ブショネと酸化との違い
ところでブショネと酸化とはどう違うのでしょうか。ブショネと酸化とを区別するために、ここからは2つの違いについてご説明します。
酸化とは
酸化の特徴
酸化とは、ワインが空気に触れることで香りや味が変化することを意味します。酸っぱい味のワインは酸化していると思われがちですが、酸っぱい味でも酸化していないワインはあり、逆に酸っぱいと感じなくても酸化しているものもあります。この判断は難しく、本当に酸化しているかどうかはプロのソムリエに判断してもらうのが一番でしょう。
よい酸化
赤ワインやコクの深い白ワインは、あえて酸化を促すために「デキャンタージュ」という方法がとられることがあります。デキャンタージュとは、デキャンタというガラスの容器にワインを移して酸化を早める方法です。デキャンタージュをすることによって、渋みがとれたり香りがよくなったりします。
悪い酸化
ワインは、飲みかけのまま長時間放置していると空気が入って酸化します。このような酸化は、デキャンタージュのような意図的な酸化とは異なり、ワインに悪い影響をあたえることが多いです。特にスパークリングワインやほとんどの白ワインは酸っぱい味が魅力のひとつです。ワインが酸化するとその酸っぱい味が消えますが、そのときに一緒に風味も損なわれてしまいます。
酸化を防ぐ方法
ワインの酸化を防ぐ方法は、できるだけ空気に触れないように保存することです。飲み残したワインは、再度栓をしたり空き瓶に移しかえたりすると、空気との接触が少なくできるため風味が落ちにくくなります。また、瓶の中を真空にできるようなワイン栓も売っているので、そういったグッズを使うのもおすすめです。
酸化と劣化の違い
酸化とはワインが空気に触れることによって起こる香りや風味の変化のことで、ワインによい影響を与える場合と、悪い影響を与える場合があります。一方の劣化とは、ワインの保存状態がよくなかったために起こる現象で、ブショネも劣化のうちのひとつです。劣化は酸化とは異なり、ワインによい影響を与えることはありません。
ブショネしたワインの活用方法
ブショネしたワインからは独特の不快な臭いがしますが、身体に悪影響はありません。そのため、気にならない程度の臭いであればそのまま飲んでもOKです。ブショネの臭いは、ポリエチレンのラップをワインに浸したあとにステアして放置すると不快な臭いがやわらぎますよ。
活用方法<白ワイン>
ブショネの臭いはポリエチレンのラップを使えばやわらげることができますが、完全に復活させる方法はありません。しかし、捨てるのがもったいないというときは煮詰めるなどして料理に使えば再利用できます。白ワインは魚介類の臭みをとってくれるので、アクアパッツァなどに使うといつもと違った本格的な味に仕上がります。
活用方法<赤ワイン>
赤ワインは、煮込み料理に使うといつもより味わい深い仕上がりになります。赤ワインはお肉との相性がよく、お肉の臭みを消したりやわらかくしてくれる作用があります。煮込むことでブショネの不快な臭いが飛ぶため、シチューやハッシュドビーフなどに使うのがおすすめです。
まとめ
以上が、ブショネについてのご紹介でした。ブショネとはコルクの汚染によって起こるワインの品質劣化のことで、赤ワインも白ワインも同じ確率で発生します。ブショネしたワインからはカビのような臭いがするのですが、飲んでも健康に害はありません。そのため、料理酒として再利用すればせっかくのワインを無駄にせずにすみますよ。ブショネ以外にもワインの風味を損なわないように正しい保存方法を知って、さらにワインを楽しんでくださいね。
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