気口
- 戸袋の下
特に築年数が古い民家は、老朽化によって外壁が破損し、すき間が生じやすいため要注意です。ハクビシンは頭が入ればどんなに狭い穴でも侵入します。細かい部分までくまなくチェックしてください。
侵入している動物がハクビシンかどうか知りたいんだけど、夜行性のハクビシンを昼間でも確認できる方法は?
足跡を確認して網を設置
どの動物が侵入しているかは、足跡で確かめましょう。侵入口付近に白い粉(石灰など)をまくことでハクビシンの足跡かどうかを判断できます。ハクビシンの足は5本指で爪があります。サイズは4cm~5cmで、ほかの動物に比べ手のひらが丸っこく、後ろ足は立ち止まっているときは縦長の足跡になるのが特徴です。
ハクビシンの足跡を確認できたら、屋根裏にいない間に金網などでふさぎましょう。網目の細かいものや二重に設置するといった工夫も重要です。また、ハクビシンは複数の巣を持ちながら活動しています。ハクビシンを見かけない日が続いても、別の巣から戻ってくるため侵入口をふさいでください。
樹木を剪定する
ハクビシンは木登りが得意です。不安定な場所でも容易に移動できるため、幹や枝をつたって民家に侵入してきます。民家に届く木があれば枝を剪定し、ハクビシンが移ってこないようにしてください。切った枝や葉はそのままにせず、早めに処分しましょう。
ハクビシンは木から木への移動は苦手なので、全ての木の枝を剪定する必要はありません。
ゴミや果実をほったらかしにしない
生ゴミを外に置くと夜行性のハクビシンが食い散らかすため、回収までは家の中に置いておきます。またジュースの空き缶やお菓子の袋もにおいを放ち、ハクビシンを寄せつけてしまいます。家の周りに落ちていたら回収しましょう。庭に落ちている果実は、ハクビシンにとって絶好のエサになるため処分します。またハクビシンは見通しがよいところを嫌います。こまめに整理して、ハクビシンが嫌う環境をつくりましょう。
ハクビシンはイヌやオオカミが天敵であるため「イヌの毛」を置いたり害獣駆除用として販売されている「オオカミの尿」をまいたりしても効果的です!
ハクビシンの糞尿から発生したノミ・ダニに人間やペットが刺される可能性もあります。