スーパーボールを手作りするには?
色あざやかなスーパーボールは縁日などで子供たちに人気のある玩具です。スーパーボールは地面に投げると勢いよくはずみますが、そこにはある原理が働いています。また、スーパーボールは自宅に置いてあるものを使ってかんたんに楽しみながら自作できるので、夏休みの自由研究や工作にもとてもおすすめです。
最初に一般的に知られている「洗濯のり」と「塩」を使った透明なスーパーボールの作り方から見ていきましょう。
透明なスーパーボールの作り方
透明なスーパーボールを自作するときは、材料の洗濯のりは「PVA洗濯のり」を使ってください。ほかの洗濯のりを使ってしまうとしっかり跳ね上がるスーパーボールに仕上がりません。自宅にある洗濯のりに「PVA」と書いているか確認しましょう。
洗濯のりのPVAってなに?
PVAとは「ポリビニルアルコール」の略で、水に溶けやすい合成樹脂のことです。接着剤や塗料などによく使われている材料です。
用意するもの
材料
- 水:100cc
- 食塩:約40g
- PVA洗濯のり:紙コップ1cm分
道具
- プラスチック製コップやボール
- 軽量カップ
- 紙コップ
- 割りばしまたはかき混ぜ棒
- キッチンペーパーまたはきれいなタオル
作り方①食塩水を作る
スーパーボールを手作りするために使う食塩水は、プラスチック製のコップやボウルに水100ccに対して食塩約40gを入れて作ります。基本的には、もうこれ以上水に溶けないというくらいまで食塩を入れてください。この食塩水とあとに出てくる洗濯のりを混ぜることで、塩が水分を奪いかたまりができます。
色つきのスーパーボールを作る場合
色つきのスーパーボールを作る場合は、このタイミングで①で作った食塩水に作りたい色の絵の具を混ぜます。絵の具の種類は、しっかり色づけするときはアクリル絵の具を濃い目に入れます。マーブル模様のスーパーボールを作るときは、水性の絵の具がおすすめです。絵の具は溶けきるように少しずつ入れてよくかき混ぜましょう。
色づけのポイント
- ラメ入りを作るときは、ここでネイルで使うグリッターなどを入れる
- 透明なラメ入りを作る場合は、絵の具は入れずラメの材料だけを入れる
作り方②PVA洗濯のりを混ぜる
ホウ砂で固めると、PVAが繊維状に結合するのでこれをちぎるように液体部分と馴染ませます。この繊維状のなんかだけになるとスーパーボールみたいなクソ固いスライムになるので丁寧に混ぜる pic.twitter.com/KQC4wdtEBi
— さいのす (@sainoswww) March 28, 2020
食塩水を作ったら、別の紙コップに1cmくらいPVA洗濯のりを入れてください。そして、①で作った食塩水をPVA洗濯のりが入った紙コップの中に、ゆっくりと注いでいきます。
作り方③割りばしでしっかりかき混ぜる
紙コップの中の食塩水とPVA洗濯のりを割りばしでゆっくりとしっかりかき混ぜます。混ぜていくうちにPVA洗濯のりと食塩水が割りばしにからまってきます。割りばしを上に持ち上げてみると、不思議な白いかたまりになっているので、そのかたまりを割りばしからはずしましょう。
作り方④かたまりを丸めて水分をとる
洗濯ノリと絵の具をまぜまぜ→食塩水をいれて割り箸でまぜまぜ→絡みついたのを丸めてコロコロ→キッチンペーパーで水分吸い取り→スーパーボール(`・ω・´) pic.twitter.com/QU509PwG9R
— ゆか。 (@yukanyancyu) August 16, 2014
割りばしからはずした白いかたまりを、水をしぼるように3~4回ギュッと手で固めます。さらに、キッチンペーパかきれいなタオルの上でころがしながら水気を拭きとってください。白いかたまりをきれいな丸い形に整えて水分が残らないようにしっかり乾燥させたらスーパーボールの完成です。しっかり丸い形に成形することが重要です。
洗濯のりと塩で作るときのポイント
- 洗濯のりは「PVA洗濯のり」を使う
- 割りばしを使ってしっかりとかき混ぜる
- よくはずむスーパーボールを作るには、凸凹がなくきれいな球状を作る
透明のスーパーボールの作り方【スライム使用編】
子どもたちが好む不思議な感触の玩具に「スライム」という粘性のドロドロしたものがあります。この「スライム」を再利用して、後から食塩を足すことでスーパーボールをかんたんに作れます。最初に「スライム」を作ってから、食塩を足してスーパーボールを作りましょう。
用意するもの
スライム作りに必要な材料と道具
- 軽量カップ
- PVA洗濯のり:100cc
- 水:1回目100cc、2回目50cc
- コップ(紙またはプラスチック製)
- 割りばしまたはかき混ぜ棒
- ホウ砂(ホウシャ):約5g
- 食塩:適量
ホウ砂は主に薬局やドラッグストア、ネットなどで購入できます。
作り方①水とPVA洗濯のりを混ぜる
最初にスーパーボールの原料となる「スライム」を作ります。コップに水100ccとPVA洗濯のり100ccを入れて割りばしやかき混ぜ棒でよく混ぜましょう。
色つきのスーパーボールを作る場合
色つきのスーパーボールを作る場合は、このタイミングで①に絵の具を入れて色が均一になるように割りばしで混ぜてください。
作り方②ホウ砂水溶液を作る
PVA糊と水に、ホウ砂飽和水溶液を加えて、スライム作り。PVA糊の紐状分子がホウ酸イオンで架橋されて網目状構造に(その間に水分子)。大量にできるので、夏祭りイベントの出し物とかによいかもしれません。色は透明が楽。砂鉄、夜光塗料を混ぜたりバリエーションも豊富です。 pic.twitter.com/5W1tnlMIQy
— 椿@弁理士(椿特許事務所) (@Tsubaki_Yutaka) August 2, 2020
水とPVA洗濯のりを混ぜ終わったら、別の軽量カップに水50ccを入れて、ホウ砂5gを足しよくかき混ぜてホウ砂水溶液を作りましょう。
作り方③ホウ砂水溶液を足して混ぜる
①にホウ砂水溶液を足して割りばしまたはかき混ぜ棒でよくかき混ぜましょう。よく混ぜたらこれでスライムのできあがりです。
作り方④完成したスライムに食塩をかける
完成したスライムに、食塩をスライムが隠れるくらい振りかけてぐるぐるとよくかき混ぜます。しばらく様子を見て出てきた水分を捨てて、もう一度食塩を入れてかき混ぜ再度水分を捨てます。この作業を水分が出なくなるまでくり返しましょう。スライムでスーパーボールを作るときは、あとから混ぜるこの塩がポイントになります。
食塩をかけるとなぜスライムは固まるの?
スライムに食塩をかけると個体と液体が分離して固体が縮みます。食塩には水分を取り出す能力があるからです。
作り方⑤スライムが固まったら手で丸くこねる
スライムが固まったら手で丸く成形してください。形がボールらしく整ったらスーパーボールの完成です。
スライムに食塩を足して作るときのポイント
- 水とPVA洗濯のりをよく混ぜる
- 最初に入れる食塩は、スライムが隠れるくらい振りかける
スーパーボールが跳ね上がる原理
一般的なスーパーボールが跳ね上がるのは、弾性が強い合成ゴムを使っているため、地面にぶつけると強い力で押し返されるためです。手作りのスーパーボールは固体になると弾性が強くなる「PVA洗濯のり」を使っているため、こちらもよく跳ね上がります。
弾性が強い合成ゴムを使っている
縁日などで売っているスーパーボールには、「ポリブタジエン」という合成ゴムが使われています。一般的にゴムは変形させても手を離せば元の形に戻る「弾性」が強いです。「ポリブタジエン」も弾性が強く地面にぶつかると強い力で押し返すため、普通のゴムボールよりよく弾みます。
PVAは弾性や跳ね上がる能力が高い
スーパーボールの自作ではPVA洗濯のりに食塩を加えます。ゴムではなくプラスチックに近い物質のPVAは水に溶けますが、溶けきれない分は固体になります。その固体になったPVAは弾性が高いため、PVAを使って作ったスーパーボールを床に投げると、投げた力と同じだけバネになり大きくはずむのです。
弾性とは「あるものが外からの力で変形しても、力がなくなると元に戻ろうとする性質」のことです。
スーパーボールをかんたんに手作りしよう!
スーパーボールは手触りや遊び方など、子供たちが好む遊びの要素がたくさんあります。自宅でよくはずむスーパーボールを作る秘訣はPVA洗濯のりを使うことです。また、スライムに塩をかけて再利用し、スーパーボールを作ることもできます。この記事を参考にして、親子でスーパーボール作りを楽しみましょう。
出典:写真AC