「立待月」とは?正しい読み方や、呼び名の語源・意味・風習を解説!

「立待月」とは?正しい読み方や、呼び名の語源・意味・風習を解説!

現代では太陽の動きを元にした太陽暦が使われています。明治初期頃までには、太陰暦が用いられていた頃の名残で、月にいろいろな名前がついているのをご存知でしょうか。立待月や居待月、寝待月など欠け始めた月にも風流な呼び名があります。こちらでは立待月を中心に紹介します。

記事の目次

  1. 1.はじめに
  2. 2.立待月とは
  3. 3.立待月以外の風情のある呼び名
  4. 4.まとめ

立待月以外の風情のある呼び名

Photo by Kentaro Ohno

「立待月」の他に「十六夜」「居待月」「寝待月」など、陰暦16日以降の月には風情のある名前が付けられてきました。15日の満月から少しずつ欠けてきて、月の出の時間が40分~50分ずつ遅くなっていきます。名前を見ると、だんだん出るのを待つ時間が長くなっていくのがわかりますね。

月を愛でる風習

立待月は15日の満月から2日過ぎた月です。前日の十六夜の月までは欠けたことがあまり目立ちません。しかし、翌日の立待月からは、まだ明るくても少しずつ欠けてくる様子が目立ってきますね。昔の人は月の姿が欠けていくのを惜しみ、次月の15日になるまで復活に向けて形を変えていく様子に親しみを覚えたのでしょう。味わい深く鑑賞する意味でも呼び名を考えたのではないかと言われています。

「十六夜」以降の呼び名

【16日】十六夜(いざよい)
意味・語源 「いざよう」(ためらうという意味)という言葉が語源。出るのをためらっている月の意味。前日の満月よりも遅れて顔を出すから。
【17日】立待月(たちまちづき)
意味・語源 上記の通り
【18日】居待月(いまちづき)
意味・語源 「居」は座ること。座って月の出を待っている様子を表す。
【19日】寝待月(ねまちづき)
意味・語源 別名「臥待月(ふしまちづき)」
寝て(臥して)待つというところから、横になって月の出を待つ様子をいう。
【20日】更待月(ふけまちづき)
意味・語源 「更」は夜が更けること。夜遅くまで待たないと出てこない月という意味。
【26日】有明月(ありあけづき)
意味・語源 有明(夜明けの空)に姿を表す月。
朝になっても月が出ているので、十六夜以降の月をまとめて有明月と呼ぶこともある。

風情のある呼び名ですね。「待」に「立」「座」「寝」「更」という字を組み合わせて、月の出の待ち時間がだんだん長くなっていくところが印象的です。

まとめ

Photo bybngdesigner

太陰暦で毎月17日の夜に輝く立待月とは、名前の付け方が秀逸で、昔の人がいかに月を身近に感じていたかがうかがえます。立待月の他に、居待月や寝待月といった待ち時間の長さを感じる名前も付けていて、月に並々ならぬ愛着があると見受けられるでしょう。また、たちまちという言葉の語源になったことから、現代人よりもゆったりした暮らしをしていたこともうかがえますね。

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海辺のつばくろ
ライター

海辺のつばくろ

海辺の町で魚を干しながらのんびり暮らしています。

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