はじめに
冬になると土鍋の出番が増えてきますよね。鍋料理は心も体も温まる料理です。土鍋の特徴、洗い方、注意点を知っておくと、土鍋の寿命を縮めることなく長持ちさせることができます。土鍋の扱い方は意外とシンプルなので、この機会にチャレンジしてみましょう。
土鍋を初めて使うときのお手入れ方法
土鍋を初めて使うときには、必ずやるべきお手入れがあります。「目止め」といわれるものです。この処理をしておくと、ヒビ割れや匂い移りを防ぐことができます。土鍋には無数の小さな穴があり、それを塞ぐために「目止め」の処理をするのです。土鍋にはたくさんの種類があるため、土鍋に合った目止めの方法が最適。こちらでは一般的な失敗しにくい「目止め」をご紹介します。
「目止め」の方法
「目止め」には、片栗粉を使う方法がおすすめ。まず土鍋に8分目くらいまでの水と、水の分量の10%くらいの片栗粉を入れます。そしてよくかき混ぜ、弱火で30分くらい加熱しましょう。吹きこぼれそうになったら、水を足します。火を消し一晩そのまま冷ましましょう。洗剤を使わず水洗いをして、完全に乾燥させたら「目止め」の完成です。乾燥させるときは、乾きにくい鍋底を上にするのがポイント。
土鍋の基本の洗い方
土鍋を洗剤で洗ってもいいのかどうか迷った経験はありませんか?なるべく使わずに洗えるのがよいといわれていますが、洗剤を使って洗っても大きな問題はありません。それでは土鍋の洗い方を2種類にわけてご紹介します。ご自身に合ったやり方を選んでみてください。
洗剤を使う洗い方
洗剤を使って洗う場合は、土鍋が割れるのを避けるために冷めてから洗いましょう。あらかじめ鍋の汚れをふきとり、スポンジなどの柔らかいもので、短時間で洗います。土鍋は水分を吸収しやすい素材です。そのため洗剤の成分も多少は吸収されてしまいます。洗剤を入れた状態でつけ置きするのは、洗剤の匂いがついてしまう可能性があるため避けましょう。
「洗剤を使う」洗い方まとめ
- さわれるくらいに土鍋が冷めてから洗う
- 洗剤は少量の中性洗剤を使う
- 柔らかなスポンジなどを使い短時間で洗う
- 洗剤を入れた状態でつけ置きはしない
洗剤を使わない洗い方
洗剤を使わずに洗う場合は「重曹」を使う人が多い傾向にあります。「重曹」は料理や掃除でよく使われ、安全なためでしょう。「重曹」を使った洗い方をご紹介します。土鍋は冷めた状態で、汚れに直接「重曹」を振りかけましょう。約大さじ1~2杯を使います。そしてスポンジで優しくこすって、汚れを落とし、水で流しましょう。これは軽い汚れにおすすめの洗い方です。油汚れがひどい場合は、洗剤を使う洗い方を参考にしてください。
「洗剤を使わない」洗い方まとめ
- さわれるくらいに土鍋が冷めてから洗う
- 汚れに重曹大さじ1~2杯を振りかける
- 柔らかなスポンジを使い優しく洗う
- 最後に水で流す
土鍋の焦げの落とし方
土鍋は料理によってはこげついてしまうことがありますよね。焦げを落とすために、金属タワシでごしごしとこすってしまったことはありませんか。金属タワシでごしごしと洗ってしまうと、土鍋の寿命を縮める原因になるので要注意です。またクレンザーを使うのも洗剤が吸収されるので避けましょう。それでは土鍋の焦げの落とし方をご紹介します。
用意するもの
頑固な焦げを落とすには、焦げの種類によって、使うものが異なります。肉、魚、卵、米などの焦げには、重曹を使うのが最適です。野菜類、豆類などの焦げには、お酢を使いましょう。用意するものは、重曹またはお酢、柔らかいスポンジ、水です。
洗い方
まずさっと土鍋の汚れを水で落とします。そして土鍋の8分目くらいまで水をいれましょう。焦げの種類に合わせ、土鍋に、重曹大さじ3杯またはお酢50ccを入れます。よくかき混ぜたら、火にかけ中火で沸騰するまで待ちましょう。沸騰したら火を止めて、そのまま一晩放置。次の日に柔らかいスポンジでこすると「焦げ」が落ちます。
土鍋の軽いこげつきを落とす洗い方
比較的軽いこげつきを落とす洗い方は、土鍋にぬるま湯を入れ、こげつきをふやかす方法です。土鍋にぬるま湯を入れ、2~3時間ふやかします。そしてキッチンペーパーで焦げをふきとるだけです。軽いこげつきはこの方法を試してみてください。土鍋を傷めずに、焦げを落とすことができます。
土鍋のこびりつきの落とし方
土鍋のこびりつきといえば、特にお米のこびりつきが落としづらいのではないでしょうか。鍋料理の〆に雑炊をしたとき、土鍋でご飯を炊いたときには、こびりつきに困りますよね。そんなときのこびりつきを落とす方法をご紹介します。もちろんお米のこびりつき以外にも使える方法です。
用意するもの
用意するものは、基本的には水と柔らかいスポンジです。頑固なこびりつきを落とすときは、水、柔らかいスポンジ、重曹小さじ1程度を用意しましょう。用意するものはこれだけです。意外とシンプルですね。重曹は焦げ落としにもこびりつきにも使えるので、1つもっておくことをおすすめします。
洗い方
土鍋のこびりつきを落とすときには、水を8分目までいれて煮立て、火を消して10分程ふやかしましょう。たいていはこれだけで落とすことができます。それでも落ちない頑固なこびりつきのときは、重曹を小さじ1位いれて煮立てましょう。そうすると簡単に土鍋のこびりつきを落とすことができます。柔らかいスポンジを使い、優しくこすることがポイントです。
土鍋を使うときの注意点
土鍋を使うときの注意点をおさえて使用すると、長持ちさせて使えます。せっかく土鍋を使うなら、長持ちさせたいですよね。それでは具体的な注意点をみていきましょう。空焚きしたときと土鍋を冷蔵庫からだしたときについてまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
空焚きはしない
土鍋は性質上、急激な温度変化に弱い素材です。そのため「空焚き」は避けましょう。「空焚き」に気づいても慌てずに、自然冷却してください。あわてて水にいれて冷ましたり、冷たいスープを注いだりしてしまうと、土鍋が割れる原因になります。また土鍋を火にかけるときは、最初は弱火にかけ、徐々に火を強めていくと土鍋の劣化防止になるのでおすすめです。
冷えた土鍋は常温にもどしてから
土鍋料理が余ったときに、匂い移りなどを防ぐために料理を移してから保存するのが理想です。しかし土鍋ごと冷蔵庫に保管してしまうことはあります。冷蔵庫からだして再度加熱するときは、土鍋を一度常温にもどしてから温めなおしましょう。常温に戻すことで急激な温度変化による、ひび割れを防ぐことができます。
土鍋の使用後の保管方法
土鍋は使うときにもポイントがありますが、正しい保管方法をすることも大切です。正しい保管方法をするとカビ防止や長持ちさせることにつながります。それでは土鍋を保管する前にしておくこと、保管方法、保管するおすすめ場所について紹介していきましょう。
よく乾かすことが大切
土鍋は吸水性のある素材でできています。使用後はしっかりと乾かして保管しましょう。乾かすポイントは、土鍋の底を上にして、直射日光の当たらない風通しのよい場所で十分に乾かすことです。表面だけではなく、土鍋の内部も乾かすことが大切。食器乾燥機を使うのもおすすめです。
土鍋を長期間保管する場合
土鍋を長期間保管するおすすめの方法は、新聞紙にくるみ、食器棚の一番下にしまうのがおすすめです。湿気の多いシンク下にしまうのは、カビや匂いの原因になるため避けましょう。土鍋を長期間保管するときにやりがちなのは、買ってきた箱にそのまましまってしまうことです。箱にしまってしまうと、土鍋が通気性の悪い状態になるので、カビの原因になります。そのため箱にしまうのはおすすめできません。
まとめ
いかがでしたか。土鍋の洗い方を中心に、基本のお手入れ方法から使用後の保管方法までご紹介しました。冬になると活躍する土鍋です。この機会に一度土鍋のお手入れ方法を見直してみてはいかがでしょうか。土鍋の扱い方は、意外と難しいことはなくシンプルです。正しいお手入れ方法、洗い方、保管方法をすると、土鍋を長持ちさせることができます。ぜひこの機会に土鍋料理を楽しんでみてくださいね。