はじめに
農作物の廃棄される部分を使って手作りする、青森県の伝統工芸品の「きみがらスリッパ」をご存知でしょうか?スリッパの形やぞうりのデザインなど、本来は捨ててしまう部分の再利用と、農家の農閑期の手仕事として現代まで受け継がれてきました。こちらでは、そんなきみがらスリッパについて解説していきます。
きみがらとは
「きみがら」とは、青森県や一部秋田県地方で呼ばれる、とうもろこしの皮のことです。青森の方言で「とうもろこし」を「きみ」、「がら」は「外側の皮」のことを指し、この二つの方言が合わさったのが「きみがら」です。
その昔、十和田周辺は馬産地であったことから、飼料用のデントコーン(とうもろこし)の作付けを行い、秋になると収穫し、馬や鳥などの餌として使っていました。しかし、とうもろこしの皮はそのまま捨てていたことから、資源の活用策として皮を自然乾燥させ、材料としたのがきみがらスリッパの始まりです。
きみがらスリッパとは
[進化し続ける「きみがらスリッパ」] http://t.co/4K76Jyhcp1まるごと青森ブログより 地場セレクトにて昨年収穫されたきみの皮を使った「きみがらスリッパ」販売中です♪ pic.twitter.com/Q1PpkDDopW
— 青森県地場セレクト担当じば美 (@aomorijibasele) February 15, 2015
きみがらを使ったスリッパの作り方は、十和田地方の農閑期の仕事として、昭和20年頃から始められたそうです。全ての工程が手作業のため、一足を編むために8時間以上要することから、青森県の伝統工芸品にも指定されるなど貴重なものとなっています。
きみがらスリッパは手作りできる?
田舎から貰った、きみがらスリッパ。きみのから、つまり、とうもろこしの皮で編んだスリッパは、十和田のほうで作ってるみたい。涼しげでよい。https://t.co/RWn1Ubo5xk pic.twitter.com/CimoawdMu2
— 潟湖 (@ao_osanai) July 15, 2017
青森県の十和田にある道の駅では、スリッパのほかに「きみがらぞうり」も販売しており、こちらも好評です。伝統の手法を取り入れた作り方を真似たいところですが、さすがにきみがらを用意して、一から作るのは難しいものです。そこでこちらでは、現代のルームシューズとして愛用する人も増えている、裂き布を使ったわらじの作り方をご紹介します。
ぞうりは通気性と丈夫さが特徴で、夏は蒸れず冬は暖かくて、履き込むほどに足に馴染んでくることからおすすめの履きものです。ズパゲッティなどのハンドメイドアイテムを取り入れたぞうりの作り方の動画をご紹介しましょう。慣れてきたら藁や、きみがらを用意して編んでみるのも楽しそうです。
きみがらスリッパの入手方法
きみがらスリッパは通販で買える?
昭和20年ころから作られてきたきみがらスリッパを後世に伝えていこうと、昭和38年に「十和田きみがらスリッパ生産組合」が設立されました。青森県の伝統工芸品に指定されているきみがらスリッパはできれば現地で入手したいところですが、通販でも手に入るので気になった方は利用なさってみてください。
東京のビームスでも手に入る!
きみがらスリッパは、東京に本社があるビームスでも手に入ります。セレクトショップのビームスで?と思われるかも知れませんが、ビームスでは「BEAMS JAPAN (ビームス ジャパン)」レーベルの中で、日本の銘品を世界に発信するプロジェクトを展開しています。ビームスの通販では日本の銘品・日本の洋服にこだわった商品が手に入るので、ネット通販を利用してみるのもおすすめです。
まとめ
きみがらスリッパは廃棄するものを活用しており、現代のエコの走りとも言えます。そのコンセプトから、東京青山にある国連大学前で開催しているファーマーズマーケットのショップで取り扱うことがあります。また、東京で開催される物産展なども狙い目です。きみがらスリッパに出会ったらその魅力に触れてみてくださいね。
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