はじめに
キッチンの(シンク)に洗面所(洗面台)、お風呂場(浴槽と洗い場)にトイレといった、水を流して使用をする場所の排水溝と、排水管は、下水道管へと続きます。さまざまものが流し込まれる台所(シンク)などの排水溝(排水管)は、化学反応を起こしたヘドロがべったり粘着して、そのベトベトのヘドロやゴミで水を下水道管をせき止めてしまいます。下水道管への道を邪魔された流しきれない水は排水溝からあふれてトラブルの原因となります。
排水管の詰まりの原因
さまざまな場所の排水管(排水溝)は、手入れをしなければ、ヘドロやゴミなどの「詰まり」が発生しますが、実はこの排水管(排水溝)の「詰まり」の大部分は、横向きに縦向きにとぐねぐねカーブした形の排水トラップという部分や、進行が横向きの下水道管にて起こります。
S字などの排水トラップ
台所(シンク)や洗面所(洗面台)などの排水溝には、いつも水をたくわえておける排水トラップ、という装置があります。排水トラップには、ストレートな形のワントラップ、S字を横向きにしたようなS字トラップ、カーブを描いて横向きに延びたP字トラップ…といくつか形があり、S字トラップなどは横向きの流れやカーブが進行を難しくして、するするとした排水が妨害され、詰まりやすくなります。
横向きの排水パイプ
横向きや縦向きのカーブを持つ、排水トラップを経て下に進行した全ての排水管(パイプ)は、後にまたしても、横向きの下水道管へと連結されます。やっと行き着いた深い場所にて排水は、滝つぼのように縦から横向きに、いきなり進行を変えることとなります。横向きで動きのほぼない下水道管に放たれた汚水やヘドロなどは、重力の関係でスピードを失い、あっという間に「詰まり」のオンパレード状態におちいってしまうのです。
排水管の詰まり解消法①必要なもの
台所に洗面所、お風呂場にトイレの排水管の「詰まり」を解消しようというときに、これだけはまず準備しておいて間違いなしと言える必需品は、ヘドロなどをこすり落とすブラシ類、それともう1つ、がちがちの汚れを分解するための洗浄剤です。
洗浄剤
排水管(排水管)の「詰まり」を解消するためには、流し入れた洗浄剤の力にヘドロやゴミを分解をまかせるという力を使わない方法があります。使用できる洗浄剤は重曹やクエン酸といったお手頃かつ身近なものや、パイプユニッシュなどの「パイプクリーナー」と呼ばれるもの、びっくりするほどパワフルな作用の業務用の洗浄剤と、強さに段階があり、当然、作用が強ければコストや危険性も上がります。
重曹やクエン酸
それほどに頑固ではないやわらかなヘドロによる「詰まり」ですと、重曹とクエン酸でも溶けてくれます。汚れや皮脂の分解や消臭効果が期待できる重曹と、水垢や尿石の分解や除菌効果が期待できるクエン酸やお酢にぬるま湯をプラスすると、しゅわしゅわの炭酸ガスが発生で、やさしくじわじわと「詰まり」の解消が期待でき、パイプユニッシュなどよりかは低コストでもあります。
パイプユニッシュ
重曹やクエン酸では作用が弱すぎていまいち…という方に検討していただきたい洗浄剤は、パイプユニッシュなどの、「パイプクリーナー」です。頼もしくパイプ専門のアイテムである、パイプユニッシュなどの洗浄剤は、使いこなしができれば、つるんと気持ちよく「詰まり」を解消してくれますが、流すまでの時間が長すぎるとヘドロは固さを増し、量の調整も上手でなければ、思うように効果が出ません。
業務用の洗浄剤
一般のパイプクリーナーでも解消できないような、どうしようもなくがちがちのヘドロには、一般には強すぎる、ピーピースルーなどの業務用のパイプ用のクリーナーの検討もありでしょう。プロが使用する洗浄剤ともあり、強力さはぴかいちですが、通信販売などで手入れ、取り扱いの際にはマスクや手袋などを使って体への害に気を配る必要があります。
ブラシ
排水管(排水溝)の「詰まり」を解消するには、スポンジや固いたわしだけでなく、ブラシを上手に使い分けして、原因となっている頑固なヘドロをこすり落とすこともポイントです。パイプの汚れに使用するブラシには、小回りのきく小型のものや、S字トラップや横向きの部分にも対応する直角のもの、頑丈な素材のもの、奥まで侵入できる長めのもの、強力な汚れをスムーズに落とせてかつ強い素材である、ワイヤーのものなどが向いています。
ポリプロピレンのブラシ
ポリプロピレンは洗浄剤などの薬品への耐性が高い素材であるため、薬剤も多く流れるキッチン(シンク)、お風呂場(浴槽と洗い場)といった、排水管(排水溝)の洗浄には、溶けにくい上、ぴしっと強い毛質の、ポリプロピレンのブラシが向いています。
ワイヤーブラシ
チューブ状で長く、先端にはワイヤー製であるくるくるのヘッドを持つワイヤーブラシ(ワイヤー式パイプクリーナー)は、長さのあるパイプの中でも、ヘッドにあるワイヤーのくるくるで汚れをしっかりキャッチしてくれます。しかしながら、あまりに「詰まり」がしつこく固まりすぎていると、ワイヤーブラシが負けてしまって、汚れがキャッチしきれない場合もあります。
出典:筆者撮影