タティングレースの魅力とは
タティングレースは、レース編みの一種です。小さな船のような形の糸巻き・シャトルを使って結び目を作り、いろいろな模様や形に仕上げられます。歴史は古く、18世紀にヨーロッパの貴族の間で流行したのがはじまりです。タティングレースの魅力は、道具も手軽で、基本のステッチをひとつ覚えるだけで作品が完成することです。編み図もシンプルで、材料も簡単に揃えられ、初心者でも手軽に作れますよ。
タティングレースに必要なものは?
タティングレースに必要なのは、レース糸とシャトルです。そのほかは、糸切りばさみと、ほつれ止め液かボンドがあれば便利です。太い針もあると編み目をほどくときに使えますよ。また、手芸店ではレース糸、シャトル、作品の編み図がセットになったキットも売られています。お気に入りのキットが見つかれば、そこからはじめるのもよい方法ですよ。
思っていたより、必要な道具って少ないんだ!これなら簡単にそろえられそう!
道具が手軽なのが、タティングレースの魅力!それでは、シャトルやレース糸の選び方を教えるよ
シャトル
シャトルは、タティングレース専用のものを選びましょう。手芸店のほか、100均ショップでも手に入ります。シャトルは「ツノ」という先のとがった跳ね上りがついているほうが、編みやすくおすすめです。
タティングシャトル フローラ【Clover 】
タティングシャトル
参考価格: 1,093円
フローラは、まるで花のようなやさしい色合いのタティングシャトルです。大手手芸用品メーカー「クローバー」のもので、ツノもついており、使い勝手もばっちりです。
レース糸
レース糸は豊富なカラーバリエーションで、たくさんのメーカーから販売されています。糸の太さは数字で表されており、番号が大きいほど糸は細くなります。最初は20番くらいの太めの糸を使うと編みやすいです。また、レース糸もシャトルと同様、100均ショップでも販売されています。「編む練習がしたい」という方は100均の糸もおすすめです。
タティングレースの編み方【下準備】
レース糸とシャトルなど道具を揃えたら、早速編み始めましょう。タティングレースを編むには、下準備としてシャトルに糸を巻くことが必要です。基本の編み方に入る前に、まずシャトルに糸を巻いていきましょう。
シャトルに糸を巻く
シャトルと糸の持ち方
タティングレースの編み方【基本の編み方】
レース糸がシャトルに巻けたら、いよいよ編み始めましょう。タティングレースは基本のステッチであるダブルステッチを覚えれば、スムーズに編めます。ダブルステッチは、「表目」と「裏目」で構成された編み目で、ダブルステッチを連続で編むことでさまざまなものが作れます。
ダブルステッチ
表目の編み方
- シャトルから出ている糸を右手にもかけ、シャトルを左手の糸(渡り糸)の下にくぐらせる
- 糸の上からシャトルを通し、右手の糸を外す
- 左手の糸をすこしゆるめ、右手の糸をピンと張って巻目を移す
- 左手の糸を矢印の方向に引き、結び目を指先まで移動させる
裏目の編み方
- 右手には糸をかけずに、シャトルを渡り糸の上から通す
- 渡り糸の下をくぐらせて、シャトルを右側へ引く
- 表目の手順と同様
- 表目の手順と同様
これで基本の編み方、ダブルステッチが完成しました。編み目が手書きの図の形になっていて、芯糸を引っ張って動かすことができれば正しく編めています。編み方のポイントは、渡り糸を通すときに、かならずシャトルとシャトルを持つ指の間を糸が通過することです。
ピコット
ピコットは、ダブルステッチの目と目の間に作るループのことです。そのまま飾りにしたり、モチーフや編みあがった部分をつないだりするのに使います。ピコットを作るときは、作りたい部分の前の目から少し離したところにダブルステッチを編み、編み目を引き寄せます。
ピコットが完成した状態です。編み図によっては、ピコットの大きさが指定されていることもあります。欲しいループの長さのだいたい2倍の長さのところに、前の目から離してダブルステッチを編めば、ちょうどよい大きさのピコットができますよ。
リング
リングはシャトルの糸だけで作成可能です。指定されたステッチが編めたら、シャトル側の糸を引っ張ることで、輪が小さくなりリングができあがります。編んでいる途中で左手の輪が小さくなって編みにくくなったときは、左手の編みはじめ付近の糸を引っ張ると輪が大きくなります。
リングができれば、簡単なモチーフが作れるの!小さい花のモチーフをさっそく編みましょう!
基本の編み方で作れる簡単モチーフ
ピコットとリングで作ることができる、小花モチーフの編み図です。多くの編み図では、ダブルステッチの部分は必要な目数が数字のみであらわされています。この編み図では、ダブルステッチ10目、ピコット、ダブルステッチ10目の組み合わせで作ったリングを5つ編むことでモチーフが完成します。
こちらが完成した状態です。リング5つが編み終わったら、裏で糸を結び、結び目がほどけないようにボンドやほつれ止め液をぬりましょう。余った糸を切ったら仕上げも完了です。
タティングレースの作品例
ドイリー
ドイリーは、花瓶の下に敷くほか、コースターやテーブルクロスとしても使える敷物のことです。単色のレース糸のみでもよいですが、複数の色のレース糸を使うことで、単色使いに比べると華やかでかわいらしくもなります。リングとダブルステッチの連続でつくるチェーンを編みつないでいくことで、サイズが大きいものも作れますよ。
アクセサリー
作ったモチーフにピアスやネックレスなどの金具をつければ、タティングレースを使ったアクセサリーも作成可能です。シャトルに糸を巻いたあと、レース糸にビーズを通しておくと途中でビーズを編み入れることもできます。ビーズがあるとより華やかな印象に仕上がります。
立体作品
リングやモチーフどうしをつなぐ、ピコットつなぎをうまく使うことで、立体的な作品に仕上げることも可能です。形がより本物に近くなるのでリアリティも出ますが、タティングレースならではの繊細さが伝わってきます。
おうち時間でタティングレースを始めよう!
平面の作品から立体の作品まで、タティングレースで作れるものはとても幅広いです。慣れると編み図に少しアレンジを加えたり、オリジナルの作品も作ったりできるようになります。ぜひ、繊細な作品が作れるタティングレースを楽しんでくださいね。
出典:筆者撮影