毛ガニとは
毛ガニはクリガニ科の一種で、北西大西洋の広い地域に分布しています。体全体にびっしりと毛が生えたように見えるため、日本では「毛ガニ」と呼ばれています。私たちが目にする毛ガニは「赤いからだ」が一般的ですが、これは加熱によってカニの甲羅にある色素が変化したためです。生の毛ガニは紫がかった茶色をしています。
基本情報
分類 | クリガニ科ケガニ属 |
学名 | Erimacrus isenbeckii |
日本での主な分布 | 日本海沿岸、茨城以北の太平洋 |
色 | 紫がかかった茶色、加熱により赤く変化 |
毛ガニの脚のさばき方
ここでは「活毛ガニ」を用いて、銀座渡利の板前さんによる動画を参考に「活毛ガニ」のさばき方を紹介します。身の開き方についても併せて紹介します。
活毛ガニの入手方法
カニは通常「ゆでる」食べ方が一般的なので、流通段階でボイルされています。スーパーでは生の毛ガニは手に入りにくいでしょう。料亭などでは活ガニが使われていますが、これは市場から直接買い付けされたものと考えられます。水産市場などで水揚げされたばかりの生きた毛ガニを買い求めるのが現実的です。
さばき方①脚を落とす
出刃包丁を使って、胴体から脚を切り落とします。脚の付け根にも関節がありますので、できるだけその関節の外側(爪先側)に包丁を入れてください。
さばき方②殻をはぎとる
殻から身をはずす工程に入ります。包丁を寝かせて殻の表面をそぎ切ります。一つ目の関節のところに包丁を入れて、脚の付け根の方向に向けてゆっくり殻をそいでいきます。カニの殻は固いので、包丁の取り扱いに注意してください。ピーラーを使う方法も一案ですが、刃が立たない場合があるので避けたほうがよいでしょう。
さばき方③身を外す
生きたままのカニは殻に筋肉が張り付いた状態にあります。爪先をもって脚の付け根の方向へ引っ張るようなイメージで、ゆっくり殻からはがしていきましょう。少し力が必要になりますが、身を壊さないように丁寧に処理してください。
さばき方④水にさらす
殻からはずした身は、氷水に日本酒(清酒・料理酒でも可)を少々振り入れた水に入れて絞めます。これは、カニのアクを抜く作業もかねています。3分ほど氷水につけておきましょう。これが、カニの身の開き方といわれるものです。
さばき方⑤水気をふき取り完成
ボウルの中で時間を置いた後で、軽く振り洗いをし、水気をキッチンペーパーでふき取ると、カニの筋肉が花を咲かせたように変化します。この状態までつくれば「刺身」として食べられるので、お刺身の盛り合わせなどに添えてみてはいかがでしょうか。
毛ガニの寿司の作り方
ここからは、さばいた毛ガニの食べ方のひとつとして「お寿司」に仕立てる方法を紹介します。活毛ガニの寿司はそれだけで珍品ではないでしょうか。家庭でも作れるので、チャレンジしては?
①毛ガニの身をそぐ
氷水にさらして、花を咲かせた状態のカニの身を爪先から外します。カニの脚には腱の役割も果たす透明な骨が1本通っています。その骨を包むようにカニの身がついています。包丁を当てて殻の根元を断ち切った後、包丁はそのまま動かさず爪を引っ張って身から骨を抜いてください。これが、カニの身をふんわり残す秘訣です。
②酢飯と合わせて握る
てのひらに2本分の毛ガニの脚の身を置いた後、一口大の酢飯をカニの身の上にふんわりを置きます。酢飯は味付けをした後完全に冷ましたものを使ってください。カニの身と酢飯それぞれをつぶさないように、まとめて握ってください。
③飾りをのせて完成
皿の上にやさしく乗せた後、刷毛に含ませたしょうゆを少量、カニの身の上から塗ります。針しょうがと穂紫蘇を添えて完成です。
毛ガニの胴体の食べ方
脚を落とした後、甲羅と胴体が残ります。甲羅を下にしたものをキッチンペーパーに乗せて、生のまま1時間弱蒸しましょう。腹側にある「ふんどし」を外せば、その隙間に指を入れて甲羅を外せます。甲羅に詰まったカニみそを楽しめるほか、胴体にも身が詰まっているので、カニフォークなどを使って外して食べましょう。
加熱するとチャーハンの具や卵とじなどいろいろな調理法で楽しめます。
まとめ
生きた毛ガニのさばき方や食べ方について紹介しました。豪華な活毛ガニの寿司の作り方など板前さんの調理法は勉強になります。もし、生のカニが手に入ったらカニの身の刺身やお寿司づくりにチャレンジするとよいでしょう。
参考動画
今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成をいたしました。
出典:写真AC