精霊馬・精霊牛とは?
精霊馬・精霊牛の意味
祖霊の送り迎えをする
お盆に飾られるなすやきゅうりは、それぞれ馬と牛を模していて「精霊馬(しょうりょううま)」、「精霊牛(しょうりょううし)」と呼ばれます。総称して精霊馬ということもあります。精霊馬と精霊牛は、迎え盆に祖霊が馬に乗って早く帰ってこれるように、送り盆では牛に乗ってたくさんのお供えものを持ち帰っていただけるように、という意味が込められています。
なすときゅうりを使う理由
なすときゅうりである理由は諸説ありますが、お盆に旬の夏野菜をご先祖様にお供えしていた名残のようです。一説では、かつての七夕行事で豊作祈願や祖霊を迎えるため、茅などで作られていた「七夕馬」という飾り物が、お盆のお供え物にも使われるようになったともいわれています。
精霊馬・精霊牛の作り方
なすときゅうりの選び方
精霊馬と精霊牛を製作する前に、まずは適当ななすときゅうりを選ぶ必要があります。牛を表すなすは、たくさんのお供え物を運べるよう、どっしりとしたものを選びましょう。きゅうりを選ぶ際は、足の速い馬がイメージできる細身のものがいいでしょう。いずれも真っ直ぐなものより、少し曲がっている方が動物らしさが出るためおすすめです。野菜の選び方ひとつで個性的な精霊馬が作れます。
作り方の手順
お好みでなすときゅうりを選んだら、精霊馬を実際に作ってみましょう。今回は一般的な作り方をご紹介します。後ほどご紹介するように、最近では独創的な精霊馬を作る人も増えてきていますので、基本的な作り方を参考にしながら個性豊かな精霊馬を作っても面白いです。
作り方①材料をそろえる
まずはこちらの材料を準備します。割りばしはカットする長さに応じて1~2膳用意しましょう。
作り方②割りばしをカットする
精霊馬の足になる割りばしをカットして、なすときゅうりにそれぞれ4本用意します。なすは牛にみえるよう短めに、きゅうりは馬に見えるよう長めにカットすることでよりそれらしく見えます。
作り方③割りばしを野菜にさす
最後に、割りばしをなすときゅうりにさして完成です。外向きに開くようにさすと自立しやすくなります。なすときゅうりのヘタは、それぞれ精霊馬と精霊牛の頭に見立てることも多いです。小さめの野菜を使う場合は割りばしではなく爪楊枝を代用できます。お花などの飾りを爪楊枝で固定して付けてもかわいいです。
【番外編】オリジナルの精霊馬を作ろう
最近ではなすときゅうり以外の野菜を使ったり、技巧を凝らしてオリジナルの精霊馬を作る人も増えています。ご先祖様が好きだったものになぞらえて作るなど、遊び心をまじえてお迎えするもの楽しそうです。
ご先祖様に似せた精霊馬を飾るのも面白いです。似た形のなすときゅうりを使っています。
夏野菜はなすときゅうりだけではありません。トマトやゴーヤを使ってオリジナルの精霊馬をつくるのもよいですね。
同じようになすを使っても、切り方や組み立て方によって全く違った印象の精霊馬が作れます。馬や牛だけではなく、型にはまらない精霊馬を作っても面白いです。爪楊枝を使って野菜を組み立てるのも簡単に真似できるアイディアです。
#精霊馬 作った。キュウリのザクも考えたけど、厳しそうなのでやめた。 pic.twitter.com/VKdnicVxYV
— パンダ番長 (@panda_bancho) August 12, 2018
ご先祖が好きだったキャラクターに見立てているのでしょうか。とても技術が高いため、ここまで真似することは難しいかもしれません。このようにユニークな精霊馬をSNSで公開することが、お盆の楽しみのひとつになりつつあります。難易度の高いものもありますが、興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC