はじめに
私たちの生活に欠かせない塩。ほかのどの調味料よりもシンプルな味付けで、食材そのもの味を引き立たせてくれます。カルディなどの輸入食材のお店に行くとさまざまな見たことのない塩を見つけることができますね。塩と言っても種類によって微妙に味が違います。どの塩がどんな食材に合うかがわかれば、料理と食事がもっと楽しくなりますよ。また、普段使っている塩がどの様に加工されているかや塩の選び方の注意点もご紹介します。
塩とは
とても身近な食材の塩ですが、結局塩とはどのようなものなのでしょうか。こちらでの説明は主に調味料としての塩の説明をします。塩は主に塩化ナトリウムを成分としています。パッケージにはナトリウム量が表示されていることが多いのですが、高血圧に影響するのは塩分量と言うよりもナトリウム量が重要とされているからです。
減塩がよく取り上げられていますが、新陳代謝をよくし、脱水症状を防いでくれるなど筋肉や細胞のバランスを保ってくれます。私たちの生命維持に欠かすことのできない食品でもあります。
塩の種類
塩と一口に言ってもさまざまな種類があります。色も白だけでなく、ピンクや黒い物までとても豊富。私たち日本人は昔から白い塩しか見ることがなかったので、なじみが薄いので選び方もよくわからないという方もいるかもしれませんね。塩がとれる場所は大きく分けて3つです。詳しく見てみましょう。
種類①海水塩
まずは海水塩。日本では塊になってとれる塩がないため、国産の塩はほとんど全て海水塩になります。しかし、塊でとれることはない海水から採集する方法は非常に効率が悪いため85パーセントが輸入です。雨の多い日本では煎ごうと呼ばれる方法で、海水を蒸発させてかん水と呼ばれる状態にして、釜で煮詰めて作られます。味はまろやかでうまみがあるのが特徴です。
種類②岩塩
岩塩は大昔の地殻変動で取り残された海水の塩分が蒸発し、そのまま塊になったものです。いわば海の化石ですね。世界の60パーセントがこの塩で、もっとも一般的な塩です。アメリカや欧州でよくとれ、有名な場所は世界遺産にもなっているポーランドのヴィエリチカ岩塩坑です。
直接切り出すこともしますが、非常に硬いのでいったん水で溶かして組み上げたりすることもあるようです。重金属などの不純物が多いため、採集したものを精製して食品にします。こちらは海水塩に比べてシャープな印象です。
岩塩の砕き方
旅行のお土産などでいただいたり自分で買ってきた岩塩のブロック。とても硬くてどうやって料理に使おうか困ったことはありませんか。岩塩と言うからには文字通り、とても硬いです。付属で金属のおろし金がついていることもありますが、ない場合はいくつか方法があります。
1.火打石のように2つの塩を打ち付けあって料理にかける
2.ふきんなどに包んでハンマーで砕いて小さくしてから塩用ミルで削る
3.岩塩用のハンマーや肉叩きで砕く
4.いったんお湯に溶かして乾燥させ、粗塩にしてしまう
ミルを使うときはこしょう用では錆びてしまうため、必ず塩用のミルを使用してくださいね。
種類③湖塩
アラビアにある死海やボリビアのウユニなどの有名な塩の採掘場の多い湖塩。こちらも長い間地殻変動で海水が閉じ込められたものが塩になっています。周りに流出しそうな川もないためウユニのような広大な塩原ができあがるのです。
湖塩なのでなくなりそうな印象ですが、切り出しても少しずつ地中からせり上がってくるので、ずっと同じ場所でもとれてしまうのだそう。しかし、流通も少なくとても希少。他の塩に比べて高価です。湖塩は乾燥した地域でとれるため、塩分濃度が高いのも特徴です。バランスが取れた味で使い勝手もよし。日本でも湖塩の塩は購入できますよ。
その他の塩の種類
他にも井塩(せいえん)と呼ばれるドイツや中国の四川、日本では長野県などで行われる塩分が含まれた温泉水、地下水から製造される方法。雨の多い地域には塩分を含む植物や海藻を焼いた後にできる灰の中から採集する方法などがあります。